2013年8月18日 (日) 掲載

◎八雲で貨物列車脱線…流木と衝突、42本運休

 【八雲】17日午前1時5分ごろ、八雲町のJR函館線八雲—山越間で、JR貨物の札幌貨物ターミナル発福岡貨物ターミナル行きの貨物列車(21両編成)が線路上の流木と衝突し、先頭の機関車を含む4両が脱線した。けが人はなかった。八雲—森間は上下線とも終日運転見合わせとなり、函館—札幌間のスーパー北斗、北斗を含む42本が運休。お盆休みのUターン客ら約7000人に影響が出た。国土交通省運輸安全委員会は鉄道事故調査官2人を現地に派遣し、事故原因の調査を開始した。

 JR北海道、JR貨物両社によると、貨物列車の男性運転士は線路上に流木を発見して非常ブレーキをかけたが衝突。その後、車両を停車させて点検したところ、機関車の前方下部がゆがみ、機関車と貨車の2〜4両目の計4両の一部が脱線していることを確認した。衝突した流木は長さ約2メートル、直径約0・3メートル。

 現場は9日の大雨で線路付近の砂利が流出したため、復旧作業を行い、同日夜に運行を再開していた場所。復旧後は線路の安定化を図るため、当該区間を時速45キロ以下で通過するよう制限していた。JR貨物は、運転士は制限速度以下で走行していたとしている。また、事故の約3時間前に普通列車が同区間を通過した際、線路に異常は見られなかったという。

 函館海洋気象台によると、八雲町の17日午前0〜1時までの降雨量は17ミリ。15日夜から17日にかけては50ミリを上回る雨量を記録していた。

 同日午前11時ごろ、国交省運輸安全委の鉄道事故調査官2人が現場入り。車両と線路の状況について調査を開始し、JRの関係者などから事情聴取した。金澤学調査官は「9日の大雨の状況を把握していないので、今回と合わせて確認したい」と述べた。脱線の原因については「流木によるものか、砂利流出によるものかはまだわからない」とした。2人は18日も調査を続ける。

 18日の運行に関し、JRは函館発の特急スーパー北斗1号、3号、7号と臨時特急北斗85号の計4本の運休を決めた。特急スーパー北斗9号以降は未定(17日午後10時半現在)。また、札幌行きの臨時特急(全席自由席、森—八雲間はバス代行)を午前7時4分と同9時半発で運行する。

 JRは17日、スーパー北斗などの特急が終日運休となったのを受けて、函館—札幌間で3本の臨時特急(森—八雲間はバス代行)を運行したほか、寝台特急の北斗星(上野行き)やトワイライトエクスプレス(大阪行き)を函館から出発させるなど対応に追われた。



◎はこだて国際科学祭が開幕

 はこだて国際科学祭(サイエンス・サポート函館主催)が17日、函館市内で開幕した。展示や実験を通して科学に親しみを持ってもらうのが狙い。初日は五稜郭タワーで科学屋台や体験サイエンスなどが行われ、多くの市民が科学の世界に触れて楽しんだ。(平尾美陽子)

 ○…科学屋台では、空気砲づくりや単細胞生物の観察、マグロなど魚の口の動きを知るコーナーが設けられ、午前中から大勢の家族連れらが来場。沼などに生息するテトラヒメナの生物対流は、遠心分離機を使って観察。集団で動き、さまざまな対流パターンを作る様子に、子どもたちは興味津々の様子で見入っていた。

 ミニ空気砲を作るコーナーでは、的当てゲームにも挑戦でき、押し出される空気の勢いに子どもたちは驚きの表情。娘と訪れた市内の主婦、藪谷尚美さん(38)は「いろいろなコーナーがあって、子どもだけでなく大人も楽しめるのがいい。また来たい」と話していた。

 ○…オープニングイベントではレストランバスクの深谷宏治さん、京都大学の山肩洋子准教授、サイエンス・サポート函館の美馬のゆり代表が出演する座談会が開かれた。深谷さんは「料理人はどう料理を作るのか」「材料は何から出来ているのか」など問いかけ、味覚だけでなく嗅覚や視覚、触角などで感じる食のおいしさを説明。

 山肩准教授は写真を取って日記のように食事管理をする「Food Log」、視覚や嗅覚を置き換えるシステムなどを紹介。同システムを使い、プレーンクッキーがチョコ味に変わる例を交え、「香りや視覚を置き換えることでダイエットコントロールができる。糖尿病のストレスがなくなることなどに役立つ」と話した。



◎函館港幹線臨港道路工事 ともえ大橋—七重浜 本格化

 函館港幹線臨港道路(函館市豊川町—北斗市七重浜、6・6キロ)の2期工区(ともえ大橋—同七重浜間3・9キロ)が本格化している。港湾付近の国道227号の渋滞緩和や貨物輸送の効率化を図ろうと、函館開発建設部が1997年から国道とは別の幹線道路の整備を進めてきた。本年度は橋梁の橋脚などを施工。2016年度にも全面開通する見通しだ。(鈴木 潤)

 2期工区は、有川部橋梁(函館市港町)を含めた700bの部分と平面部の道路(アスファルト舗装)3・2キロを整備。総事業費135億円。工事進捗(しんちょく)率は本年度当初予算で87%に達した。

 国の公共事業削減で09年度に一度休止したが、12年度に再開。完成時期は13〜18年度としていたが、橋梁整備や用地交渉に一定のめどがついたことから16年度完成との見通しを示した。

 3・9キロのうち2・8キロは整備済みで、残りは橋梁工事と国道とつながる七重浜の道路400メートルとなっている。

 現在急ピッチで進める有川部橋梁は貨物用線路をまたぎ、周辺には工場や民家も点在している。鋼管杭を打ち込む作業は、騒音や振動が発生し、住民生活に影響する恐れがあるが、この工事では、鋼管杭をねじと同様に貫入させる「回転圧入工法」を採用し、騒音、振動を最小限に抑えている。

 現在の臨港道路はJRの線路で分断され、港湾関連の貨物車両が国道227号を通行せざる得ない状況で、交通混雑が生じている。同部函館港湾事務所は「一般道への交通負担が軽減され、緊急物資の効率的な輸送が可能となる」と整備効果を期待している。


◎カッター競漕やステージ満喫…しかべ海と温泉のまつり

 【鹿部】第32回しかべ海と温泉(いでゆ)のまつり(実行委主催)が17日、鹿部漁港で開かれた。カッター競漕や「メモリーグラス」でおなじみの歌手、堀江淳さんのスペシャルライブなどの多彩なイベントで来場者を楽しませた。

 午前9時からは伝統のカッター競漕がスタート。今年は、男子20、女子6チームの総勢292人が参加し、往復約180bのタイムを競った。見物客からは「行けー」「もっと息を合わせて」などと声援が上がっていた。

 また、42インチの液晶テレビやノートパソコンなど豪華景品が当たるビンゴ大会では、会場全体が熱気に包まれ、夜には真夏の夜空を彩る約2800発の花火が観客を魅了した。

 初めてカッター競漕を見学した函館市石川町の中村真央ちゃん(4)は「船が速くてすごい」と笑顔だった。(柏渕祐二)

 カッター競漕の結果は次の通り。

 男子の部=@ユキオとゆかいな仲間たち(2分10秒)A大岩(2分16秒)B函水OB(2分21秒)

 女子の部=@マザー・シップ(2分48秒)ASKB(3分5秒)B渡島リハビリ女子(3分7秒)

 特別賞=函水なう!(2分30秒)