2013年7月29日 (月) 掲載

◎GLAY 夢の2日間

 函館出身の人気ロックバンドGLAYの野外ライブ2日目が28日、緑の島(函館市大町)で行われ、2日間で5万人を動員した夢のステージが幕を閉じた。メンバーは愛する函館で新たな歴史を刻み、ファンに同所での再会を約束した。

 この日は、時折強い雨が降るあいにくの天候となったが、メンバーの雨を吹き飛ばすほどの熱い演奏に、ファンは大声援で応えた。

 名曲「HOWEVER(ハウエバー)」で始まり、新旧アルバムメドレーなどを次々と披露。ライブのテーマソング「Eternally(エターナリー)」を、TERUが情感たっぷりに歌い上げると、会場は感動に包まれて涙を流す人も見られた。

 TERUは「高校を卒業して24年。こういう景色を見ることができる幸せを与えてくれたのは皆さんです」と感謝。バンドとしてさらに進化することを誓い、「また緑の島で会いましょう」と結んだ。

 ライブは、市や「GLAY Live in HAKODATE協議会」(渡邉兼一会長)が成功に尽力したほか、市民やファンの協力もあり、大きな事故や混乱もなく無事に2日間の日程を終了した。

 埼玉県の会社員、田嶋理音さん(25)は「函館を訪れてメンバーがこのまちを愛している理由が分かった。またいつかここでGLAYに会いたい」と話していた。(金子真人)



◎大雨で列車運休続く

 JR北海道は27日から続く胆振方面の大雨の影響で28日、室蘭線の苫小牧−長万部間、東室蘭−室蘭間上下線の列車の運転を終日見合わせた。函館−札幌間では、特急スーパー北斗と臨時特急北斗の特急列車16本などを運休、同線を走る寝台特急や普通列車を含む136本の運転を見合わせ、計約1万5000人に影響した。

 函館駅では午前、切符の払い戻しを求める多くの観光客らが窓口に列をつくった。札幌市の会社員小松紗恵子さん(37)は「他の交通機関に乗り換えようと思ったが、バスもレンタカーも予約でいっぱい。帰る手段がない」とため息をついた。

 同駅構内では昨日に続き、帰宅困難な乗客を対象に「列車ホテル」14両を開放。午後9時ごろから利用客が乗り込み宿泊した。釧路市の会社員、中澤遥介さん(18)は「親の影響でずっと好きだったGLAYのライブに来られてとてもうれしかったが、帰れなくて困っている。29日には特急が動くことを願う。ホテルも満室で取れなかったので、列車ホテルに泊まるしかない」と話していた。

 市は27日から28日にかけて、「列車ホテル」に乗車できなかった乗客12人を市役所と弥生小学校で受け入れ、28日から29日にかけても受け入れる予定。また、同駅からは午後11時半、倶知安、小樽を経由して札幌へ向かう団体専用の臨時列車1本が出発した。

 29日は始発から通常通り運転を再開する見込み。



◎路面電車感謝祭にぎわう

 函館市企業局交通部は28日、恒例の路面電車感謝祭を駒場車庫で開いた。車両の見学や700人を超える親子連れや電車ファンが会場を訪れ、今年も運行開始間近の函館港まつり用花電車やササラ電車など、たくさんの車両と触れ合った。

 開会式で秋田孝企業局長は「路面電車が100年間走り、遠い将来も走り続けることができるのはすべて皆さんのお力。これからも市電を強く強く応援してほしい」とあいさつした。

 会場では、子ども向けに運転士免許証作成サービスや電車シミュレーターの展示などが行われたほか、電車用信号機や車両に使われたプレートなどの廃車部品の販売にはファンの注目が集まった。

 また、NPO法人函館市電の熟練工の技を伝える会は台車を展示して、市電整備の仕事を紹介。同会の三浦昭宏さんがブレーキの仕組みなどを説明しながら「50年以上使われている台車がほとんど。なくなった部品を作ったり、直しながら使っている」などと話していた。

 第2会場の企業局庁舎(アクロス十字街)ではスタンプラリー参加者の抽選会や市電Nゲージを展示。車庫を見学した後、ラリーを達成した八雲中学校3年の鈴木大登君(14)は「路面電車はゆっくりと、まったりとしているところが好き。午後はまた電車で市内を一周したい」と話していた。(今井正一)