2013年9月15日 (日) 掲載

◎菜の花きれいに咲いて…プロジェクトの会員ら種まき

 函館の開祖と称される高田屋嘉兵衛になじみの深い菜の花(ナタネ)を核に活動を展開する「はこだて菜の花プロジェクト」(石塚大代表、会員15人)は14日、函館酪農公社あいす118隣接地で「2013はこだて菜の花種まき大会」を開いた。雨が降る悪天候だったが、会員ら約25人が丁寧に種をまいた。

 今年で10年目。菜の花に親しんでもらおうと、地域住民と協力して種まきや収穫、ナタネ油の搾取などに取り組む。

 この日は3300平方メートルの畑の一部に畝をつくり、手で数粒ずつまいていった。石塚さん(47)は「10年目なので、元気な花が見られることを祈りながら種をまいた。函館の歴史を振り返るきっかけになれば」と話した。12月には油で明かりをともす「キャンドルナイト」、来年5月には、一面に咲く黄色い菜の花を楽しむ「菜の花まつり」を開催する。

 同公社会長の金子隆さん(75)は「いい取り組みなので応援したい。きれいな花はお客さまも喜んでくれる」と期待を込めた。(山崎大和)



◎西高生 見事なお点前…公会堂の中で茶会

 函館西高茶道部(丹羽桃子部長、部員16人)は14日、旧函館区公会堂で茶会を開いた。3連休の初日とあって、会場には多くの観光客が訪れ、部員たちがたてたお茶を楽しんだ。

 公会堂での茶会は4年前から毎年開かれ、恒例のイベントとして人気を集めている。本来は前庭で「野だて」を行う予定だったが、この日は午前中に雨が降ったため、室内での開催となった。

 部員らは大勢の観光客らが見つめる中、集中した表情でお点前を披露。自分の番が終わるとほっとした表情を見せていた。大阪府から訪れた榊福子さんは「初々しくてよかったですね。おいしくいただきました」と笑顔。同部2年の西村英里さん(17)は「緊張して間違えてしまった部分もあったけど、楽しかった。大勢の方の前でお茶をたてたことはよい思い出になりました」と話していた。(森裕次郎)



◎中宮氏が出馬表明…七飯町長選

 【七飯】七飯町長の中宮安一氏(59)は14日、町文化センターで開かれた後援会の会合で、任期満了に伴う来年4月の七飯町長選に3選を目指して出馬する意向を表明した。中宮氏は「安心・安全はもちろん、新幹線やオリンピックを見据えたまちづくりを進めていきたい」と意欲を語った。

 中宮氏は1977年から七飯町職員として勤務し、土木課長、都市建設課長などを歴任。2006年に初当選し、2010年に元町職員同士の争いを264票の小差で破り再選を果たした。

 席上では市戸幸雄後援会長(73)が「町長選はまだ半年先だが、この場で今後を決めていただきたい」と呼び掛けた。これを受け、中宮氏は「3期目に向かって皆様の支援を受けながら町長選を頑張っていきたい」と決意表明。また、老朽化の進む七飯消防署、大中山小学校、給食センターの建て替え、地域の自主防災などを今後の課題に挙げたほか、「北海道新幹線開業に向けた道の駅エリアの開発、東京オリンピックの合宿誘致にも力を入れたい」と語った。(柏渕祐二)


◎函館関連で15社採択…ものづくり補助金

 中小企業の試作品開発などを支援する国の「ものづくり補助金」に、道内から188社の事業が採択された。そのうち、道立工業技術センター(函館市桔梗町)が技術指導をするなどした函館・道南関連の企業が15社に上り、同センターを運営する函館地域産業振興財団は「地場企業の製品開発や設備投資につながる」と期待している。

 国の2012年度補正予算で措置された補助金で、中小企業庁が実施する。ソフトウエア関係、プラスチック成形加工や金属プレス加工、鋳造、溶接、発酵などの事業が対象で、事業費の3分の2、最大で1000万円が補助される。

 電子部品のセコニック電子函館事業所(函館市)は「EL照明の長寿命化」で採択を受けた。携帯電話や機器類の光源、看板や車のナンバープレートの発光体などに使用されているELの高輝度、長寿命化の研究を進め、照明用途での商品化を目指す。

 涌井久雄所長(50)は「ELはLEDよりも輝度、寿命が劣り市場を奪われているが、研究開発で輝度、寿命を2倍にし、唯一の面光源としての地位を確保したい」と話す。技術が確立されると、薄くて軽量、発熱も少なく目に優しい面光源という特徴から、新しい市場にも展開できる可能性が広がるという。補助額は1000万円。

 きびだんご製造で知られる天狗堂宝船(七飯町)は「連続供給型餅菓子製造技術の試作開発」で採択された。従来の製造法は生地をシート状の型に流し、自然冷却後にきびだんごの形に裁断しているが、再利用への工程が必要なミミが残る。このため、生地を入れるときびだんごが一本の形状で押し出され、一定の長さでカットすればいいような試作品の開発を目指すという。

 「作業効率の向上と歩留まりが良くなる。試作品から最終的にひとつの装置として開発したい」と千葉仁社長(45)は語る。補助額は約1000万円といい、「自社独自の開発に比べリスクが低減される」とメリットを説明する。(高柳 謙)