2013年8月11日 (日) 掲載

◎野菜プリン 香港見本市に…昭和製菓

 函館市西桔梗町の菓子製造・販売の昭和製菓(田口修社長)が15日から3日間、中国・香港で開かれる最大級の食品見本市「フードエキスポ2013」に出展する。海外輸出を視野に長期の常温保存を実現したプリンを開発。道産牛乳とトウモロコシ、カボチャを使用した野菜スイーツで、道産食材のブランド力と自社の技術力を強みに、販路拡大につなげたい考えだ。

 同見本市は香港中心部にある香港コンベンション&エキシビションセンターで行われ、昨年は一般来場者を含め40万人が来場。今年は日本貿易振興機構(ジェトロ)のジャパンパビリオン内に札幌市の出展者と北海道ブースを設置する。

 同社は昨年も参加したが、直後に尖閣諸島の問題で日中関係が悪化。田口社長(63)は「まとまりかけた商談もなくなってしまったので今年は仕切り直し」と意気込む。

 海外販路拡大に向けて、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区(フード特区)の利子補給制度を利用して設備を更新。6月末に発売を開始した「とうもろこしプリン」と「かぼちゃプリン」は、高温殺菌処理で、常温保存で賞味期限120日を実現した。

 ともに道産の豊富な農産物に着目した商品で、森町駒ケ岳の「みよい農園」の有機栽培カボチャ「くりりん」のペーストを使用するなど、素材の持つ味わいにこだわった。太田友弘営業部主任(27)は「野菜スイーツが日本で人気になっていることを知っている敏感な業者と取引につながることを期待している。反応が楽しみ」と話す。

 現在は、アスパラプリンの試作を重ねるなど、近郊農家と連携した取り組みも進めている。田口社長は「北海道は東京や京都に続く知名度やブランド力があり、商品には地域性や希少性、話題性が必要。現地に自分たちが行き、真剣に売ればいずれは貿易につながる」と話している。(今井正一)



◎姥神渡御祭、江差熱気

 【江差】姥神大神宮渡御祭は祭礼2日目の10日、風情ある歴史的建造物が並ぶ「いにしえ街道」などで下町巡行が行われた。

 早朝からの断続的な小雨と曇り空から一転、午後からは夏空が広がった江差町。午前中に大神宮前に集結した13台の山車は、優雅な祭りばやしを奏でながら巡行開始を待った。正午すぎには、猿田彦命を先頭とする大神宮のみこし行列が出発。続いて中歌町の「蛭子山」を先頭に山車行列も巡行を始めた。

 はんてんや羽織姿の参加者は、街道沿いの街並みを巡り「結構なお祭りです」とあいさつ。家人からご祝儀や酒、料理のもてなしを受けた。午後8時すぎには、豪華絢爛(けんらん)な灯火の山車が、愛宕町商店街に集結。祭りばやしと威勢のよい掛け声で熱気に満ちた。

 巡行を終えたみこしを大神宮の拝殿に納める「宿入之儀(しゅくいれのぎ)」もあり、たいまつの炎を先頭にみこしが石段を駆け上がる勇壮な姿に盛んな拍手が起きた。

 祭礼最終日の11日は午前11時20分ごろから上町巡行を行う。午後10時ごろには新地町の繁華街に山車が横一線に並び、最大の見せ場を披露する。(田中陽介)



◎熱い!ランドセル商戦

 来春入学する新1年生向けのランドセル商戦が本格化している。近年、ランドセルは祖父母が孫へのプレゼントとして贈るケースが増えたため、各店はお盆休みで親子3世代がそろう時期に合わせ、販売戦略を活発化させている。

 ランドセル商戦はかつて秋口や年明けからスタートするのが一般的だったが、最近では入学の半年以上前の夏が勝負となりつつある。各社がお盆休みを狙う背景について、ある売り場担当者は「両親よりも祖父母の方が購買力が高い傾向にあり、『長く使うものだから少しでも良い商品を』と高級志向が強いため」と話す。

 イトーヨーカドー函館店(美原1)は6月下旬に特設コーナーを設置。現在売り場には20種以上、約100個が並ぶ。主力商品の価格帯は5〜7万円程度と昨年より上昇傾向で、同店は「お孫さんと直接会うお盆に来店する祖父母の方が年々増えている」とする。

 特に女の子に人気なのはサイドにおしゃれな刺繍(ししゅう)が入ったデザイン性の高いモデル。年明け以降になると人気商品は取り寄せになり、到着が3月下旬になるケースもあるため、同店は早めの購入を推奨している。

 ダイエー上磯店(北斗市七重浜4)では7月下旬から「2014年NEWモデル」と銘打ち、特設コーナーを設置。祖父母の関心は高く、4万円台の人気モデルを“指名買い”するケースも多いという。

 同店では早期申し込み特典として10月20日までの購入は最大2割引きとなるキャンペーンを展開。さらに、来年3月下旬までの購入分は全国無料配達を実施しており、「せたな町や上ノ国町など遠方のお客さまから好評」としている。(森裕次郎)


◎観光情報を教えます、函館市が五稜郭タワーに案内窓口設置

 函館市は観光客で混みあうお盆シーズンに合わせ、10日からまちあるき観光案内窓口を五稜郭タワーアトリウムに開設した。

 繁忙期の観光案内は、本年度から民間団体「函館まちあるきネットワーク」(佐藤喜久恵代表幹事)に委託。ボランティア団体や個人ガイドら5人が毎日常駐し、名所やまちあるきに関するマップを提供している。

 ガイドの高橋潔さん(68)は「個人客が多く、定番スポットのほかにトラピスチヌ修道院や大沼に行きたいという方も多い。1日平均600人程度は窓口を利用していただけるのでは」と話していた。

 今回はゴールデンウイークに続き、タワーから箱館奉行所までの観光ポイントをボランティアが案内する無料ミニガイドも行い、多くの観光客が利用した。窓口は13日までの間、午前10時から午後4時まで開設している(13日は午後2時まで)。(千葉卓陽)