2013年8月21日 (水) 掲載

◎長ネギ出荷始まる

 【七飯、北斗】七飯町と北斗市で、長ネギの露地物の収穫と出荷が始まった。真っ白で甘みもあり、農家が作業に励んでいる。

 1.5ヘクタールで栽培する七飯町大川3の輪島正一さん(55)方では、14日から収穫と出荷を開始。機械で掘り起こし、根を切った後、余分な葉を落とし、圧縮空気を吹き付けて皮をむき、結束して箱詰め。1箱15束(一部18束)入り、現在は日量80〜100箱を出荷している。改行 20日、妻の房子さんら3人で作業した正一さんは「今年は干ばつで肥大が遅れている。ここ数日の雨により、今後出荷する分は持ち直してきた」と話す。作業は11月上旬まで続く。

 猛暑が続く本州産が不作となり、道産野菜に引き合いが出ている。JA新はこだて(畠山良一組合長)によると、管内の長ネギは七飯、北斗を中心に206戸が202ヘクタール(ハウス栽培含む)で生産、全道一の作付面積を誇る。(山崎大和)



◎福島県産の桃PR、ミスピーチら市を訪問

 福島県産の果物をPRする「ミスピーチキャンペーンクルー」の女性2人ら福島市の関係者が20日、函館市役所を訪問した。出荷のピークを迎えた県特産の桃「まどか」を片岡格副市長に手渡し、「太陽の恵みで今年もおいしい桃ができました」とPRした。

 訪問したのは、ミスピーチの佐藤久恵さん(25)、高橋藍子さん(22)ら7人。国内2位の生産量を誇る同県の桃は7月から9月末までさまざまな品種の出荷が続く。同市の熊坂淳一農業振興課長は「徹底した放射性物質の検査体制は国内随一」とアピールし、「安全確認ができたもののみを出荷している。甘くておいしい桃をご賞味願いたい」と話した。

 片岡副市長は「一日も早い復興と風評被害の払しょくを願っている。函館の市場で扱われる桃の半分以上は福島県産。おいしさと安全性をPRして行ってほしい」と話した。(今井正一)



◎市長、早期の大間提訴を否定

 函館市の工藤寿樹市長は20日、準備を進めている大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟に関し、「(建設問題に関心を寄せる)動きのない中ではどうなのか」と述べ、早期の提訴に否定的な見解を示すとともに、引き続き世論の動向を見極める考えを強調した。

 市長はこの日開いた意見広聴会「市長のタウントーキング」で、大間原発訴訟の会(竹田とし子代表)と会談。同会側は早期の提訴を求め、「市長が先頭を切り、世の中に流れを起こしてほしい」などと迫った。

 市長はこれに対し「提訴の覚悟は決めている」としたが、具体の時期に関しては「全国的には原発再稼働への注目が強い。大間への関心が低い中で提訴しても線香花火にしかならない。きちんとした時期にやりたい」と慎重な姿勢を崩さなかった。

 併せて同会は、今年7月に原子力規制委員会が策定した新規制基準を踏まえた市民向けの説明会の開催を要望。市長は事業者の電源開発(東京)の消極的な対応に憤りを示した一方、市主催での開催は「講師の人選が難しい」として否定した。

 タウントーキングにはこのほか、NPO法人道南の子育て・教育を支援する会(保坂武道理事長)と北海道和種馬保存協会道南支部(長谷川繁支部長)が参加した。(千葉卓陽)


◎函館への行政視察 今年は少なめ

 全国各地の市町村議会などから函館市を訪れる行政視察が減少傾向にある。本年度は7月までに43件、325人が訪れているが、昨年同時期の約6割の水準。市議会事務局は、7月に行われた参院選の影響が強いとみている。

 函館への行政視察は市区町村の会派や委員会単位で訪れるケースがほとんど。青函博覧会が行われた1988(昭和63)年の243件2076人をピークに、ここ数年は100件台で推移。2011年度は震災と統一地方選が影響し、110件718人と落ち込んだが、昨年度は141件、1088人と復調していた。

 視察は例年、6月定例会後の7月と、9月定例会後の10月に集中している。本年度も同様の傾向にあるが、4〜6月を合わせても13件にとどまる。7月単独では30件あったが、参院選が行われた21日以降に集中した。

 市議会事務局によると、本年度は市地域交流まちづくりセンター(末広町)への視察が16件で最多。古い建物を活用し、市民活動のサポートに特化した独特な性格を持つ面から、具体的な活動内容や運営面を学ぼうと訪れている。

 また、市の各種観光振興策や東日本大震災後の防災体制、中心市街地活性化計画などに関する視察も見受けられる。近年多かった箱館奉行所への調査は、復元オープンから3年が経過したことで落ち着きつつあるという。

 同事務局は本年度全体で1000人程度の受け入れを見込む中、「今後は函館国際水産・海洋総合研究センターや函館アリーナの供用開始に伴って、視察が増える可能性がある」と分析。16年には北海道新幹線開業を控えており、「北関東の各県にとっては飛行機よりも来やすくなるのでは」とみている。(千葉卓陽)