2013年9月28日 (土) 掲載

◎フードカン 集客大作戦 道南産品売り込み躍起 HP開設も

 JR函館駅構内の道南産品アンテナショップ「フードカン」(伊藤隆史店長)が、あの手この手の集客作戦に乗り出した。ポイントカード発行や、限定商品の販売、ブランド野菜の特集などだ。ファンの拡大に向けて10月からホームページ(HP)の開設も予定している。

 ポイントカードは今月23日から導入。100円(税込み)で1ポイントを加算、1ポイントは1円相当とし、次回の買い物から値引きに使える。同店のみで申し込みを受け付ける。現在、初回の買い物を5%割り引くサービスを行っている。

 また、函館おたふく堂(中道)とのコラボレーション商品としてラスク(480円)、クッキー(850円)、おからボーロ(同)の3品を発売。

 野菜販売では、全国に名高い森町の有機栽培カボチャ「くりりん」を1個5250円で売り出し、これまでに7個を完売。観光客が土産に買ったり、贈り物に購入したりする人が目立つという。近年、人気が高まっている板坂農園(厚沢部町)の新ジャガイモも1箱(10キロ入り)2500円、1袋(約6個入り)200円で販売している。

 伊藤店長(32)は「オープンから2カ月弱たつが、売り上げは厳しい。地元客が多いので単価が低いのが課題。ゆくゆくはHP上に通販サイトも立ち上げ、全国発信を強化したい」と話している。

 同店は、渡島総合振興局が8月1日に開設。運営をノーステック(橋本真一社長)に任せ、約300品目を扱っている。無休。午前7時〜午後7時。問い合わせは同店(TEL0138・21・1200)へ。(山崎大和)

 



◎リンゴたわわ 千歳保育園児笑顔

 函館共愛会千歳保育園(太田幸子園長、園児45人)とゆりかご保育園(遠藤俊子園長、園児31人)は27日、七飯町の奥村みのる園でリンゴ狩りを行った。園児らは赤く大きく実った「つがる」をもぎ取り、実りの秋を楽しんだ。

 両園合同で行う毎年恒例のイベント。果樹園に着くと、園児は「大きい」「おいしそう」などと歓声を上げながら、大はしゃぎ。「くるくる回す」と予行練習してから、赤く色づいたリンゴをそっともぎ取った。

 園児たちは自分が気にいったリンゴを求めて、じっくり吟味。1人2個ずつ収穫し、千歳保育園年長の岩舘蒼空ちゃん(5)は「リンゴがいっぱいあった。楽しかった」とにっこり。

 その後は昭和公園に移動して外遊び。昼食後にもぎたてのリンゴを頬張った。(平尾美陽子)



◎佐藤泰志の墓前に報告 きょう映画公開

 函館出身の小説家・佐藤泰志(1949〜90年)のドキュメンタリー映画「書くことの重さ〜作家 佐藤泰志」に出演した村上新悟さん(38)らが27日、佐藤が眠る東山墓園などのゆかりの地を巡った。村上さんは「お墓の前で自分のような人間が泰志さんを演じてよかったのかと聞いてみたら、苦笑いをしていた」と感じたという。

 村上春樹、中上健次らと並び評されながらも、文学賞に恵まれず自らの命を絶った不遇の小説家、佐藤の生きざまを描いたドキュメンタリー映画。函館では全国に先駆けて、28日に市内本町の映画館・シネマアイリスで公開される。

 27日は、同映画で高校時から30代までの佐藤を演じた村上さんのほか、料亭の女中役の樋口泰子さん(37)、作家の木爾チレンさん(26)が佐藤の墓や、遺品を展示している函館市文学館などを訪れ、足跡をたどった。

 同日夜には、市内若松町のバー「杉の子」で佐藤作品の朗読会も行われ、「君の鳥はうたえる」「そこのみにて光輝く」の一部分を村上さんと樋口さんが読み上げ、訪れた観客が聞き入った。

 28日は、シネマアイリスで午後12時55分から村上さんらによる舞台あいさつ後、上映される。問い合わせは、同映画館(TEL0138・31・6761)まで。(金子真人)



◎函館市が「中心市宣言」 定住自立圏形成へ各市町と連携

 函館市は、近隣自治体と連携して生活機能を整備する国の定住自立圏構想に基づく「中心市宣言」を行った。渡島・桧山管内の17市町と本年度中に協定を結び、具体的な連携事業を盛り込んだ「共生ビジョン」づくりに着手する。

 定住自立圏構想は人口減少や高齢化を見据えた取り組みで、人口5万人以上などの条件を満たす中心市と、生活圏を同じくする周辺自治体が連携して生活機能や経済基盤の維持を目指す。

 道南では来年度から市立函館病院を基地病院としてドクターヘリを導入することが決まり、各市町も自立圏形成で合意。医療や観光振興面での連携強化や、北海道新幹線開業に向けた交通アクセスの充実などでも協力し合う。函館以外の17市町は、必要な項目を選んで市と協定を結ぶ形となる。

 今後は各市町議会での議決を経て、来年3月をめどに各市町と定住自立圏形成協定を締結。来年4月には共生ビジョンを協議する懇話会を設け、同9月の策定に向けて具体的な協議を進めていく。市企画部は「議決も必要になるため、各市町で歩調を合わせて丁寧に進めていきたい」(国際・地域交流課)としている。

 工藤寿樹市長は26日の市議会本会議で「中心市として役割を果たしていくことを宣言する。地域の連携発展と、住民が安心・安全に暮らせる圏域づくりに努めたい」と述べた。(千葉卓陽)