2013年9月11日 (水) 掲載

◎野菜ソムリエが食材説明、調理製菓専門学校

 函館短大付設調理製菓専門学校(野又淳司校長)は9日、同校で、野菜ソムリエを講師に招いた特別講座を開いた。蒸したジャガイモやカボチャなど食材を食べ比べて味の違いを学んだ。

 調理師になるための知識を身に付けてもらおうと、8月26日に続いて2回目。希望した調理師科の学生13人が参加、同校卒業生で野菜ソムリエの高村亨さん(38)=函館在住=が講師を務めた。

 食材はジャガイモ7品種、カボチャ6品種、ビーツ2品種、モモ6品種、スモモ5品種。高村さんが伝来や産地、品種の特性などを説明し、学生が試食して味の違いを確かめた。イモの試食では色や甘み、ホクホク感の違いを体験した。

 田丸史菜さん(19)は「知らない野菜を食べることができて、勉強になった」と話した。高村さんは「意識して食べることで味を覚え、食材から料理を作ることを考えてほしい」と後輩にエールを送っていた。(山崎大和)



◎旧ロシア領事館、28日に一般公開

 函館市船見町16の旧ロシア領事館が、28日に一般公開されることが決まった。「道南青年の家」として利用されていた時以来17年ぶりで、NPO法人「はこだて街なかプロジェクト」(山内一男理事長)が市に働きかけていた。同団体は「函館とロシアの交流の歴史を市民に知ってもらいたい」としている。

 ロシア領事館は1858(安政5)年に初めて置かれ、大火による焼失や移転を繰り返した。現在の建物は1908(明治41)年に完成したもので、ドイツ人建築家のゼールが手掛けた。れんが造り2階建てで、玄関には神社などに用いられる唐破風(からはふ)を取り入れるなど、日本的な様式も加えている。

 建物は戦後国が所有し、後に市が購入して1965〜96年まで道南青年の家として活用していたが、現在は老朽化が進み、外観のみを開放している。改行 一般公開は同団体が金森ホール(末広町)で28日に開くロシア陶器の展示・即売会に合わせて、午前11時と午後2時の2回実施。参加無料で、希望者は当日、現地に集合すること。

 同団体は「建物は相当傷んでおり、今後現況調査を市に申し入れたい」とし、活用方法を探っていく考え。問い合わせは同団体(TEL0138・54・1488)へ。(千葉卓陽)



◎世界料理学会が閉幕

 第4回世界料理学会(実行委主催)は最終日の10日、函館国際ホテルで道南産食材見本市のほか、講演や分科会を開催して閉幕した。見本市では、ガゴメコンブなど道南の優れた食材を国内外の一流料理人らにPRし、ブランド化や販路拡大に向けて手応えをつかんだ。

 見本市は昨年に続いて2回目で、渡島総合振興局と桧山振興局が主催。学会との連携は初めて。渡島、桧山管内の37の生産者や加工業者が出展。がごめの滴(函館)、王様しいたけ(七飯)、活締めブリ(函館)など自慢の食材が並び、シェフらと交流しながら売り込んだ。

 函館市昭和の「新鮮野菜ばんば屋」では、スイーツや和食にも色を添えるフルーツほおずきや、カラフルなミニトマトを出し、福島町黒米生産会は、天然のサプリメント「黒米」を世界に向けてアピール。ばんば屋の滝花真姫子さんは「普段はあまり見掛けない商品だと思うが、この機会に多くの人に知って食べてもらいたい」と話していた。

 講演した7人のうち、フレンチレストラン、ラ・リヴィエール(函館)の佐々木宏次シェフが「器のチカラ〜タラ料理に彩りと楽しみを」と題し、学会テーマであるタラの魅力や、タラを使ったムニエルプロバンス風の調理法を紹介。「タラは捨てるところがないと言われ、いろいろな料理を楽しめる」と強調したほか、料理を一層引き立てる器の大切さを話した。(虎谷綾子)


◎老人福祉センター入浴料有料化「10月示す」、函館市議会

 函館市議会第3回定例会は10日も一般質問を続行し、4氏が登壇した。この中で市保健福祉部は、2014年度からの実施を検討している老人福祉センター入浴料の有料化について、10月をめどに考え方を示すとともに、実施した場合に減免制度を設ける考えを明らかにした。

 市戸ゆたか氏(共産党)の質問に、種田貴司保健福祉部長が答えた。

 市は昨年策定した「行財政改革プラン」で、来年度からの有料化を明記。2010年度に実施した利用者アンケートの結果などから入浴料を100円とする方向で検討を進めており、有料化で年間約1350万円の収入を見込んでいる。

 市戸氏は「生活費を切り詰めるために利用する人も多く、経済状況を考えたら有料化すべきではない」と指摘。これに対し種田部長は「仮に有料化する場合、他の施設と同様に減免規定を設ける方向で検討したい」と答弁。減免対象については明言を避けた一方、10月をめどに市の考え方を提示するとした。

 また、工藤寿樹市長は市戸氏から見解を問われ、「利用者からの理解は得られているが、慎重に対処したい」と述べた。

 このほか工藤篤氏(市民クラブ)は、縄文文化交流センター(臼尻町)に指定管理者制度を導入することに関し、「一部団体が導入に危惧(きぐ)を抱いていると聞いている」と指摘。政田郁夫市教委生涯学習部長は「事前に趣旨を説明し、理解いただいた。民間の力を活用して縄文文化の価値を広げることは、早期の世界遺産登録を実現する上でも重要」と述べた。(千葉卓陽)