2013年9月10日 (火) 掲載

◎世界料理学会開幕 一流シェフが腕前披露

 国内外から気鋭の料理人が一堂に会し、料理の手法や哲学を披露し合う「第4回世界料理学会inHAKODATE」(実行委主催)が9日、函館市芸術ホールで開幕した。タラをテーマに掲げ、シンガポールやフランス、スペインなどから参加した34人が食へのこだわり、調理法を発表。初日は記念パーティーも開き、学会を含め延べ1000人超の来場者でにぎわった。

 スペイン・バスク地方の料理学会を参考に、実行委の深谷宏治代表(レストラン・バスクオーナーシェフ)が2009年から始め、1年半ごとに開いて今回で4回目。深谷代表が「料理人による、料理に携わる人たちのための学会。2日間よろしくお願いします」とあいさつ。シンガポールのアンドレ・チャンシェフの講演からスタート、計7人が登壇し、自らの料理について熱く語った。

 北大大学院水産科学研究院の桜井泰憲教授は「タラ類の一般的生態、大西洋タラとスケトウダラは姉妹種?」と題し、生態や地球温暖化による魚への影響を解説。深谷さんが函館近海で捕れるタラについて質問すると、「4、5歳の丸々としたタラが捕れる。新鮮で料理に非常に向いている」と話した。

 学会終了後、函館国際ホテルでパーティーがあり、各国のシェフらが考案した約20種類のピンチョス(つまみ)を提供。濃厚なトウモロコシのムースと毛ガニのハーモニーが味わえる「毛ガニとトウモロコシのティラミスリコリス風味」や、ホタテのうま味を濃縮した「ブロッコリーのアンチョビ風味とホタテ」など多彩な料理が、来場者の舌をうならせた。

 最終日の10日は午前9時半から、同ホテルで学会を開催。同11時からは渡島総合振興局主催の道南食材見本市も開かれる。(虎谷綾子)



◎函館—台北線定期便就航から1年 利用客らに感謝・歓迎のもてなし

 台湾の復興航空の函館—台北線定期便就航から1周年を迎え、函館市や函館商工会議所など関係団体でつくる函館空港振興協議会(会長、松本栄一函館商工会議所会頭)は9日、同路線の利用客らに土産品を手渡し、感謝と歓迎の気持ちを伝えた。

 同社は昨年9月9日に函館線を定期便化し、好調を維持している。現在は日、月曜の週2回1往復ずつしているが、競合する台湾のエバー航空に対抗するため、10月27日からの冬ダイヤで水曜に1往復増便する。

 この日は午前11時45分に172人を乗せた便が到着。国際線ターミナルに「台北—函館線 祝1周年」と記した横断幕を掲げて観光客らを出迎えた。

 法被を着た函館市と空港ビルデングの職員は、手続きを済ませた乗客に「こんにちは」と話しかけながら、イカの珍味や観光パンフレットといった記念品を手渡していった。

 13日まで札幌や登別など道内各地を回るという林忠孝さん(81)は「北海道は景色がすばらしく、食べ物もおいしい。旅行を楽しみたい」とフライトの疲れも見せず笑顔だった。同協議会は「冬季の増便で函館発着の旅行商品が組みやすくなる。相互交流の拡大に期待したい」としている。(松宮一郎)



◎バル街10年 節目もにぎやか

 10年20回の節目を迎えた「函館西部地区バル街」(実行委主催)が8日、函館市の西部地区で開かれた。同地区の飲食店をスペインの伝統的な立ち飲み居酒屋「バル」に見立て、ピンチョス(つまみ)や酒をはしごして楽しむ、恒例のイベント。72店が出店し、市内を中心に全国からも大勢が訪れ、にぎわった。

 節目を記念し、午後3時から市地域交流まちづくりセンターで記念セレモニーが行われた。はじめに深谷宏治代表が「函館とスペインの良いものが融合したバル街をこれからも続けていきたい」とあいさつ。続いてスペイン大使館のサンティアゴ・エレロ・アミーゴ文化参事官が「函館からスペイン料理が広がったことを喜んでいる」と感謝。工藤寿樹市長も「バル街を一層、発展させてほしい」と願った。最後は3人で乾杯し、節目を祝った。

 同地区一帯は、家族連れや友人同士のグループがチケットとマップを手に各店を巡り、食べ歩きを楽しんだ。「きものdeバル」も行われ、和服姿の女性が多く見られた。

 午後6時からはアクロス十字街前のスペースで、恒例の振る舞いサービスが行われ、長い列ができた。深谷代表らが生ハムやワインを配ったほか、函館チーズの会あるばーじゅも提供。9、10の両日に開かれる世界料理学会に参加する国内有数のシェフもサービスに参加して盛り上げた。

