2013年8月27日 (火) 掲載

◎練習船「日本丸」寄港

 独立行政法人航海訓練所(横浜市)の練習船で大型帆船「日本丸」(2570トン、熊田公信船長)が26日、函館港に寄港した。国立清水海上技術短大(静岡県清水市)の学生105人ら計164人が航海実習中で、30日まで補給と休息のために西ふ頭に停泊する。

 日本丸は1984年に就航し、函館寄港は昨年10月以来、通算9回目。船体は全長110メートル、全幅13・8メートルで、4本のマストのうち、メーンマストは水面から約50メートルの高さとなり、合計36枚の帆(セイル)を広げることができる。

 同短大の学生を乗せた実習として7月3日に東京を出港し、これまで室蘭や秋田県船川、京都府舞鶴などを回った。函館を離れた後、9月8日に東京に戻る予定。

 実習生には、函館出身の池崎彰仁さん(19)、坂本湧貴さん(20)、北斗市出身の蛯子貢平さん(20)、濱谷悠太さん(20)の4人も乗船。船上から眺めた久しぶりの古里の景色を喜んだ。

 濱谷さんは「いろいろなことを学び、いろいろな町を見てきた中での地元寄港は安心感があります」と話した。池崎さんは「朝早くから活動し、睡眠も思うように取れない。特に機関室は暑くて大変。実家ではゆっくり休みたい」と話していた。

 出港は30日午前10時を予定。一般公開やセイルドリルなどのイベントはない。(今井正一)



◎旧北高の解体工事本格化

 2007年に閉校した旧函館北高校(日吉町4)校舎の解体工事が本格化している。跡地は函館市が整備する日吉多目的グラウンド(仮称)として生まれ変わる。同窓生らは青春時代を過ごした校舎への思いをめぐらせながら、新たなにぎわいの場として期待を寄せている。

 校舎は鉄筋コンクリート造3階建て。1964(昭和39)年から2007年3月まで北高校として使われ、旧函館東高校と統合した市立函館高校(柳町)の仮校舎にも使われた。

 先週から校舎内部で作業を行っていた中、26日から部室棟を皮切りに本格的な解体を開始。11月末までに校舎や体育館などを解体する。跡地にはサッカー・ラグビー兼用コート2面、フットサルコート3面を備えた多目的グラウンドを整備し、15年8月の供用開始を目指す。

 北高同窓会会長の丹羽健三さん(1期生)は「2年の時に千代台町の仮校舎から移転し、和気あいあいとした雰囲気だった。学校を自分たちの手で作ってきた気持ちが強かった」と懐かしむ。

 昨年8月のイベント「北高祭ファイナル」の実行委員長も務め「みこし行列や夜のフォークダンスを最後に実現できて良かった。校舎がなくなるのは残念だが、跡地が再利用されるのはうれしい」と話した。(千葉卓陽)



◎来月から函館でブックシェアリング

 函館圏フリースクール「すまいる」(庄司証代表)と北海道国際交流センター(HIF)は、家庭に眠っている本を学校や児童館などへ無償提供するブックシェアリングを9月から始める。道南では初の試み。庄司代表は「子どもたちがじかに本に触れられるような環境を作っていきたい」と力を込める。

 ブックシェアリングは、家庭や企業などで読み終えた図書を集め、クリーニング・整理した上で、必要とされる施設などに再分配する仕組み。道内では札幌市の北海道ブックシェアリングを先駆けに釧路などで行われている。

 函館市内では読み聞かせなど本に関する活動が活発だが、児童の読書率は低いという。庄司代表が札幌の活動を知り、「経済的な問題から本が読めない子もいると思う。子どもたちが気軽に本を読めるような場を提供したい」と活動を決めた。

 9月から家庭で不要になった絵本と児童図書の回収を始める。クリーニング後、同センターに並べて興味ある本を自由に持ち帰ってもらったり、本を必要とする家庭や機関に届けたりする。

 本の受け付けは同スクールと同センター。対象は絵本と子ども向けの文庫本、単行本など。ボランティアスタッフも募集している。問い合わせは函館圏フリースクール「すまいる」(TEL080・4349・6463)へ。(平尾美陽子)

 


◎戸井マグロの味堪能 イマジンホテル&リゾート

 戸井産の本マグロを市民に味わってもらおうと、イマジンホテル&リゾート函館(函館市湯川町)は26日、「まぐろ祭り」を開いた。あぶらがのったマグロを目当てに約120人が訪れ、刺し身やすしを満喫。大きなマグロを食べつくした。

 戸井産マグロは、青森県大間産と並んで人気が高まっており、イベントは同ホテルが市民らに地元ブランドの味を知ってもらおうと毎年行っている。今年で5回目。

 この日は戸井漁協が106キロの本マグロを用意。イベントは解体ショーでスタートし、客がマグロを囲み、職人が豪快な包丁さばきを披露した。さばいたマグロはその場ですしや刺し身、漬け丼に。参加者はおいしそうに口に運んでいった。

 会場を訪れた戸井漁協の森祐組合長は「今年の漁は好調。水揚げが落ちる9月もこの調子のまま続いてくれれば」と話していた。(松宮一郎)