2013年8月9日 (金) 掲載

◎ビニールハウスで永遠の愛誓う 

 【北斗】北斗市茂辺地の農業、宗山幸夫さん(51)のトマト栽培用のビニールハウスで8日、次女の麻実さん(25)と原茂さん(36)の結婚祝賀会が開かれた。今年2月までウエディングプランナーとして東京の会社で勤務していた麻実さんが企画し、同級生や地域住民らも準備に協力。アットホームな結婚式に出席者約80人も感激に浸った。

 茂さん、麻実さんは仕事を通じて知り合い、昨年春に交際を始めた。麻実さんの誕生日に茂さんがプロポーズしたという。

 式場のハウスは、白いバラの花などをあしらった飾り付けが施され、バージンロード用の赤いカーペットが敷かれた。

 午後5時半すぎに人前式が行われ、新郎の茂さんが入場した後、新婦の麻実さんが幸夫さんとともに入場。セレモニーに続き、「2人一緒にいる幸せに感謝をし、共に生きていくことを誓います」と誓いの言葉を述べ、指輪の交換、誓いのキスを交わした。

 続く披露宴では、新郎、新婦が幸夫さんの運転するトラクターに乗って入場。出席者も料理を味わいながら2人を祝福した。麻実さんが子どものころから愛着のある地元の菓匠一福で作ったウエディングケーキで入刀セレモニーが行われた。

 麻実さんは「自分の原点の場所で結婚式を挙げることができてとてもうれしい。宗山家らしいアットホームな式になって良かった」と笑顔。茂さんも「地元の温かさに感動です」と話し、幸夫さんも「ジーンときました。幸せです」と感無量。

 麻実さんの同級生で、結婚式の準備に当たった菊地望さん(25)も「すてきな結婚式。かかわることができてうれしい」と感激していた。  (鈴木 潤)



◎素材の甘み食べ比べ 国際科学祭プレイベント

 料理を通じて科学を学ぶ「大人のキッチンサイエンス」(函館短期大学主催)が8日、北海道ガス函館支店で開かれた。コーンとメロンの糖度を比較したほか、缶詰と生のコーンを使った料理を食べ比べ、素材の甘みを体験した。

 はこだて国際科学祭(17〜25日、サイエンス・サポート函館主催)のプレイベントとして開催。講師は函館短期大学の猪上徳雄さんと保坂静子さんが担当。参加者12人は、朝どりのコーンが甘い理由や採取後の糖度の変化などを学習後、料理にチャレンジ。ご飯、サラダ、スープの3種類を作った。

 作業は生のコーンと缶詰のコーンを調理する2班に分かれてスタート。スープの色の濃さや甘みの違いを確認し合い、その後の試食では「甘さが違う」と驚きの声も。紙芝居を通してコーンの調理方法や粒とひげの関係などを学んだ。 (平尾美陽子)



◎合併建設計画 昨年度は173億円執行

 函館市が旧渡島東部4町村との合併に伴って策定した合併建設計画(2004〜14年度)に基づく、昨年度の執行額は173億円となった。ここ数年170億円台で推移する中、昨年度は漁港整備や河川改修、市道の改良などに充てられており、着実に進展している。市は事業の財源となる合併特例債の発行期限が5年間延長されたことを踏まえ、建設計画を19年度まで延長する方針だ。

 建設計画は04年12月の合併に伴って策定し、05〜14年度までの10年間の地域別事業計画の総額は2921億3000万円。09年度までの前期5カ年では恵山コミュニティセンターの新築や消防庁舎の建設などに取り組んでおり、5カ年で1546億円の計画総額に対する実績額は1152億円。進捗(しんちょく)率は74・5%。10年間に対しては39・4%となっている。

 市は7月29日に開いた戸井地域審議会で、昨年度の実績を公表。当初予算額(186億546万円)に対する執行額は173億6699万円(93・3%)で、このうち合併4地域で執行したのは73億2273万円。漁港の護岸かさ上げやアワビの種苗放流、旧戸井線蓬内(よもぎない)橋の解体工事などに充てたことを報告した。

 市企画部によると、10年度は177億9659万円、11年度は174億1097万円を執行しており、これらを合算した8年間の進捗率は57・4%(本紙調べ)に達する。

 市は8日の市議会総務常任委員会(斉藤明男委員長)で、建設計画の期限を19年度まで延長する方針を改めて説明。谷口諭企画部長は計画変更に合わせて、本年度から19年度までの財政計画を作成し、来年9月に市議会の議決を得て計画を変更したいとの意向を示した。

 同部長は併せて特例債に関し、発行可能額309億円に対し、昨年度までに約87億円を活用したと説明。本年度以降函館アリーナや東消防署南茅部支署の整備などに充て、14年度までに196億円(63・7%)を活用するとし、「有利な起債なので、今後もニーズに合わせて活用を判断したい」と述べた。 (千葉卓陽)


◎研究の一端に触れる 道南農試公開デー

 【北斗】道総研道南農試は8日、北斗市本町の同農試で公開デーを開いた。190人が訪れ、水稲や野菜の研究活動の一端に触れた。

 今年で19回目。柳沢朗場長が「成果を見てもらい、理解が深まれば」とあいさつ。場内見学会では、新規作物として研究に取り組むリーキ(西洋ネギ)や、サツマイモの栽培について担当者が説明。リーキ担当の植野玲一郎さんは「長ネギ大産地の道南では、同じ方法で作れる。高く売れるので、新しい農業の一つとしていきたい」と話した。高濱雅幹さんはサツマイモについて「道産はねっとりして甘みが強いので、お菓子向きでは。本州産と同じホクホク感を出せるよう研究を進めたい」とした。

 試食コーナーには「とよみ大納言」と「風の子もち」の冷やしぜんざい、コメ「きたくりん」と「ふっくりんこ」の味比べ、トマトの食べ比べが並んだ。

 北斗大野小1年の中村光君(6)は「サツマイモを掘るところが楽しかった」と話し、試し掘りしたサツマイモを笑顔で持ち帰った。 (山崎大和)