2013年8月17日 (土) 掲載

◎「大門キッズスタジアム」移転2カ月も利用好調

 WAKOビルの建て替え計画に伴い、6月に棒二森屋アネックス(ともに若松町)に移転した屋内遊具施設「大門キッズスタジアム」の利用が好調だ。6、7月の2カ月間の有料入館者数は1万2123人で、昨年の同時期と比較して約2000人(約19%)増加した。雨や暑さなど天候に左右されない施設とあって、夏休み期間中も大勢の親子連れでにぎわいを見せている。

 同施設は2010年7月に開設。移転前と比べて無料で利用できるイベントスペースがなくなり、全体の面積は狭くなったが、知育玩具や天井からぶら下がるロープなどの新遊具も人気だ。

 移転後の6月には5217人、7月には6906人が来場し、同月には累計入場者数が20万人(無料入館者を含む)を突破。特に夏休み最初の日曜日で雨が降った同28日には556人が来場した。夕方の時間帯に込み合う日も多く、孫を連れた祖父母や観光客の利用も目立つという。

 同施設の高松勇輝マネジャー(34)は「フロア全体に目が届くので保護者の安心にもつながっている」と話す。WAKO時代も棒二森屋の駐車場が利用できたが、施設と一体になったことで利便性が増し、利用者増につながっていると分析する。棒二森屋は「観光客の入り込みが増え、施設開設効果を含めて、感覚的に来客者数は増えている。知育玩具商品の充実など、スタジアム利用者向けのアクションも検討している」とする。

 同施設は今後、希望する幼稚園や保育園に遊具を持ち込む「出張スタジアム」などの事業展開を予定。高松マネジャーは「リピーターだけではなく新規客も増えている。施設を知らない方へのPRにも努めたい」と話している。(今井正一)



◎北方領土返還を、五稜郭公園で署名活動

 北方領土返還要求運動強調月間に合わせて、北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)と千島歯舞諸島居住者連盟函館支部(坂上範夫支部長)、渡島総合振興局、函館市は16日、観光客でにぎわう五稜郭公園で署名活動を行った。また、イトーヨーカドー函館店(美原1)では同日から同渡島地方支部主催の啓発写真パネル展が始まった。

 署名活動には、村上支部長や坂上支部長、同局の秦賢一副局長ら13人が参加。公園内に署名用コーナーを設け、支部の役員らが道行く観光客や市民に「協力をお願いします」と呼び掛けた。

 来園者も呼び掛けに応えて署名用紙に一筆し、秋田市から訪れたという70代の女性は「四島返還が実現してほしいと思い署名しました」と話していた。

 坂上支部長は「関心の高まりを感じている。運動への理解をさらに広めていきたい」とし、村上支部長も「日本もロシアも政権が安定しており、今がチャンス。国民総意の運動として盛り上がるよう取り組んでいきたい」と話した。

 この日の署名数は426筆で、全国の分と合わせ、衆参両院に提出する。

 19日には、函館市電で無料電車「北方領土返還号」を運行して啓発運動をする。(鈴木 潤、虎谷綾子)



◎道南農家人口2025年に半減、中央農試予測

 2025年の道南農業の姿は10年比で農家人口が半減し、農家戸数が4割減る—こんな予測結果が道総研中央農試(空知管内長沼町)の研究で分かった。特に農業を主とする桧山管内では、農業の縮小は地域の存亡に直結する重要問題で、自治体には農業を継続していく長期的対策が求められそうだ。

 5年に1回、国が行う全国調査「農業センサス」の10年版を用いて15年先の動向を予測。これまでの予測も、実態と比べて大きな乖離(かいり)はなく、高い確度で当たるという。なお、今回は農業を営む人が少ない福島、鹿部両町を除く渡島9市町、桧山7町が対象。

 道南の農家人口・戸数の見通しによると、人口は15年間で渡島で49%減、桧山で52%減。戸数も渡島で41%、桧山で46%それぞれ減少。また、農家の高齢化率は渡島44・4%、桧山48・8%となり、50%に達すると呼ばれる「限界集落」が近い。労働力の見通しでも、渡島、桧山とも働き手が1人しかいない農家が圧倒的に多い。

 販売農家の経営耕地面積は、10年比で渡島13%減、桧山4%減となるが、販売農家減による耕地減少を法人などがカバーする動きが弱い。1戸当たりの耕地面積は渡島で4f増の12・4ヘクタール、桧山で8・8ヘクタール増の20・2ヘクタール。規模拡大が進むが、農家人口が半減するため手が回らなくなる可能性がある。この場合、大型機械の導入や、野菜から土地利用型農業への転換など、従来とは違う対応が必要となることを示唆している。

 予測は、7月下旬に北斗市農業振興センターであった道南地域農業技術支援セミナー(道南地域農業技術支援会議主催)で、岡田直樹研究主幹と平石学主査が報告。市町やJA担当者ら約30人が参加した。

 厚沢部町農林商工課の森稔彦課長は「このまま農業の衰退を指をくわえて見ているわけにはいかない。農家、JAと一体となって減少率を食い止める方策を考えたい」と話す。

 同会議事務局を務める渡島総合振興局農務課の奥博嗣課長は「地域の将来の姿をしっかり理解して、市町ごとに対応していかないと間に合わない。セミナーを継続して問題提起を続けたい」と話している。(山崎大和)


◎函館など8地点で「熱帯夜」

 日本気象協会北海道支社によると、暖かい空気が入った影響で、函館や松前など渡島・桧山の8地点で、15日夜から16日朝にかけて「熱帯夜」を観測した。

 同支社によると、熱帯夜は午後6時から午前6時まで最低気温が25度を上回る状態。各地の気温は、函館市川汲26・2度、同市美原25・5度、同市高松町(函館空港)25・4度、松前町26・0度、せたな町25・7度、奥尻町米岡(奥尻空港)25・3度、同町稲穂25・3度、八雲町熊石25・3度。奥尻町稲穂と八雲町熊石は2夜連続となった。

 気象庁では熱帯夜の統計はなく、今回が函館初の熱帯夜になるかは分からないという。

 16日の道南は、引き続き上空に暖かく湿った空気が入り、函館海洋気象台によると今金町で最高気温が31・1度の真夏日となった。また、寒気も入り大気が不安定となり、朝は激しい雷雨となった。同気象台によると、江差町で午前8時50分までの1時間に37・0ミリの激しい雨が降った。17日は、渡島は雨で昼前から夕方まで曇り。桧山は雨で、ともに雷を伴い激しく降る所があるとしている。(山崎純一)