2013年7月5日 (金) 掲載

◎献血が人の命救う 血液センター北斗大野中で出前授業

 【北斗】北海道赤十字血液センター函館事業所(函館センター、木下透所長)は4日、若年層対策の出前授業「献血セミナー」の第一弾を、北斗大野中学校(齋藤康夫校長、生徒281人)で行った。映像や講演を通じ、3年生114人が命の大切さを学んだ。

 学校で献血に触れ合う機会を増やそうと、本年度から小中高生を対象にセミナーを始めた。10代で献血を経験すると、2回目以降につながる確率が高いという。この日は保村毅事業課長と斉藤介男若年層対策担当官が訪れた。

 初めに、輸血用の血液を「アンパンマンのエキス」と呼んでいた小児がんの子どものテレビ番組を紹介。

 続いて斉藤さんが血液や輸血医療について講演。血液の有効期限が赤血球が21日間、血小板が4日間と長期保存できないことを強調したほか、10〜20代の献血者が2002年度が218万人だったのに対し、11年度が132万人となり「40%減少し、かなり深刻な状況」と説明した。

 高校生は16歳になると献血(全血200_g)が可能なため「16歳になったら人の命を救えることを考えて」と呼び掛けた。

 木下莉緒さん(15)は「実感がなくても、血液を必要としている人がいることが分かった」と話した。18日に函館千代田小、23日に函館西高でも行う。問い合わせは函館センター(TEL0138・56・2218)へ。 (山崎大和)



◎日光と潮風浴びスルメあめ色に 奥尻島で天日干し盛ん

 【奥尻】奥尻島の海辺でスルメの天日干しが盛んだ。昔ながらの製法を守り、「日差しと潮風が味を決める」と生産者は作業に汗を流す。

 町内赤石の「さとう食材」(佐藤秀也社長)では、毎年この時期に集中してスルメを生産。前浜で水揚げされた新鮮なマイカを原料に「一枚ずつ丁寧にさばいて、天気が良ければ3日で干し上がる」。作業は8人がかりで、多い日は1000枚以上を仕上げるという。

 佐藤社長の母親、与子(ともこ)さん(58)は「天日干しにこだわるのは、自然のあめ色と甘み、柔らかさを味わってもらいたいから。手間暇がかかって大変だけど、朝から晩までみんなで頑張っている」と笑う。

 このスルメは町内の売店のほか、全国の催事で販売している。 (田中陽介)



◎「大きくなってね」育てた稚ウニ放流

 函館水産高校(三ツ石茂之校長、生徒471人)の水産同好会は4日、授業の一環でエゾバフンウニの人工授精から飼育した稚ウニを函館山付近に放流した。平均約20_に成長した稚ウニを「大きくなって」と願いを込め、海に送り出した。

 海洋技術科生産コースの2年生が昨年11月、授業で人工授精し、授精から稚ウニになるまで餌を与えながら飼育管理。校舎のバイオ棟で培養した。飼育は1998年から行っているが、まとまって成長するのはまれで、ウニの放流は10年ぶり。

 放流は函館市漁協に提供する形で、5月末に稚ウニ約7000粒を放流。2回目の今回は、前回の時に直径5_以上に達しなかった稚ウニ約2500粒を漁協に提供。最大で30_に成長した。

 3年の及川和哉君(17)は「稚ウニの順調な成長を願いながら放った」、竹内謙臣君(17)は「水温や水質管理が難しかった。でもこれだけの数が大きく育って感動した」と話していた。  (平尾美陽子)


◎参院選公示 各陣営始動 精力的に

 院選が公示された4日、函館・道南の各政党も選挙運動をスタート。掲示板へのポスター貼りを進めながら、今選挙から解禁されたインターネットの活用や出陣式、候補者の応援演説などで精力的に動いた。

 自民党は午前8時、函館市美原の8区支部事務所で、支部長の前田一男衆院議員が「自分の選挙だと思って頑張ろう」とげきを飛ばし、道選挙区に立候補した現職、伊達忠一氏らの必勝を祈願。前田氏は街頭演説や支持者回りをこなす一方、ネット選挙運動の解禁を受けて、演説の写真を早速ネットに掲載した。

 民主党は午前8時15分から、市内新川町の道南労働福祉会館前で出陣式を開いた。逢坂誠二合同選対本部長は「政権与党に多くの議席を与えることは、TPP(環太平洋連携協定)や憲法、原子力の問題に白紙委任状を与えることだ」と述べ、道選挙区に出馬した現職、小川勝也氏や比例候補の必勝を呼び掛けた。

 共産党は、党所属の函館市議が比例代表に立候補した木村賢治氏の応援のため宣伝カーに同乗。花園町の市営団地など市内4カ所を回って支持を訴えた。このほか幸福実現党新人の森山佳則氏、みんなの党新人の安住太伸氏、新党大地新人の浅野貴博氏の各陣営もポスター貼りなどを行った。  (参院選取材班)