2013年9月6日 (金) 掲載

◎馬で倒木を搬出…大沼公園

 【七飯】NPO法人大沼・駒ケ岳ふるさとづくりセンターは5日、大沼国定公園内で、風の影響で倒木したハンノキの撤去作業を行った。搬出には、同公園で初めての試みとなる馬搬(ホースロギング)を実施し、環境保全に取り組んだ。

 同センターと大沼流山牧場から計約15人が参加。ラムサール条約で提唱される「ワイズユース」(賢明な利用)に沿い、自然環境に負荷を与えないばん馬での馬搬に着目した。

 作業では、イギリスなどで馬搬を学んだ同牧場の西埜将世さん(32)が騎手となり、約850`のばん馬を指示しながら、直径約50a、長さ7、8bのハンノキを湖畔から道路沿いまで搬出した。

 同センターの菊地敏孝事務局長は「今後は生態系に負担をかけない馬搬を地域に広く知ってもらい、馬搬の技術も伝えていきたい」と話していた。

 また、回収したハンノキには、クマゲラの営巣跡があり、10月に流山温泉敷地内で生態系資料として展示されるという。(柏渕祐二)



◎「黒米」PR看板を設置…福島町生産会

 【知内】町観光協会(松崎永三会長)は、観光遊覧船と民宿(1泊2食付き)の料金が半額になる「道南の秘境・小谷石GOGOキャンペーン」を初企画した。11日まで(延長の場合あり)応募が可能で、12日から30日までの期間中に体験することができる。

 【福島】町特産の「黒米」をより身近に感じてもらおうと、福島町黒米生産会(佐藤貴之会長、会員9人)はこのほど、国道228号沿い町三岳の水田の一角にPR看板を設置した。佐藤会長は「見かけた人が少しでも興味を持って、購入してもらう機会が増えてくれれば」と話している。

 生産会による黒米(きたむらさき)の生産は2007年に始まり、昨年は町の助成で育苗ハウスを新設。今年は生産性が向上したことで当初目標としていた作付面積1fを達成した。

 栄養価の高い食品として認知度が高まっている黒米。ミネラルや抗酸化成分「アントシアニン」などが豊富に含まれている。白米と一緒に炊くと赤飯のように赤く色づくのが特徴で、ほのかな甘みが楽しめる。町はブランド化推進に向け、黒米のパッケージ改良やレシピをホームページなどで公開し、一層の販路拡大を狙う。

 看板は同生産会のメンバーがスギの間伐材を有効利用し製作。大きさは高さ2.7b、横1.8b。黒米のPR文とともに、生産の流れを写真などを使って紹介している。

 収穫は9月末から10月初旬の予定。黒米は渡島管内のコープさっぽろやインターネットでも販売されている。詳しくは町役場農林課(TEL0139・47・3001)へ。(小杉貴洋)



◎田村氏出馬の意向…七飯町長選

 【七飯】元七飯町職員の田村敏郎氏(62)が、任期満了に伴う来年4月の七飯町長選に無所属で出馬する意向を固めた。田村氏は「5年、10年先を見据え、北海道新幹線と人材育成を重視したまちづくりを考えていきたい」と話している。

 田村氏は1974年から七飯町職員として勤務し、社会福祉協議会事務局長、企画財政課長などを経て、2012年に定年退職した。

 出馬理由として「定年後、約1年半の間に現町長の職務に対する問責が決議されるなど、町にとって残念な事態が続いた。町政には透明性が感じられず、さまざまな環境を早急に改修しなければならないと感じた」と語る。

 8月から町議らへのあいさつ回りを始め、9月には政策をアピールするパンフレットを完成させた。役場と議会の連携の強化、新幹線、空路、高速道路の3路を生かした歴史、文化、特産物の発進など6点を挙げている。

 今後については「保守系無所属だが、幅広い推薦や支持を受けたい。町民との広範囲にわたる懇談を通じて理解を求めていきたい」と語っている。

 また、現在2期目となる中宮安一町長(59)も3選を目指して出馬する可能性が高く、選挙戦となる公算が大きい。(柏渕祐二)


◎函館水試 全面移転へ…市水産・海洋センター内に

 来年6月にオープンする函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町20)研究室の入居者募集に、道総研函館水試(湯川町、杉若圭一場長)が申し込んだことが5日、分かった。現施設の老朽化と、他機関・研究者との連携が容易になると判断。今月末に入居が決まる見込みで、研究拠点の全面移転となる。

 市が8月に公募、同23日に申請した。審査委員会を経て決定後、同センターを運営する指定管理者(未定)と契約を結ぶ運び。同水試はオープンと同時に業務を開始したい意向だ。

 1965年建築の現施設は老朽化が著しいが、道総研の財政事情から建て替えることは困難とされていた。センターへの入居が実現すれば、道内7カ所の水産試験場(本場)で自前施設以外に入居する初のケースとなる。

 貸し出す研究室は31部屋。函館水試によると、総務、調査研究の各部、場長室などの執務に使用予定。研究室や会議室、書庫などは共用する。職員14人と船員15人(非常駐)のほか、現在西埠頭(ふとう)に係留している試験調査船「金星丸」もセンター岸壁に移す。

 杉若場長は「他機関との連携により、私たちの研究がしやすくなる。また、国際水産・海洋都市構想の実現に向けて産業、学術分野で貢献したい」と話す。現施設の跡地利用については今後、道総研、道とも協議しながら検討する方針。(山崎大和)