2014年10月16日 (木) 掲載

◎函館どつくで新造船進水式

 函館どつく(函館市弁天町)で15日、本年度4隻目の新造船「グローバル・ヒーロー」の進水式が行われた。晴天の下、約500人の見学客が訪れ、船の雄姿を見守った。

 新造船はパナマの海運会社「エンジェル・シップホールディング・エス・エイ」が発注した全長180b、幅30bの木材兼ばら積貨物船。燃費性能を向上させたエコシップで、同社の親会社にあたる名村造船所(大阪)と共同で、8月18日から同船の建造を進めてきた。函館どつくでエコシップを手掛けるのは2隻目。完成・引き渡しは12月上旬を予定している。

 式典では進水作業が完了し、記念のくす玉が割られると観客のムードは最高潮に。巨大な船体がゆっくりと海に向かって進み出すと、拍手と歓声が沸き起こった。

 函館青柳小6年の赤石和瞳君(11)は社会科見学で訪れ、「想像よりも大きな船が意外とスムーズに進んでいったのでびっくりした」と興奮した様子。また、函館市新川町の中央保育園の年長児24人も会場に駆け付け、田村優衣ちゃん(5)は「大きい船が進むところを見ることができて楽しかった」と笑顔で話していた。

 同社は「エコシップの建造を、引き続き名村造船所と共同で進めていきたい」としている。(山田大輔)



◎香雪園、幻想的に/試験点灯

 函館市の香雪園(見晴公園)で18日から、毎年恒例の「はこだてMOMI―G(もみじ)フェスタ」(函館市、市住宅都市施設公社主催)が開かれる。15日には試験点灯が行われ、昨年と同じ31基の照明が人気散策路「カエデ並木」などを幻想的に照らした。

 フェスは11月9日まで。期間中は水、木曜日を除いて、毎日午後5時から無料のミニライブを実施。また、同公園内の緑のセンターでは、3年ぶりとなる「つるしびな展」をはじめ、水彩画展や木工細工&木版千社札展を開催。土、日曜日午前9時〜午後3時は、イラスト入り樹名板づくり」、手のひらサイズの「ミニ凧揚げ」といった各種体験会を行う。このほか、11月1、2両日の午前11時〜午後3時は、有料の抹茶席も設ける。

 秋の紅葉に紅葉が映えるライトアップは、期間中の午後4時から9時まで実施。15日は市や同公社、電気設備業者ら約15人が照明の角度などを丁寧に調整していた。同公社の三嶋由紀子さんは「この秋しか見られない、紅葉のチャンスをぜひ楽しんで」と話している。

 現在、園内の木々はまだ青みがかっている。紅葉のピークなどの問い合わせは同公園緑のセンター(電話0138・57・6210)、フェスに関しては同公社花と緑の課(電話0138・40・3605)まで。(斎藤彩伽)



◎五稜郭築造150年祭、ボランティアが支える

 五稜郭築造150年祭の中の催し「幕末見廻隊」と「箱館抜刀隊」が18、19日で終了する。4月のイベント開幕から五稜郭公園内で繰り広げた函館流のおもてなしで、観光客に大好評だった。半年間続いた催しを支えたのは延べ1000人を超す市民ボランティア。参加者は「観光客の笑顔を見ることができてよかった」と口をそろえる。

 記念イベントの目玉企画で、同公園を訪れる観光客を楽しませようと、4月26日のイベント開幕日から実施。抜刀隊は箱館戦争の激闘の様子を再現するパフォーマンスで、箱館五稜郭祭で殺陣を担当する箱館稜雲社と函館野外劇の殺陣チームのメンバーが演じた。

 幕末見廻隊は、ボランティアスタッフがペリーや榎本武揚ら幕末の人物に扮し、観光客と一緒に記念撮影するもの。観光客のカメラを受け取り、撮影するのもボランティアが担当。土日祝日が開催日で、これまでに50回以上行った。

 記念撮影を待つ観光客の列は途切れることなく、中でも外国人観光客が大喜びだったという。苫小牧市の主婦、立野祐衣子さん(28)は「五稜郭の雰囲気にぴったりのサービスで旅行のいい思い出になった」と満足そうに話した。

 スタッフは青年会議所や商工会議所青年部、道南建設二世会などの青年団体、観光団体に協力を求めたほか、一般市民からも募り、1回あたり15人、多い時で20人ほどが参加した。市内の会社員、神佳緒里さん(31)は5月から加わり「観光客との会話を盛り上げようと頑張った。喜ぶ顔を見ると満足感を感じる」。市職員の平浩之さん(33)は「やりがいがあり、良い経験になった」と語る。

 実行委は2016年3月の北海道新幹線開業に向けて催しを継続するための方策を探っている。中野晋事務局長は「ボランティアだけでの継続は困難。観光客に好評なだけに行政のサポートなどを得てなんとか継続したい」と話している。

 見廻隊は両日とも午前10時〜午後3時。抜刀隊は19日午前11時からと午後2時からの2回行う。(松宮一郎)


◎「日本丸」函館に寄港

 独立行政法人航海訓練所(横浜市)の練習船「日本丸」(2570d、寺島慎船長)が15日、函館港西埠頭(ふとう)に寄港した。全国各地の商船系高等専門学校の学生115人ら計169人が航海実習中で、函館出身者も乗船。補給と休息のため、19日まで停泊する。

 日本丸の函館寄港は昨年8月以来、通算10回目。全長110b、全幅13・8bで4本のマストのうち、メーンマストは甲板から43・5bの高さで、合計36枚の帆(セイル)を広げることができる。

 1日に東京を出港し、これまで青森陸奥湾や室蘭を回った。台風を回避した影響で函館入りが予定から1日遅れた。この後は12月14日の横浜寄港を経て、ハワイ・ホノルルまで航海、来年2月9日に東京に戻る予定。

 実習生には、函館出身の野土峻希さん(20)が乗船している。航海科の野土さんは「帆船に乗る機会はこの5カ月間のみなので、船の知識を学びながら貴重な経験として大事にしていきたい」と話した。また、北海道航路の内航タンカー会社に就職する機関科の安西喬さん(20)=山口県出身=も「同じ科の生徒は16人と少ないが、自分たちの力だけで動かせるようになりたい」と意気込む。

 出港は19日午前9時の予定。一般公開やセイルドリルなどのイベントはない。(蝦名達也)