2013年8月19日 (月) 掲載

◎道南で猛烈な雨、土砂崩れで交通網寸断

 道南地方は前線通過の影響で大気の状況が不安定になり、18日朝から渡島北部、桧山南部を中心に局地的な激しい雨に見舞われ、各地で土砂崩れや浸水などの被害があった。JR函館線は17日の八雲町内の脱線事故処理が難航して終日運休したほか、森町の東山—姫川間で線路に土砂が流入、函館—札幌間の臨時特急が非常停止するなど混乱が続き、約8000人に影響が出た。

 函館海洋気象台によると、17日午後9時からの24時間雨量は森町で178ミリを観測したほか、乙部町潮見で135ミリ、厚沢部町鶉で123・5ミリ、八雲町熊石で99ミリ。1時間雨量では厚沢部町鶉で89ミリ、森町で57ミリでともに観測史上最大。七飯町大沼でも42・5ミリで8月最大を観測した。

 同気象台は記録的短時間大雨情報を発表し、厚沢部町付近で午前10時までの1時間に約100ミリ、八雲町南部で正午までの1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったと発表した。

 この影響で、JR北海道は函館線の函館—札幌間の特急25本、札幌と本州を結ぶ特急10本など計84本を運休。函館—札幌間の臨時列車は午前10時10分ごろ、東山—姫川間で線路への土砂流入が見つかり非常停止。乗客362人が列車を降りて約2キロ先の踏切まで避難した。乗客・乗員にけがはなかった。空の便は函館発奥尻行きが函館空港に引き返し、折り返しの1便が欠航した。

 道路の規制も相次いだ。国道227号は江差町内で土砂崩れが発生したほか、北斗市市渡—厚沢部町中山峠間でトンネル内に土砂が流入するなどし、計2路線3区間が通行止めとなった。道道は4路線4区間で通行止め。高速道路は道央道の大沼公園IC(インターチェンジ)—落部IC間で通行止めした。

 渡島総合振興局によると、八雲町熊石の民家1棟で床下浸水があり、森町では蛯谷と本茅部の86世帯202人に避難勧告を出した。桧山振興局管内では厚沢部町の民家や工場など13棟で床上、床下浸水が確認され、畑が水没するなどした。乙部町も民家1棟で床下浸水を確認。また河川氾濫の恐れがあるとして、乙部町と厚沢部町の計49世帯129人に避難勧告を行ったが、午後7時までに解除した。

 同気象台などは18日午前7時25分、八雲町八雲と同町熊石、せたな町に土砂災害警戒情報を発表。午後0時10分には函館、北斗、森など2市7町に拡大したが、同8時20分にすべて解除した。19日も地盤の緩みによる土砂崩れなどへの注意を呼び掛けている。



◎札幌記念に函館競馬場大歓声

 JRA函館競馬場(駒場町)初のGUレース「第49回札幌記念」が18日、開かれ、2番人気のトウケイヘイロー(武豊騎手)が制した。朝から断続的な雨となったことや、JR函館線の運休が影響し、観客数は8857人と伸び悩んだが、夏の大一番に、スタンドは大歓声で沸いた。(山崎純一)



◎市電の中で「いいお点前」、お茶会楽しむ

 函館市電の中でお茶を楽しむ「電車でお茶会」が18日、市内で開かれた。市電終点の函館どつく前電停に停めた500形530号車内で行われ、集まった市民は和菓子やお茶を味わった。

 同電停付近にある厳島神社を中心に組織する函館市弁天活性化実行委員会主催。お茶会は2003年に函館で開かれた路面電車サミットで初開催されて以来、今回で11回目。小林茶道教室(小林宗亀主宰)の生徒らがお点前を披露した。

 午前10時の開始前から列ができ、茶請けには、路面電車開業100周年記念した特製の和菓子「みらい」出された。参加者はレトロ電車の中で、仲間との会話を弾ませながら、お茶を味わっていた。(平尾美陽子)


◎バイクで交通安全訴え

 函館市や函館西署などは18日、二輪車の安全利用と交通事故防止を目的とした交通安全バイクパレードを行った。バイク愛好者や白バイなど19台が参加し、市民らに交通ルールの徹底を呼び掛けた。

 8月19日の「バイクの日」にちなみ、毎年この時期に行われている。参加者はハーレーダビッドソン愛好者でつくる函館チャプターやマジマツーリングクラブ、北海道ハーレー警ら隊函館方面警ら隊など。雨の影響で参加台数が減少した中、札幌からも駆け付けた。

 函館西署で行われた出発式で、同署地域交通官の福田光宣さんは「ツーリングの機会も増える時期だが、パレードを通じて市民に交通安全を呼び掛け、悲惨な事故を1件でも減らしたい」とあいさつ。ハーレーショップ函館マジマ(松陰町)の取締役、間島弘三さんが参加者を代表して「スピードダウンを実行し、無謀な運転はしません」などと交通安全宣言を行った。

 その後、参加者は白バイを先頭に一斉に出発。函館駅前や国道5号など約21キロの道のりを走り、事故撲滅を訴えた。(千葉卓陽)