2013年9月5日 (木) 掲載

◎JR11月からダイヤ改正、特急北斗1日5往復に減便

 特急の出火事故などトラブルが相次いでいるJR北海道は4日、11月1日から特急の最高速度を落とし、運行本数を減らすダイヤ改正を実施すると発表した。札幌と函館を結ぶ特急スーパー北斗と北斗は現行の11往復から6往復減の5往復となる。引き続き臨時列車を運行する計画もあり、同社では「ニーズを考慮したダイヤ編成としたい」としている。また、最高速度を10キロ減速するため、函館—札幌間の所要時間が9分増の3時間半となる。

 同日、野島誠社長らが札幌市内で記者会見し、発表した。

 同社広報によると、7月6日に八雲町内で起きた出火事故以降、スーパー北斗と北斗は一部運休を継続しており、現在、臨時特急を含めて、札幌—函館間は1日8往復。原因究明を進めている事故車両と同型車両の運転再開に見通しは立っていないが、再開した場合は札幌—函館間の定期列車は9往復となる予定。

 また、今回のダイヤ改正でスーパー北斗、北斗の最高速度は現行の時速130キロから120キロとし、平均所要時間は3時間21分から3時間半に。このほかの特急では札幌—釧路間のスーパーおおぞら、札幌—旭川間のスーパーカムイが各1往復減便、各特急の最高速度も10〜20キロ落とす。

 改正後のダイヤは今月下旬に発表する予定。北斗関連では青森方面の特急スーパー白鳥や白鳥との接続を考慮した編成とする方針。同社広報は「メンテナンスの時間を確保し、速度を落とすことで車両の負担を減らし、体制強化に努めたい。利用者にはご迷惑を掛けて申し訳ない」としている。

 JR北海道が11月以降の特急減便を決めたことについて、函館市の工藤寿樹市長は4日、「残念なことだが、安全性の確保が第一でやむを得ない。早い時期に通常ダイヤに戻るよう安全体制を確立してもらいたい」とコメントした。(今井正一)



◎知内小谷石の魅力知って、観光遊覧船と民宿が半額

 【知内】町観光協会(松崎永三会長)は、観光遊覧船と民宿(1泊2食付き)の料金が半額になる「道南の秘境・小谷石GOGOキャンペーン」を初企画した。11日まで(延長の場合あり)応募が可能で、12日から30日までの期間中に体験することができる。

 この企画は、町が過疎地域等自立活性化推進交付金を受け実施する「小谷石自立再生対策事業」の一環として同協会に委託した。利用者アンケートを実施して、小谷石観光の魅力や課題を洗い出し、リピーターや新たな客層取り込みにつなげるのが狙いだ。

 小谷石の魅力は地区に3軒ある「ペンションホットタイム」「海の宿 矢越」「海峡の宿 然」で味わえる海の幸。新たに加わった観光遊覧船「矢越海岸アドベンチャーズ」はガイド付きで、約90分間の周遊を満喫できる。キャンペーンでは3軒(各10人)それぞれ1泊2食付きで4000円、遊覧船が1500円と通常の半額で楽しめる。

 条件は知内に来ることができ、いずれかの民宿に宿泊可能(希望優先)で、アンケートに参加できる方。応募用紙に必要事項を明記し、ファクスかメールで送付する。当選者には後日通知する。応募用紙は同協会ホームページなどから入手可能。詳しくは同協会(電話01392・5・7311)へ。(小杉貴洋)



◎「ガールズケイリン」来年から開催目指す、函館市

 函館市は来年度から、市営競輪で女子選手による「ガールズケイリン」の開催を目指していることを明らかにした。函館競輪場(金堀町)の現施設の範囲内で、男子選手との区分けを図ることで対応可能と判断した。8月から関係団体への働き掛けを開始しており、新たなファン層の掘り起こしを図る考えだ。

 4日に開かれた市競輪運営協議会(今井敏博会長)で、市競輪事業部が示した。

 ガールズケイリンは昨年7月から開始。競輪の売り上げ低迷打開策として、1964年まで開かれた「女子競輪」から48年ぶりに復活し、現在は全国26競輪場で行われている。全国での本年度の売り上げは1開催(3日間)あたり平均約7300万円。

 函館市も地元ファンからの要望があり検討を進める中で、選手宿舎の部屋やトイレ、入浴施設などを男女別にするなどの課題を抱えていたが、宿舎の廊下にカーテンを張ったり、入浴時間を男女別に分けるなどの対応策を取ることで開催が可能と確認した。同部は「10月開催終了後に若干の改修を行い、4月からの開催に向けて所管法人のJKAや、全国競輪施行者協議会に働きかけていく」とした。

 女子選手は現在51人登録され、20人が日本競輪学校に籍を置く。生徒の中には、元アルペンスキー選手で札幌の中学校教師だった女性が在籍していることから、同部は「道内出身選手のデビュー戦を函館で開催したい」としている。

 ◆本年度は回復基調

 同部はまた、本年度の売上状況を公表し、8月28日までの開催40日間で前年同期比24%減118億1930万円だった。昨年は高松宮記念杯(GT)が開かれたため、例年より売り上げが多かったことが要因。

 6月の函館記念(GV)は約60億円を売り上げ、本年度予算とほぼ同額だったほか、普通競輪(FT・FU)が昨年同期比を約6億円上回っており、回復基調にあるとした。(千葉卓陽)


◎万代町商興会、かわら版設置

 函館市の万代町商興会(北村千尋会長)が4日、かつて万年橋があった万代町11(函館マネキン敷地内)に文字と写真で史実を伝える「かわら版」を設置した。同橋を中心とする旧亀田村のにぎわいを表現し、同会は「歴史を通じて函館観光に貢献したい」と意気込んでいる。

 旧亀田村(万年橋界隈(かいわい))の歴史を考える会の中川洲平会長(80)と、中嶋肇副会長(80)が中心となって付近の歴史を調査した。

 看板には、同橋が1804(文化元)年、箱館奉行所が造った亀田川に架かる長さ23・4メートル、幅3・6メートルと明記。松前へと続く福山街道(現国道228号)があり、殿様も頻繁に通った「殿様街道」の出発点とし、古くから交通の要所として発達してきたことを知らせている。写真(北大附属図書館所蔵)は幕末〜明治期に函館で活躍した写真師、田本研造が1872(明治5)年に撮影した同橋周辺の様子を張った。

 看板は90センチ×150センチのアルミ複合板。北村さん(71)は「観光客が見に来て、昔のにぎわいを取り戻すことができればうれしい」と期待。同会はペリー艦隊が万代町沖に停泊したことから、昨年5月に同町19の巴大橋降り口左に歴史看板を設置。中川さんは同所に「海のペリー黒船小公園(仮称)と記念碑建立を実現したい」と夢を描いている。(山崎大和)