2013年9月4日 (水) 掲載

◎奈良教大生が館中の生徒と交流

 【厚沢部】館中学校(前田博恭校長、生徒17人)で3日、奈良教育大の学生が特別授業を行い、生徒と交流を深めた。

 1日から町内の農家にホームステイし、農作業などを手伝う学生9人が全学年合同の理科の講師を務めた。マイナス196度の液体窒素に厚沢部産のトウモロコシなどの野菜を入れて瞬時に凍らせる実験で化学の奥深さを伝えた。

 同行した同大理数教育研究センター長の松山豊樹教授は「化学や数学は日々の生活に根付き、これからの時代において君たちの力が必要になる。勉強は嫌だと思うが、未来を切り開いていくためにも、いっぱい学んでほしい」と激励した。

 中学3年の大森舞さん(14)は「理科がもっと好きになった」、大川高典君(14)も「奈良の学生の皆さんと交流できたことがうれしい」とにっこり。昨年に続き来町した清野早希さん(19)は「厚沢部の子どもたちは素直で、自分が学校の先生になりたいという気持ちがより強まった」、大西智子さん(21)も「北海道の人の温かさと自然の雄大さに心動かされた」と話していた。

 この授業は、厚沢部町地域再生プロジェクト推進協議会(渋田義幸会長)が実施主体の「3大学合同アウトキャンパス事業」の一環で、4日には愛知県の同朋大学と愛知学院大の学生も厚沢部に入り、農業体験などで町民と交流する。(田中陽介)



◎ガゴメ料理食べ歩こう…10日からフードラリー

 ガゴメコンブの魅力を広めようと、渡島総合振興局は10〜30日、函館市内の21店舗でガゴメ料理を食べ歩く初のフードラリーを行う。「食べてきれいに!健康に!」と銘打ってスタンプを5個以上集めると、抽選でガゴメ製品などが当たる。

 参加店の指定料理を食べることが条件。コミュニティカフェ&バー・エバーグリーン(若松町)のガゴメパスタや、がごめ家(五稜郭町)の「はこだて がごめ飯」などで、各店に置くリーフレットでスタンプを集めてもらう。リーフレットに付くエントリーシートを添えて10月7日までに「フードカン」(JR函館駅構内)に提出する。

 スタンプ20個で2人に1万円相当、同10個で5人に5000円相当、同5個で20人に1000円相当の商品が抽選で当たる。

 10日にがごめ家でランチ(定員25人)、20日にエバーグリーンでカフェ(同10人)の各イベントも予定、予約を受け付ける。フードカンの伊藤隆史店長は「ガゴメの認知度はまだまだ低いので、市内の飲食店を挙げてアピールしたい」と話す。問い合わせは同店(TEL0138・21・1200)へ。(山崎大和)



◎アリーナ 再入札も不調…函館市、5億円超増額へ

 函館市が2015年8月の供用開始を目指す函館アリーナの新築主体工事の再入札が3日行われ、共同企業体(JV)が2者が参加したが、いずれも42億8600万円(税込み)の予定価格を超えた金額を提示し、不調に終わった。市はこの事態を受けて整備費を5億2700万円増額する方針を決め、6日の市議会本会議に関連議案を提出する。可決されれば10日に再公告、24日に再入札を行い、9月中の工事請負契約締結に結び付けたい考えだ。

 市は8月6日の最初の入札時に参加者がなかったため、予定価格を変更せずに、参加条件をJVに限らないなどの見直しを行った。今回の入札には、大手ゼネコン1社と地元業者3社が組んだJVが48億1425万円、大手ゼネコン2社と地元業者1社が組んだJVが46億1790万円(ともに税込み)で入札し、無効となった。

 市は「当初設計時に比べ、型枠や鉄骨などの実勢工事費が高騰したのが原因」(財務部)として、新築工事分の建設費として5億2700万円を増額することを決定し、6日の市議会本会議に提案する。市議会は同日の一般質問終了後に総務常任委員会を開いて審議する予定で、週明けの9日に採決する。

 市議会が可決すれば、関連する設備工事も含めて24日に再入札を実施。成立すれば、26日の本会議最終日に工事請負契約に関する追加議案を提出する見通し。

 アリーナは当初、総事業費63億円を見込んでいたが、6月の定例市議会では公共工事の労務単価上昇などを踏まえて7億5510万円を増額しており、今回の補正で当初から12億8210万円が上積みされる。今後予定される現市民体育館の解体工事などを含めると、総事業費は約75億円に達する見通し。(千葉卓陽)


◎現新2氏が激突…せたな町長選告示

 【せたな】任期満了に伴うせたな町長選挙が3日告示され、前町議会議長の真柄克紀氏(61)と現職で3選を目指す高橋貞光氏(62)=届け出順=が立候補した。2005年9月の旧北桧山と旧大成、旧瀬棚の3町合併に伴う町長選以来の選挙戦に入った。投開票は8日。

 両候補は、午前9時ごろに各事務所前で第一声を上げ、町内を遊説した。

 真柄氏は「せたな町の再生のために」と▽産業後継者対策▽安心できる子育ての整備、乳幼児から中学生までの医療費(入院・通院)全額助成▽生活路線の整備▽TPP交渉に断固反対—などを訴える。

 高橋氏は「2期8年の実績をバネに次のステップへ」と▽農林水産業の振興と商工観光建設業の活性化▽医療福祉・介護の充実、子育て支援と教育の充実▽コスト削減・財政の健全化—などを掲げる。

 また真柄氏の議員辞職に伴う町議補欠選も同日告示され、町内北桧山区の農業江上恭司氏(64)と同区の農業本多浩氏(62)=届け出順=が立候補した。

 2日現在の選挙人名簿登録者数は7909人(男性3676人、女性4233人)。投票は町内24カ所で8日午前7時〜午後6時。開票は、ふれあいプラザで午後7時半から。当落判明は同9時半ごろの見通し。(田中陽介)