2014年10月18日 (土) 掲載

◎大妻高が絶品うまいもん甲子園決勝大会に出場

 函館大妻高校(池田延己校長)の生徒が、31日〜11月2日にかけて東京で開かれる、「ご当地!絶品うまいもん甲子園」(全国食の甲子園協会主催)の決勝大会に出場する。17日には、シェフが調理研修を行う「ダイナミックチャレンジ」が同校で開かれ、生徒たちはシェフのアドバイスを受け、大会に向けて意気込みを新たにした。

 「ご当地—」は、高校生が地元の食材を生かして考案したアイデアメニューを、プレゼンや調理を通して紹介し、ご当地ならではのメニューか、高校生らしさがあるか、などを総合的に審査し優秀校を決める。決勝大会には全国から地方予選を勝ち抜いた14校が出場し、自慢のメニューを披露する。

 大妻高では、食物健康科3年の加我のぞみさん(18)、伊藤麗奈さん(18)、中谷優莉亜さん(18)が、北海道新幹線開業を見据え、木古内産のはこだて和牛を中心とした沿線地域の多彩な食材を使った「ビビンバDO〜NAN!?」を考案。食材の生産現場に足を運び、生産者とのかかわりを大切にしながら作り上げた料理だ。

 ダイナミックチャレンジでは、JRタワーホテル日航札幌の中国料理の有城伸一シェフ(47)が指導にあたった。有城シェフはビビンバについて「完成度は非常に高い」と絶賛。さらに魅力的な料理にするため、野菜の切り方や下ごしらえの方法、盛り付けの工夫などをアドバイスした。

 伊藤さんは「今日教えていただいたことをしっかり生かし、生産者の人たちの思いに応えられるよう努力したい」、中谷さんも「私たちにとって最後の大会なので、優勝を目指すのはもちろん、楽しんできたい」と意気込み十分。リーダーを務める加我さんは「盛り付けで料理の印象が大きく変わることを実感。道南の良さを広くアピールできるよう、頑張ってきたい」と話していた。(虎谷綾子)



◎「森の名手・名人」に澤村さん

 国土緑化推進機構(東京)が主催する本年度の「森の名手・名人」に、函館市の澤村敏雄さん(85)が渡島管内から唯一選ばれた。澤村さんは「『我流中の我流』を貫いてきた。私でいいのかという気持ちが強い」と謙虚に受賞を喜んでいる。

 林野庁や各都道府県の緑化推進委員会(北海道は「北海道森と緑の会」)から推薦された人を対象に、森の名手・名人全国選定委員会で選定しており、今回で13回目。

 「森の恵み」や「森の伝承・文化」など4部門があり、澤村さんは森づくり部門で受賞した。全国で64人、道内では4人が選出されている。

 澤村さんは旧大野町(現北斗市)出身。1954年から造材・造林業に携わり、山丁林業(函館市金堀町8)社長として森林経営を行っている。製材工場で発生した端材を希望者や小学校へ無償で提供するなど、地域との関わりも深く、2010年度には林野庁長官賞を受賞している。

 澤村さんは「幼い頃から山のそばで育ち、今でも1週間山に入らないと、そわそわするほど山が好き」と笑う。多年にわたる経験に基づき、独自の森林管理をしており、「手入れ次第で木の生長が変わる。過剰な間伐は逆効果で、間伐が遅れ気味のほうが年輪が締まっていい木に育つ」と強調する。

 17日には、渡島総合振興局で認定証の伝達式が行われ、宮内孝局長が澤村さんに「引き続き連携していい森づくりをしていきましょう」と激励した。(稲船優香)



◎産業用・医療用機器メーカー「アサヒ」が函館に拠点

 産業用・医療用機器の開発・製造を手がける東京都江東区の「アサヒ」(宮野学社長)は20日から、函館市産業支援センター(桔梗町379)内のインキュベータールームに入居する。函館で新たな機器の開発・製造に向けた研究などを行い、将来的には工場を開設し、市内に生産拠点を設ける構想を持つ。市は企業誘致事業の成果として、地域企業との連携が深まることを期待している。

 同社はプリント基板や板金・製缶品、ケーブル、ハーネスなどの設計、製造を手がけ、千葉県内にも拠点を持つほか、中国・上海に商社機能、タイ国内にも工場を持つ。

 2011年7月に日本政策金融公庫東京支店の取引先企業の研修で函館を訪れ、同年から半導体製造装置メーカー「メデック」(鈴蘭丘町、漆嵜照政社長)との取り引きが始まった。今年、メデックからの受注拡大の話が持ち上がり、宮野社長が9月中旬に函館への拠点開設を決断。同センター内への入居契約を市と結んだ。

 アサヒ役員で北海道事業部事業部長の石本丈尚さん(44)は「函館市の支援やメデックとの業務取り引きが当社のアクセルを踏んでくれた。社長も私も、温厚でありながら魂が入っている函館の人たちにほれ込んでいる」と話す。

 インキュベータールームの使用期間は17年10月まで。今年12月をめどにセンター内での開発や製造業務を本格稼働させ、道内や東北の企業との取り引き拡大も目指す。市工業振興課は「企業誘致に向けた取り組みの成果。函館の拠点を大きくしていってもらえたらうれしい」としている。(今井正一)


◎9月の函館空港 国内線の不振続く

 函館空港事務所がまとめた9月の乗降客数は、前年同月比0・5%減の17万9305人となった。微減ではあったが、国内線の不振が続いており、4カ月連続の前年割れとなった。航空会社からは「好調だった昨年の反動もあり、厳しい需要環境が続いている」といった声が聞かれた。

 国内線は同0・8%減の16万7421人。主力の羽田線は同1・5%減の12万6232人だった。全日空函館支店は「現在は道内全体が不調。東京からは大阪、九州、沖縄方面が好調で、話題のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などに目が向いている」と旅行客の動向を分析。「この傾向はしばらく続くのでは」と厳しい見方をしている。

 一方、日本航空は機材の大型化が奏功して増加。「厳しい需要環境、マイナス要素がある中で東京からのグループ、個人客を取り込むことができた」(函館支店)とする。

 関西線は同2・0%減の1万1876人。伊丹線は同8・9%増の2730人。中部線は同2・7%増の1万1811人だった。道内路線は、丘珠線が同7・3%増の7821人となった。

 国内線が伸び悩む中、国際線は台湾・台北線の定期便が好調で、同2・7%増の1万1884人。北海道人気は続いており、冬場も函館観光に寄与しそうだ。(松宮一郎)