2013年8月25日 (日) 掲載

◎世代超え水鉄砲白熱…中島廉売でイベント

 水鉄砲を使ったイベント「水鉄砲サバイバルin中島れんばい」(開催実行委主催)が24日、中島れんばい大通りで開かれた。大人も子どもも一緒になって白熱した試合を繰り広げ、会場は大盛り上がりとなった。

 中島廉売の活性化につなげようと毎年開かれているイベント。トーナメント形式の大会には友人同士の男女混合チームや大学生有志、企業チームなど17チーム約90人がエントリー。縦30b横6・6bのフィールド内で、相手選手の頭に付けられた金魚すくいの「ポイ」を目がけ、水鉄砲で撃ち合った。

 大会が進むにつれ、試合はヒートアップ。全力疾走を繰り返しながら相手の攻撃をかわし、隙をついて反撃するなど、選手たちの好プレーに観客から大きな歓声が上がった。機敏な動きで勝利に貢献した石田駿喜君(12)は「チームみんながひとつになったのが勝利の要因」と話し、友人の高橋鈴亜さん(12)は「試合に勝った時はすごくうれしかった。水鉄砲は久しぶりだったけれど、楽しかった」と満足げだった。(森裕次郎)



◎塚田九段が指導対局…日本将棋連盟函館中央支部

 日本将棋連盟函館中央支部(石井英夫会長)は24日、五稜郭町の函館将棋センターでプロ棋士による特別指導対局を行った。同支部に通う児童や生徒、一般がプロの胸を借り、日ごろ磨いた腕前を試した。

 同支部は毎年プロ棋士を招き、特別指導対局を行っている。この日招かれたのは塚田泰明九段。3人と同時に対局する「三面差し」を行い、小中学生や高校、大学生、一般が次々に挑戦した。児童は飛車と角の二枚落ちのハンディをもらったが、及ばなかった。

 対局後は塚田九段が「戦法をしっかり覚えて」などとアドバイスを送った。函館凌雲中1年の大内大季君は「覚えたばかりの棒銀戦法でいい勝負ができてよかった。プロとの対局は勉強になる」と話していた。(松宮一郎)



◎ナマコ放流 適地は浅瀬?…函水試が追跡調査

 道総研函館水試(湯川町)が、2007年度から7カ年で取り組む奥尻町でのナマコ放流追跡調査が最終年度を迎えた。12年度までの研究では、水深によって稚ナマコの残留率に大きな違いが見られ、水深が浅い方が放流適地である可能性が高いという結果が得られた。

 道のナマコ資源増大推進事業で、大量の種苗を作って1カ所に放流して漁獲に反映させる狙い。

 ナマコの種苗は奥尻の東海域に、いずれも6月に08年10万匹、09年4万匹、10年25万匹を放流。天然稚ナマコの分布調査結果を基に、転石地帯で比較的静穏なところを放流場所に選んだ。3年9カ月後の密度や成長の推移を調べている。

 同水試によると、調査地点(80b×80b)内の残留率は08年放流群で2・2%、09年放流群で17・5%。10年放流群は来年3月に調査する。残留率は水深により差が出るとみられ、08年は水深5b、09年は同3・5bだった。

 赤池章一研究主幹は「09年の放流場所は西側に浅瀬、北側に岩礁があったため、ナマコが広く拡散していかなかった可能性がある。ただ、水深が浅い方がナマコの放流場所として良い環境なのかもしれない」という。

 放流効果の検証に課題が残されているため、同水試では14年度以降も、DNA標識技術を用いたナマコの放流追跡調査を桧山管内で継続することを検討中。赤池さんは「人工と天然とを区別できれば、人工の放流効果をより正確に把握できる」と話している。(山崎大和)


◎道内初 空襲・戦災を記録する会全国連絡会

 「空襲・戦災を記録する会全国連絡会議第43回北海道大会」(実行委主催)の本大会が24日、函館市公民館(青柳町)で始まった。道内開催は初めてで、1945年7月の北海道空襲を調査してきた専門家による研究報告に大勢の来場者が耳を傾けた。25日まで。

 大会の開会にあたり、全国連絡会議を代表し、青森空襲を記録する会の今村修さんが「戦災を体験した人たちが少なくなっている状況の中、空襲の実態はどうだったのかを記録し、後世に語りつぐことは再び悲惨な行為が繰り返されないために大切なこと」と述べた。

 記念講演には旭川市出身で元教員の菊地慶一さんが登壇。菊地さんは戦後、道内の空襲被災地をまわって被災者を取材。空襲記録をまとめる活動に尽力してきた。菊地さんは13歳のとき、釧路で空襲を経験。「肝がつぶれるほどの恐ろしさを感じた。それまでは戦争はアジアや中国という『遠い遠い場所』で行われている認識。1回の空襲でたちまち『戦場』になった」と語った。

 空襲から30年を経て、教員として網走市に赴任。同市でも空襲があったことを聞き、調査を開始した。「聞き取りには歩くしか方法がなかった。街の中を丹念に歩いた。空襲当時の様子や犠牲者の生前の姿を聞きとった」と振り返り、「戦争はすべて非人道的。それ以外の戦争などない。そのことを肝に銘じなければならない」と述べた。

 大会は25日も開かれ、午前9時から記念講演や全国からの報告が行われる。(森裕次郎)