2013年7月4日 (木) 掲載

◎市電100周年多くの乗車 関連グッズ売り上げ好調

 函館市企業局交通部は路面電車開業100周年記念事業が行われた6月29日の売り上げをまとめた。全区間100円均一で運行した同日の料金収入(定期外)は155万1820円で、想定以上の乗車があった。関連グッズも100万円近く売り上げ、同部事業課は「式典には300人以上の来場があり、撮影会にも全国から電車ファンが多く集まった。100周年の節目だったことが大きい」としている。

 同部は、当日の料金収入を、200円均一で運行した昨年8月1日の函館港まつり初日の実績273万円の半分程度と想定。通常料金となった翌日の30日は157万円、前年同時期の土曜日(2012年6月30日)の183万円と比較しても、記念日に多くの人が市電に乗車したことがうかがえる。

 また、復刻花電車として運行を始めた「箱館ハイカラ號」の売り上げは3万5470円で、大人料金換算で乗車人数は354人となり、普段の倍以上の利用があった。一日乗車券も100周年記念特別券を中心に220枚が売れた。同課は「期待した以上の結果。撮影を楽しんだファンにも移動手段として利用してもらった」とする。

 一方、普段は多い日で1万円程度という市電関連グッズの販売も好調で、同日から発売を開始した廃止路線の様子を収めたDVDは35万円、記念誌は31万円など、計92万6000円を売り上げた。方向幕(5万2500円)、系統板(1枚7350円)といったお宝グッズ≠熹р黷ス。

 同課は「各種メディアで100周年が取り上げられたことで、市民や観光客、ファンに関心を持ってもらった。利用者に感謝し、次の100年に向けて、これからも頑張っていきたい」としている。(今井正一)



◎6月道南 スルメイカ漁前年比16%減

 道南スルメイカ漁は、函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での6月取扱量が前年を16%(39トン)下回る201トンとなった。まずまずのスタートを切ったが、長引く燃油の高止まりにより、厳しい経営を強いられている。

 市農林水産部によると、6月の取扱量は下旬に伸び悩んだ影響で、2008年以降では11年に次いで2番目に少なかった。極度に不振だった11年の125トンを除くと、ほぼ例年並みの水準。1キロ当たり平均卸売価格は08年以降最も高い445円。

 函館市漁協(橘忠克組合長)は「6月下旬はしけで出漁できない日があり、月の満ち欠けの影響も受けてイカが捕れなかった」という。

 市漁協によると、今月1日からのA重油価格は1リットル当たり89・5円(税別)と前月より1円下がったが、前年より9・5円高い。佐藤豊次さん(63)は「漁場はまだ松前沖で、1円下がったぐらいでは状況は変わらない。燃油代がかかって大変」と漏らす。

 市漁協は「前浜で操業できれば、燃油代の負担も軽減される。GLAYライブなど7月はイベントが多く観光客も来るので、イカが捕れてほしい」と願う。

 道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「松前沖にはまだイカがいると思うが、水温が上がってきているので、群れの通過に伴って8月以降は漁獲が減少するだろう」と指摘。「太平洋側の北上群は現在、少し見えてきてはいるが、魚体が小さい。漁獲本格化の時期についてははっきりしたことが言えないが、昨年のように来遊が遅れる可能性があるので注意が必要」と話している。(山崎大和)



◎就学援助の認定率28.3% 15年ぶり上昇収まる

 経済的理由により就学困難と認められる児童・生徒の保護者に、給食費や学用品費などを補助する就学援助制度の受給対象となった函館市内小中学生は2012年度5044人で、受給認定率は過去最高となった11年度と同じ28・3%だった。認定率は15年ぶりに上昇が収まったが、市教委は「認定率は経済状況と比例するため、再び上がる可能性は高い」と静観している。

 小学生は1万1691人中(昨年5月現在)3232人で、認定率は11年度比0・1ポイント増の27・6%。中学生は6101人中(同)1812人で、認定率は同0・1ポイント減の29・7%となった。

 小中学生を合わせた認定率は、02年度に20%、07年度に25%を突破。受給者数は少子化の中、7年連続で5000人台を推移している。

 受給対象は、生活保護を受ける「要保護」世帯に準ずる程度に困窮している「準要保護」世帯。市は支給基準を要保護世帯所得の1・2倍以下と定めている。札幌市は1・1倍以下、帯広市は1・3倍以下で、自治体によって異なる。

 受給者5044人に生活保護世帯の子どもは入っていないが、保護費の中に教育扶助が含まれているため、実質的に就学援助を受けている子どもはさらに多い。

 市の本年度の就学扶助費は4億2334万円。このうち、給食費は2億2993万円、学用品費は9102万円に上る。市教委は「受給者はここ数年、少子化のため急増していないが、財政硬直化の要因の一つとなっている」と話す。

 道教委によると、11年度の道内全体の認定率は19・69%(準要保護世帯のみ)となっている。(後藤 真)


◎北海道スイーツの夢語る 「きのとや」社長が講演

 函館スイーツ商品力向上セミナーが3日、函館市末広町の五島軒本店で開かれた。道内を代表する洋菓子製造販売「きのとや」(札幌)の長沼昭夫社長が講演。札幌で展開する「スイーツ王国さっぽろ」の取り組みや、新幹線時代を見据えた一大フェアの開催構想など、世界に発信する北海道スイーツの夢を語った。

 セミナーには菓子業関係者ら約100人が参加。運営主体のエイチエスケーの佐々木博史社長は「函館スイーツの新たな価値の創造や磨き上げ、商品開発につなげてほしい」とあいさつした。

 長沼社長は、毎年、菓子職人が腕を競い、グランプリ作品を参加各店舗で提供し、今年で8年目となった「さっぽろスイーツコンペティション」の取り組みなど、業界全体の連携の必要性を語った。多くの人を魅了するスイーツがまちおこしにつながるとし、「札幌はスイーツの似合う街だが、海外の文化が入って開けた函館は、どこよりもスイーツが似合う」とエールを送った。

 また、北海道新幹線が開業する2016年に札幌市中心部でさまざまな菓子を集めた一大フェアを開催する構想を語り、「北海道をスイーツ王国として産業振興につなげるため、今から準備を進めている。函館でも同時期にフェアを実行していただきたい。函館は新幹線で結ばれる東北にも連携を広げていけば、魅力的なフェアになる」と話した。(今井正一)