 市内在住の瀬川一恵さん(41)は「毎回楽しみにしているイベント。節目に参加できて良かった。夜の西部地区はなかなか来ないので、いつもいい機会だと思っている」と話していた。(小林省悟)


◎せたな町長に高橋氏

 【せたな】任期満了に伴うせたな町長選挙は8日に投開票が行われ、現職の高橋貞光氏(62)が4282票を獲得、新人で前町議会議長の真柄克紀氏(61)を2153票差で破り3選を果たした。投票率は82・52%で、選挙戦となった2005年の前々回より5・75ポイント下回った。

 午後9時ごろ、票に差がつき、間もなく高橋氏が妻の則子さん(57)とともに事務所に姿を見せ、大勢の支持者とがっちり握手。笠原誠作・選対幹事長の音頭で万歳三唱した。

 高橋氏は、1期目から継続して人件費削減など財政健全化に力を入れ、旧3町合併当初に212億円あった起債残高(借金)は、本年度末には145億9000万円に圧縮する見込み。町の貯金にあたる基金は、合併当初の約16億円から昨年度末には約40億円に積み上げ、「3期目も財政の健全化を進める」と強調する。「その中で一次産業や商工観光などの振興と医療・福祉・介護、そして子育て教育の充実に全力で臨む。保育料の負担軽減、学校教育や生涯教育の充実なども図る」と語る。

 真柄氏は告示日直前の出馬表明など、出遅れが響いた。真柄氏の議員辞職に伴う町議補欠選は、元町議の本多浩氏(62)が3435票で当選。元町議の江上恭司氏(64)は2842票だった。(田中陽介)

 ◇ せたな町長選開票結果

当 高橋貞光氏 4282票

  真柄克紀氏 2129票

 当日有権者数7842人、投票者数6471人(有効6411、無効60)


◎北斗の4団体そろって全国切符 北海道吹奏楽コンクール

 【北斗】札幌コンサートホールKitara(キタラ)で5〜8日に開かれた第58回北海道吹奏楽コンクールで、北斗市から出場した上磯小、久根別小、上磯中の吹奏楽部と上磯吹奏楽団がそろって全国大会出場を決めた。いずれも道コンクールの常連チームだが、4団体そろっての道代表は例がなく、市内は快挙に沸いている。

 小学校の部の上磯、久根別の2団体は10月12、13の両日、富山市芸術文化ホールで開かれる東日本学校吹奏楽大会に、中学校の部の上磯と一般の部の上磯吹奏楽団は同19〜27日に福岡サンパレスや名古屋国際会議場で開かれる全日本吹奏楽コンクールにそれぞれ出場する。

 上磯小の東日本大会出場は2年連続5度目で、旧全日本コンクールを含めると8度目の道代表となる。久根別小は3年ぶり5度目。上磯中は初めての道代表。上磯吹奏楽団は4年ぶり3度目の出場を決めた。

 快挙に、北海道吹奏楽連盟副理事長で、上磯吹奏楽団の高橋徹団長は「このような結果を夢見て吹奏楽の普及、振興を図ってきた。コンクールを見据えて毎年継続してきた演奏発表会の成果が実を結んだ」と話す。

 市教委の永田裕教育長は「このたびの3校成果は他校にも元気を与えるはず。子供たちの頑張りと指導に当たった先生に敬意を表します。上磯吹奏楽団の出場も見事で、小学校から社会人まで教育活動の場があることを素晴らしく思います」とコメント。

 成果に対し、市教委は対外競技の補助要綱に基づき、3小中学校の部員160人分の宿泊費、交通費約1300万円と楽器の輸送費を負担する補正予算案を開会中の第3回定例市議会に追加提案する考えで、高井茂昭学校教育課長は「明るい話題。全国でもぜひ頑張ってほしい」と話している。

 3小中学校顧問のコメント

 上磯小顧問の高橋聡教諭 地区大会から音楽も心も成長した。児童は応援した方に応えるべく一生懸命演奏した。

 久根別小顧問の日登晶子教諭 6年生を中心に一生懸命練習に取り組んでくれた成果。全国では上を目指し堂々と演奏できるようさらに練習を積んでいきたい。

 上磯中顧問の中條淳也教諭 生徒はすごく集中していて気迫あふれる演奏をしてくれた。自分でも感動した。