2013年8月30日 (金) 掲載

◎新幹線 さらに興味 市渡小児童が工事現場見学

 【北斗】北斗市渡小学校(高野雅文校長、児童88人)の6年生児童17人が29日、市内市渡で建設が進められている北海道新幹線新函館(仮称)駅の工事現場を見学した。

 新幹線について学ぶ総合的な学習の時間「新幹線サポータープロジェクト」の授業として実施。駅の路盤工事などを行う共同企業体の監理技術者、吉澤浩さん(三井住友建設)が講師となり、工事概要を説明したほか、大型クレーンが稼働する工事現場を案内した。

 高所作業車の試乗体験では、高さ12bまで上昇した作業台からの眺めに歓声。北斗と北海道にちなんで17人で「北」の人文字に挑戦し、クレーン車に取り付けたカメラで撮影した。

 児童たちは吉澤さんに「新幹線を動かすのにどれだけ電気が必要なのか」「新幹線の重さはどれくらい」などと質問。十文字秀斗君(11)は「DVDで見たトンネルの発破作業はすごかった」と興味を深めたよう。吉澤さんは「建設工事に関心を抱き、仕事にかかわってくれたらいいですね」と話していた。(鈴木 潤)



◎豪雨被害の縁桂 応急処置

 【乙部】18日の集中豪雨による土砂流出などで、根元の細い根がむきだしになった、乙部の巨木「縁桂(えんかつら)」の応急処置作業が29日、現地で行われた。根に土をかぶせたほか、石積みで沢水の流入を防ぐ対応を急いだ。

 作業には、縁桂を保全する会と町職員、桧山森林管理署の担当者計15人が参加。縁桂までの約1`の散策路も鉄砲水と土砂で壊滅的な状況のため、重機は入れず、スコップなどをかついで山を登った。

 人海戦術で対応。大小の石をかき分けて根元付近の川の流れを2、3bほど遠くにし、土のうと石積みで二重、三重の安全策を取った。

 応急処置を助言した、樹木医の館和夫さんも現地に入り、「いまできる最善の方法をしてくれている」と評価。土のう(50袋)などの土は、近くの土砂崩れ現場から運び、むきだしの根には10aほどの土を丁寧にかぶせた。作業は午前9時半から午後3時まで行われた。町は今後、強い雨などがあった場合に現地確認をして対応する。現地は、現在立ち入り禁止。(田中陽介)



◎秋サケ漁 5日スタート 今年も不漁予測

 渡島管内の秋サケ定置網漁が、9月5日に始まる。全道への来遊数は4年連続で4000万匹を下回る不漁予測となっており、渡島を含む「えりも以西噴火湾・道南」も例年より低い水準にとどまる見通しだ。

 渡島海区漁業調整委員会によると、秋サケは管内全14漁協で水揚げされる。昨年と同じ3日間の自主休漁、1日間の自主規制を講じて解禁となる。  今年の来遊数について、道総研さけます・内水面水試(恵庭)は、えりも以西噴火湾が前年比15%減の64万匹、えりも以西道南が同28%増の77万匹、渡島の一部と桧山管内を含む日本海南部が同20%増の52万匹と予測。全道は3794万匹とし、2010年以降続く4000万匹を割り込む可能性が出ている。

 同委員会によると、12年の渡島の漁獲実績は03年以降で最低の79万匹。過去10カ年平均の半分にも満たない状況で、「3年続けて不漁の中、今年は10カ年平均の6割程度にとどまると推計される」と同委員会。また、道南沿岸の高水温の影響で、サケが岸に寄らず漁獲が振るわない年が多くなっている。

 深刻な不漁を受け、道は昨年10月、秋サケ資源対策を取りまとめ、稚魚の放流時期や生産体制の見直しに着手している。(山崎大和)


◎函館商工会議所 松本会頭、続投

 10月末で1期目の任期満了を迎える函館商工会議所の松本栄一会頭(73)が、続投する意向を固めた。10月末に開かれる臨時議員総会で正式決定する。松本会頭は「次期会頭を育てる3年にしたい」と述べ、副会頭人事について、複数の若手経営者の起用を念頭に、現職4人のうち2人程度を交代させる方向で調整作業に入った。

松本会頭は高齢を理由にいったんは後継候補の選定に乗り出したが、就任要請を固辞されたことや周辺の説得もあり、続投を決断した。「将来の函館を担うトップを育てる責任があり、2016年3月の北海道新幹線新函館開業に向け、しっかりと体制を整える」と意気込みを語った。

また、副会頭人事については「次期会頭候補であり、行動力やリーダーシップのある人材を起用する」とし、複数の若手経営者に対して就任を打診する考えを示した。若手起用に伴い、現職の副会頭は2人程度交代させる方針。松本会頭は「一気に役員の若返りを図りたい」と述べた。すでに調整作業に入っており、9月中旬をめどに新体制の陣容を固める意向だ。

松本会頭はホンダカーズ南北海道の会長。2010年に会頭に就任し、現在1期目。「南進政策」を掲げ、函館企業の本州進出を後押しているほか、新幹線開業に向けた青函連携にも力を入れている。(松宮一郎)