2013年7月31日 (水) 掲載

◎食堂「急行」 一旦閉店、来月中旬に移転開業

 【木古内】JR木古内駅前に長年店を構え、名物「やきそば」が愛されてきた食堂「駅前飯店急行」が8月中旬から、店舗を移し営業を継続する。北海道新幹線開業に伴う駅前整備による移転で、一時は閉店も考えたという店主の垣内キミさん(85)は、「『やめないで』という多く声がうれしかった。体力が続く限り店を守りたい」と話している。

 同店は1956(昭和31)年に開店。夫の幸四郎さん(故人)とともに名代やきそばを考案した。店名には「急行列車が止まるように」という当時の願いが込められている。

 道内外を問わずリピーターが多い同店の「やきそば」は並700円、大1000円。太麺に豚肉、野菜やカマボコなど具材がたっぷり、大きな中華鍋で垣内さんが仕上げる。しょうゆと強めのコショウがクセになるおいしさと評判だ。中にはタッパーに焼きそばを詰めた弁当を持ち帰る客も多いという。

 91年に幸四郎さんが亡くなると、1人で店を切り盛りしてきた。体調を崩し4年ほど前からはメニューをやきそば一本に絞った。それでも道内はもとより遠くは九州から客が訪れ続けている。現在はアルバイトの宮西市雄さんも調理を手伝う。

 「昨年までは閉店しようと思っていた。けれど閉店を惜しんでくれる人たちの存在が活力になった」と垣内さん。同店で最後のやきそばを味わおうとひっきりなしに客が訪れ、予約の電話も殺到しているという。31日で同所での営業を終え、現在の場所から200メートルほど離れた木古内署向かいの新店舗での開業準備に入るという。東京に住む娘の夫が後継者になる予定といい、「体と相談しながらお客さんの期待に応えていきたい」とほほ笑む。

 営業時間は午前11時から午後7時半(不定休)、問い合わせは同店(TEL01392・2・2055)へ。(小杉貴洋)



◎道南の食ずらり 「フードカン」あすオープン

 道南産品アンテナショップ「フードカン」(伊藤隆史店長)が8月1日、JR函館駅構内にオープンする。地元で生産され、愛されている商品が一堂に集まり、道南の食の魅力が満載だ。

 北海道新幹線開業に向け、渡島総合振興局がノーステック(橋本真一社長)に委託して開設。約43平方メートルに、たま福来甘納豆(石黒商店)など大豆製品、豆乳函館しふぉん(函館おたふく堂)、松前漬け(旅館よこはま荘、蝦夷(えぞ)松前龍野屋)といった約200品目が並ぶ。

 旬の野菜を扱う「あぐりへい屋」と、「がごめ昆布ねばねば本舗」のサテライトコーナーも設置。また、森町の有機栽培カボチャ「くりりん」を使ったソフトクリーム、シェイクの持ち帰りもできる。

 1日は、先着200人にガゴメを使った「浅漬けの素(もと)」をプレゼント。伊藤店長は「月600万円の売り上げが目標」と意気込む。

 午前7時(1日は同10時)〜午後7時。問い合わせは同店(TEL0138・21・1200)へ。(山崎大和)



◎甘い「味来」いかが 特産トウモロコシ販売始まる

 【福島】糖度が高く生食でもおいしい町特産のトウモロコシ「味来(みらい)」(1本150円)が町内で販売され始めた。“メロンよりも甘みが強い”と言われ、フルーツ感覚でも楽しめると人気だ。とうもろこし味来生産組合の佐藤孝男会長(66)は「これから暖かさが増すとますます甘くなる。ぜひご賞味を」とPRする。

 味来は普通のトウモロコシに比べ小ぶりなものの糖度が15〜20度と高く、粒の皮も柔らかいことからゆでても、生でも食べられる。

 町内では2010年に、森町の農園から指導を受けて6000本の試験栽培を開始。年々、生産数を拡大し、今年は農家11軒で4月下旬から植え付けを行い、1万6200本に達した。7月23日から販売を始め、町内の小中学校の給食にも提供された。

 町役場農林課によると、時期が近付くと味来に関する問い合わせも多数寄せられる。町内だけにとどまらず、近隣町からも買い求める客が多くなっているといい、人気商品のため売り切れる日も珍しくないという。直売所の営業は毎週火〜金曜日の正午から午後4時までで、町内で日曜日に開かれている「どすこい朝市」にも並ぶという。

 昨年は害虫被害に見舞われ、今年は天候不良の影響で半月ほど収穫が遅れたというが、「出来は上々」と佐藤会長。30日現在で糖度は18度となっている。9月上旬まで楽しめるという。問い合わせは同課(TEL0139・47・3002)へ。(小杉貴洋)


◎来年3月から分娩再開 道立江差病院

 【江差】医師不足のため2007年1月から分娩業務を休止している道立江差病院について、道は30日、来年3月1日から分娩を再開すると発表した。受け付けは早ければ今年8月からだが、安全面を優先し、当面は出産経験のある妊婦のみを対象にする方針。

 高橋はるみ知事が30日、記者会見して発表した。出産経験者のみの受け付けについて、道関係者は「長期間の休止などを考慮し、リスクを避ける意味で理解してもらいたい」とする。

 道側から江差町に具体的な連絡は入っていないが、8月3日に町内で開く講演会で医師を派遣する札医大の教授が、正式なスケジュールを伝えるという。

 浜谷一治江差町長は「出産の再開は住民の大きな希望。初産も対応できるように働きかけていきたい」と話している。

 3日の講演会は午後3時から、ホテルニューえさし(新地町52)で行われる。入場無料。(田中陽介)