2013年9月27日 (金) 掲載

◎洞爺丸台風慰霊法要 犠牲者悼む

 【北斗】1954(昭和29)年の洞爺丸台風で沈没した旧国鉄青函連絡船の犠牲者をしのぶ慰霊法要が26日、北斗市七重浜の「台風海難者慰霊碑」前で開かれた。遺族ら約50人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。

 同年9月26日、襲来した台風15号の影響で、洞爺丸のほか、北見丸、日高丸、第11青函丸、十勝丸の5隻の青函連絡船が海に沈んだ。犠牲者は計1431人に上り、多くの遺体は七重浜の海岸に打ち上げられたという。

 函館市仏教会の僧侶約15人が読経する中、参列者が焼香し、沈痛な表情で慰霊碑に手を合わせた。

 青函連絡船殉職者遺族会の富樫淳次会長は「事故から59年がたち、法要も60回忌を迎えた。遺族も高齢化し、当時のことを知る人も少なくなってきているが、風化させてはいけない。冥福の祈りはもちろん、交通に関わる人々の安全確保を誓う場でもあってほしい」と話した。

 北見丸に無線通信員として乗船していた夫を亡くした松屋奈々江さん(84)は「毎年参列しているが、本当に昔の話になってしまった。あのころは泣いてばかりだったが、とにかく子どもをしっかり育てようと必死で生きてきた。若い人や遺族の参列も年々少なくなってきているが、元気なうちは足を運びたい」と話していた。(虎谷綾子)

 



◎「西川ピアノ」美しい響き、大妻高でメモリアルコンサート

 函館大妻高校で26日、同校が所有する日本最古とされる国産ピアノを使った演奏会「大妻メモリアルピアノコンサート」が開かれた。来場者約80人はピアノとオーボエの美しい響きに酔いしれた。

 ピアノは西洋楽器の製造元祖と呼ばれる西川虎吉が明治期に造った「西川ピアノ」。2007年に同校で見つかり、09年から年1回コンサートを開いている。今回は札幌交響楽団首席オーボエ奏者、金子亜未さんと函館のピアニスト高実希子さんが出演した。

 2人はバッハ「G線上のアリア」、カッチーニ「アヴェ・マリア」、秋の童謡メドレーなど、曲間に楽器の紹介などを交えながら披露。繊細な弱音を引き出すと、聴衆はじっと耳を傾けていた。(平尾美陽子)



◎函館の魅力 全国2位、地域ブランド調査

 民間シンクタンクのブランド総合研究所(東京)は26日、2013年の地域ブランド調査の結果を発表した。函館市の魅力度は53・4ポイントで2年ぶりの2位。初の1位となった京都市に0・4ポイント差と肉薄し、昨年まで3年連続で1位の札幌市は3位となった。函館は食にかかわる複数の項目で1位になるなど、総合力で高い評価を得た。

 調査は2006年に始まり8回目。全国の全789市と東京23区、188町村を加えた1000市区町村と、47都道府県が対象。2万9651人からの回答を元に認知度、魅力度、観光意欲度など72項目を数値化した。  調査開始以来、上位8市の顔ぶれは変わらず、函館、京都、札幌がベスト3で、横浜が4位という構図が定着。5〜8位は富良野などが争っている。函館は09年に1位となったほか、今回が4回目の2位。09年導入の都道府県ランキングでは北海道が5年連続の1位となっている。

 評価項目のうち、函館は「食品購入意欲度」「地元食材が豊富」「食事がおいしい」で各1位となり、魅力度は2位、観光意欲度は3位だった。同研究所は「函館は食の魅力で高い評価を受け、観光や海産物などでイメージが形成されている。ただ、観光意欲度や行ってみたいとする割合がやや低下傾向にある」とする。居住意欲度は8位と高評価の一方、生活の便利さや快適さの項目では248位で、イメージ先行の結果も見られた。

 市ブランド推進課は「多くの人が抱いているイメージを損ねることなく、実際に函館に来てもらって楽しんでもらい、リピーターになってもらえる取り組みをこれからも進めていく」と話す。

 また、工藤寿樹市長は「観光客の入り込みも戻り、今年はGLAYのライブも全国に函館を発信する機会となった。新幹線開業に向けたまちづくりを進め、1位を目指して頑張っていきたい」とコメントした。(今井正一)



◎2市場の食堂でクジラ竜田揚げ定食提供へ

 函館市水産物地方卸売市場(豊川町27)の「魚いち亭」(佐々木博樹代表)と市青果物地方卸売市場(西桔梗町589)の「十字軒」(小林繁孝社長)の2市場食堂が10月1〜12日、クジラ竜田揚げ定食を格安で提供する。

 水産市場魚食普及対策協議会(松山征史会長)が共催、秋の市民感謝祭として特別メニューを企画した。

 今年6月、函館に水揚げされたツチクジラの赤肉130cを使い、ご飯、みそ汁、小鉢、漬物が付く。1食500円。

 十字軒を経営する山大営業部企画開発の山口さおりさんは「秋は野菜もおいしい季節なので、野菜の小鉢も味わってほしい」と話す。

 両食堂とも午前7時〜午後2時。同6日は定休。十字軒は同9日が休市のため休み。問い合わせは市市場課(TEL0138・22・5304)へ。(山崎大和)