2013年8月6日 (火) 掲載

◎国際民俗芸術祭、華麗な衣装 多彩な踊り

 海外のアーティストを招き、パフォーマンスを紹介する「はこだて国際民俗芸術祭」(一般社団法人WMDF主催)のメーンイベントが5日、元町公園(元町12)で始まった。トルコやフランスなど各国の出演者が入れ替わり音楽やダンスを披露する。11日まで。

 ステージ初日は東京の「タカパーチ」、インドの「ソン・デ・サロード」などが出演。ラトビアの「カルヴェ」は、民族衣装に身を包んで歌やダンスを披露。華麗なステップを踏み、会場に集まった来場者を楽しませた。また、会場には屋台のカレーやソーセージなど世界各国の料理の香ばしい匂いが漂い、異国情緒をかきたてていた。

 函館市の主婦、川田麻由子さんは(36)「いろんな国の音楽や料理が楽しめ、とても楽しい。期間中あと2回は来たい」と話していた。

 6〜9日は午後4時、10日は午後2時半開演。入場には期間中使える「市民スポンサーパス」(2000円)か、ワンデイパス(500円)が必要。問い合わせはヒトココチ(TEL0138・51・5727)へ。 (平尾美陽子)



◎幻の駅「天ノ川」へ、無料シャトルバス運行へ

 【上ノ国】列車は止まらないが、モニュメントとして人気の「天ノ川駅」に立ち寄るシャトルバスが9〜18日、初めて運行される。一日3便のうち2便が天ノ川駅を通過する列車も見られるように調整。関係者は「地元の魅力を全国に発信したい」と期待している。

 シャトルバスは、函館と上ノ国の沿線のまちおこしに携わる「北海道夢れいる倶楽部」が企画。来年5月のJR江差線木古内—江差間の廃線決定を受けて愛好家の利用が増す中、「天ノ川駅を通過して、さらに列車が通過する景色を見たい」という声に応えようと立案した。

 バスはすべて臨時列車に接続する形で、1便はJR江差駅前を午後2時半に出発。2便は湯ノ岱駅前を同3時44分に、3便が湯ノ岱駅前を同4時45分にたつ。到着地はいずれも湯ノ岱駅前。

 1・3便は、天ノ川駅前を列車が通過する様子を見学できる。各コースには湯ノ岱温泉もあり、同温泉で開催中の江差線の特別展(写真や特別列車の看板)も楽しめる。

 シャトルバスの利用は無料だが、自費で温泉に入浴するか食堂の利用を条件とする。各便、先着で座席定員は38人。また14日のみ、2便目が上ノ国町役場近くの「エゾ地の火まつり会場」まで延長運行する。

 問い合わせは同倶楽部(TEL080・8291・0156)へ。詳細は同倶楽部の公式ホームページでも確認できる。(田中陽介)



◎いか踊り最高潮、港まつり閉幕

 函館港まつり(実行委主催)は最終日の5日、「函館港おどり・いか踊り大会」や「ワッショイはこだて」の表彰式、歩行者天国などを行い、盛況のうちに幕を閉じた。

 函館港おどり・いか踊り大会会場の大門グリーンプラザ前には、開始を待ちわびた多くの市民や団体が集まった。午後6時半のスタートとともに音楽が流れると、会場は一体感ある踊りで最終日を飾った。

 陸上自衛隊函館駐屯地第28普通科連隊が製作し、実行委に引き渡した山車「函館〜台北線就航記念号」を中心に置き、いか踊りと港おどりを繰り返し踊り、踊り手の熱気に押されて観客も飛び入りで参加。子どもから大人まで多くの人が心地よい汗を流した。

 ワッショイに出た、まちづくりオールスターズの高田大海さん(38)は、映画「スパイダーマン」の格好で登場。「毎年参加しているが、人前で踊るのが楽しい。夏本番を感じます」と踊りを楽しんだ。

 市内日吉町の会社員、笹田直矢さん(28)は「見るのも楽しかったが、途中から参加したらもっと楽しかった」と笑顔を見せていた。(虎谷綾子)


◎来月から電気料金値上げへ、道南でも悲痛な声

 9月からの北海道電力の電気料金値上げ率が家庭向けで7・73%程度、企業向けで11%程度となる方針が固まった。道南では「原発再稼働が遅れている中ではある程度予想できたこと」と冷静な受けとめ方がある一方、「工場稼働に大打撃」「燃料や食材価格が上がる中で電気代までとなれば生活はさらに苦しくなる」と悲痛な声が上がっている。

 電力の消費が多い水産加工会社は、大幅値上げに頭を悩ませる。大久吉田商店(福島町)の吉田隆悦社長は「冷蔵庫に乾燥機、温度管理のクーラーと電気は欠かせず、値上げは大打撃。年間200万円近くは増えるだろう」と嘆く。長期的観点からLED照明への変更など企業努力に励むが、「燃料高騰によるイカの高値もあり、水産業者には厳しい現実」と明かす。

 食品・飲料販売の「ヤマタ」(鹿部町)は「店内の蛍光灯の間引きはもちろん、営業中は併設する自宅の照明は使わない」(川村秀治代表)と工夫。函館市上湯川町の主婦(60)は「家計を預かる身には当然痛い。ただ、値上げには反対だが、原発再稼働にも反対の立場なので悩ましい」と、苦渋の胸の内を語る。

 値上げのしわ寄せを懸念する声も根強い。市内の福祉施設では「こまめな節電を心がけているが、トイレなどは利用者の安全を第一に考え、基本的には常時常灯」と話す。電気料金の値上げにより、最も懸念するのは食材などの価格上昇だ。「利用者が楽しみにしている食事は施設で手作り。食材価格が高騰した場合でも、食事の提供料に上乗せすることは難しい」と語る。 (小杉貴洋、柏渕祐二、森裕次郎)