2013年8月10日 (土) 掲載

◎児童 鐘鳴らし冥福祈る…長崎原爆忌

 【七飯】町大沼町の景雲寺(鈴木公英住職)は9日、長崎の原爆忌に合わせ、同寺で「平和追悼の鐘」を鳴らした。地域の児童36人が集まり、犠牲者の冥福を祈った。

 鐘は法要の始まりを知らせる喚鐘として使われていたが、戦時中の金属不足で国に引き渡された。武器などの材料には使用されず、2007年に七飯消防署の倉庫で発見され、返還されたという。同寺では毎年、子どもを招き、鳴鐘を行っている。

 この日は、平和への願いを込め、大中山保育所から折り紙で作ったひまわり、藤城保育園から千羽鶴が鈴木住職に手渡された。黙とうをささげた後、子どもたちは原爆投下時刻の午前11時2分に合わせ、力いっぱい鐘を打ち鳴らしていた。

 宮武楓河ちゃん(6)は「大きな音が出た。みんな仲良く平和になって」と笑顔で話していた。(柏渕祐二)



◎姥神大神宮渡御祭が開幕

 【江差】北前船時代の栄華を伝える姥神大神宮渡御祭が9日、開幕した。10、11の両日は大神宮のみこし行列に13台の山車(やま)が付き従い、町内を巡行する。

 初日は早朝、豪雨に見舞われたが、正午過ぎに天候は回復。魂入れ後の山車が、笛と太鼓の祭りばやしに合わせて、各町内会を練り歩いた。

 新地と円山、緑丘の3町内会でつくる「政宗山」は総勢80人が参加。昨年は山車引廻大賞に輝き、「今年も気持ちを一つに頑張る」と新・頭取の増田浩伸さん(49)。江差中1年の中川ひなたさん(12)も「歴史的なものを続ける、参加できることの喜びを感じている。今朝の雨でどうなるか心配したけど、雨が止んで良かった」と笑顔だった。

 本祭の10日は、午後0時半ごろから「下町巡行(したまちじゅんこう)」。いにしえ街道を巡り、同8時ごろには愛宕町商店街に山車がそろう。同10時からは大神宮で、たいまつを手にした白衣姿の若者を先頭に、巡行を終えたみこしを拝殿に納める「宿入之儀(しゅくいれのぎ)」を行う。

 11日は午前11時20分から「上町巡行(うえまちじゅんこう)」。海岸沿いを巡り、午後9時ごろには、灯火に彩られた山車が新地町の繁華街に集結、3日間にわたる祭礼の熱気は最高潮を迎える。(田中陽介)



◎野外劇あと2公演

 第26回市民創作「函館野外劇」(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)の10回目公演が9日、五稜郭跡の特設ステージで開かれた。残りは10日と追加分の11日の2回。今年は雨天中止の影響で来場者数は伸び悩んでおり、関係者は「最後の2日間、ぜひ来てほしい」と話している。

 今年は昨年末に亡くなった野外劇提唱者、フィリッポ・グロード氏の追悼公演として7月5日に開幕。8月11日までの全11回公演の予定だったが、7月12、28日が雨天中止となり、同日までの7回公演で来場者は約4800人。この時点で、前売り券販売数を約1万枚、5000人以上がまだ来場していないと予測。観客席の収容は約1500人のため、あと2回では観劇できない人が出る恐れがあり、8月1日に追加公演することを決めた。9日は700人にとどまり、残り2日間は混雑が予想される。

 野外劇の来場者は、12回公演だった昨年は8403人。2008年の1万199人以降、09年から4年連続1万人を割っている。ある出演者は「スタッフから、今年1万人未満だと来年の公演はない覚悟で頑張ろうと言われた。野外劇は無くしたくない」と話す。

 同会の中村由紀夫理事長は「グロードさんの追悼公演を成功させ、来年につなげたい。そのためにも大勢の来場をお願いしたい」と話している。

 10、11日とも開場は午後6時45分、開演は同7時40分。問い合わせは同会事務局(TEL0138・56・8601)へ。(山崎純一)


◎51人が笑顔で修了…HIF 日本語文化セミナー閉講式

 北海道国際交流センター(HIF、山崎文雄代表理事)は9日、函館国際ホテルで、第28回日本語・日本文化講座夏期セミナー閉講式を開いた。外国人留学生51人が、函館での思い出を胸に笑顔で修了証書を受け取った。

 同セミナーは、米国の大学に在学中の大学生・大学院生が6月10日から、ホームステイしながら函館で日本語と日本文化について学びを深めた。

 閉講式では、6クラスの各担任が学生の名前を一人一人呼び、山崎代表理事が修了証書を手渡した。学生たちは仲間とハイタッチを交わすなど喜びを全身で表現した。

 B組担任の松原美佐子さんは「言いたいことと、言えることのギャップがあって大変だったと思う。たくさん日本語が話せるようになって頑張った」とたたえた。

 学生を代表してワン・チンアオさん(ウィリアムアンドメアリー大)が「函館の友達やホストファミリーのことを忘れないで、もう一度新たな旅に出発しましょう」と決意を述べた。

 式後に、さよならパーティーも開き、各クラスのパフォーマンスなどでホストファミリーへの感謝を伝えた。(山崎大和)