2013年8月4日 (日) 掲載

◎七飯のレストランがペレットストーブ導入

 【七飯】フレンチレストラン「ブランヴェール」(七飯町大川6、田中秀幸オーナーシェフ)は、店内の暖房用にペレットストーブ2台を導入した。2台のうち大型の機種「M55C」(火力16キロワット)は道内初の設置となり、来店者が環境問題を考えるきっかけとしたい考えだ。

 木質ペレットを使うため、二酸化炭素を増やさず環境に優しいペレットストーブは道内各地で普及が進んでいるが、NPO法人南北海道自然エネルギープロジェクト(ピーター・ハウレット代表理事)によると、道南では100〜200台とまだ少ない。

 同店内では、これまで石油ストーブを使っていたが、同NPO会員でもある田中さんの妻、智恵さんが「環境型の暖房機に関心があり、店内にあるとデザイン的にもいい」と導入に踏み切った。今冬から使うが、月の燃料代が半分に減る可能性があるという。

 M55Cは、豊臣工業(名古屋市、大蔵通孝社長)がカナダから輸入し、日本仕様に改良して販売。智恵さんは「ストーブを見て関心を持ってほしい」と期待を込める。

 7月31日には同店でお披露目会があり、17人が参加。ハウレットさんは「温暖化を防ぐ大事な対策であるとともに、森の資源を使うので地域産業の振興にもつながる」と一石二鳥を強調する。

 同NPOは講演会などを通じ、ペレットストーブを広める活動に力を入れる。NPO内に木質バイオマス普及推進部会(ハウレット部会長)を立ち上げ、今後、旗振り役となって道南での木質バイオマス普及に向けた民間の協議会を設立する予定だ。(山崎大和)



◎大沼の「ポロト館」に動物園オープン

 【七飯】大沼交通が運営する「体験工房&レストラン『ポロト館』」(小林信祐支配人)のオープン3周年を記念した「大沼ポロト動物園」が3日、大沼町185の同館敷地内にオープンした。大勢の家族連れらが訪れ、間近で見る動物の迫力を楽しんだ。

 東北サファリパーク(福島県二本松市)で飼育されているピューマやワオキツネザルなど、80以上の動物と鳥類が会場に並び、来園者を迎えた。

 会場では来園者を楽しませるアトラクションが企画され、ホワイトライオンとベンガルトラの食事タイムには、餌に食いつくダイナミックな姿に注目が集まった。このほか子どもたちは、餌やり体験でウサギなどの小動物と触れ合いを楽しみ、猿まわしではコミカルなサルの演技に大きな笑いと歓声が上がっていた。

 初めて動物園を訪れたという函館市桔梗の高橋凜太郎君(6)は「ライオンが大きくてびっくりした。いっぱい動物に触れて楽しい」と笑顔だった。

 開催期間は18日まで。入場料は大人800円、中学生以下500円。乳幼児は無料。問い合わせは同館(TEL0138・67・2536)へ。(柏渕祐二)



◎特急減便が影響、JR自由席争奪戦

 本格的な夏の行楽シーズンに突入し、北海道の大動脈、函館—札幌間のJR特急が連日混雑している。同区間の減便も影響し、3日のJR函館駅では、自由席に座れずに、デッキでの長時間移動を余儀なくされる乗客の姿が目立った。

 JR北海道は現在、7月に発生した出火事故の影響で特急北斗など4往復分を減便中。今月5〜8日の平日でも函館ー札幌間は午前中や午後の早い時間の便で満席に近い状況がみられ、同社は「(予約の混雑は)減便が大いに影響している」とする。

 JR函館駅ではこの日の午前9時半すぎ、同10時40分発札幌行きのスーパー北斗7号に乗る予定の乗客が早くもホームに並んでいた。道内を旅行中の徳島県の50代女性は「1週間ほど前に調べたらすでに指定席は満席。減便のことを聞いていたので、『座りたい』と思って午前9時20分からホームで待っている」と話す。出張を終え、札幌に戻るという会社員の松江拓哉さん(22)は「並んだのは午前9時半過ぎ。車で移動すると5時間かかる上、高速代も必要。列車での移動は体への負担が少ない」と、ホームで約1時間待つことを選択した。

 同10時10分に車両が同駅に到着する頃には、ホームで待つ客は80人以上に。8両編成の7、8号車に割り当てられた自由席車両に次々と乗り込んだが、すぐに満席となり、各車両のデッキは大きな荷物を抱えた外国人観光客らであふれた。

 一方、函館—札幌間で都市間高速バス「高速はこだて号」を運行する北都交通は平年と比べて予約状況に大きな変化はないといい、「(席は)1カ月前から予約が可能なので、そのタイミングに合わせて予約されるお客様が多い」と話す。ただ、駅でJRの減便を知り、急きょバスのチケット売り場を尋ねるケースが1日に数件あるという。

 JR北海道によると、お盆期間中(9〜18日)の予約のピークは函館発が10〜15日、札幌発が11日としている。(森裕次郎)


◎港まつり、踊り躍動 会場白熱

 開催3日目を迎えた、開港154周年記念函館港まつり(実行委主催)は3日、「ワッショイはこだて」の堀川・五稜郭コースが盛大に行われた。71団体、約1万2000人が参加し、沿道に詰めかけた観客から大きな声援が送られた。

 2日の十字街・松風コースに続き、天気に恵まれた中でパレードが開始。第1部の港おどりでは、参加者の息の合った踊りに大きな拍手が上がった。第2部では子どもたちが元気いっぱいに飛び跳ねる子供いか踊りと、各団体の個性豊かなサマーカーニバルに会場は白熱。踊り手たちは疲れを見せず、明るい笑顔でパレードを盛り上げた。第3部は約7300人による函館いか踊りで熱狂し、「ワッショイはこだて」最終日を楽しんだ。

 市内本通の主婦、石津レイさん(50)は「久しぶりに見たけれど、踊りの種類が多くて昔と違った楽しさがあります」と笑顔で話していた。

 4日は、若松南ふ頭で函館ペリーポート競漕が行われ、最終日の5日は函館港おどり・いか踊り大会などが開かれる。(虎谷綾子)