2014年10月19日 (日) 掲載

◎函館山登山バス、北大留学生が3カ国語で案内/外国人旅行客に好評

 函館バス(森健二社長)が函館山登山バス内で5月から実施している日本語・英語・中国語の3カ国語の案内サービスが好評だ。約3カ月間の研修を積んだ北大水産学部の中国からの留学生らが奮闘し、年々増加する外国人旅行客に対応している。同社は「外国人のお客様に対するおもてなしの質を向上できれば」としている。

 同社では、2012年から同学部の留学生を採用して、バス乗り場付近で外国人客への案内を行ってきた。ただ、登山バスの車内では見どころなどの説明が日本語のみで、外国人利用者への対応が完全ではなかったため、留学生を車掌として乗車させることができないか検討を重ねてきた。

 3月から登山バスで10年以上車掌を務めるベテランのスタッフが、留学生相手に研修を実施。どのタイミングでどんな案内をすればよいのか、バスに乗車して教え込んだという。

 現在は中国人などの留学生6人が、シフト制で登山バスの車掌を務めている。サービス導入時から業務に携わっている王姮さん(29)は「研修は大変だったが、仕事は楽しい。いろんなお客様と触れ合えるし、学生としてもいい経験になる」と充実感あふれる表情で話していた。

 実際に利用した外国人が2日続けて乗車するなど案内は好評だ。バス停付近には、バスの運行時刻のほか市電の乗り場などを尋ねる多くの外国人旅行客が訪れ、その対応にも当たる。業務に携わる張勲さん(26)は「自分が役に立つことができて嬉しい」と話していた。

 登山バスに乗車する外国人は中国や台湾、タイからの旅行客がほとんどで、多い時で車内の半数以上を占めることもあるという。同社バス事業部の内沢博昭次長は「外国人のお客様に対してよりよい接遇ができるように環境整備を進めていきたい」としている。(山田大輔)



◎赤松街道が冬支度、七飯でこも巻き体験

 【七飯】七飯町町内会連合会やNPO法人函館エコロジークラブなどで構成する「赤松街道を愛する会」(寺沢久光会長)は18日、七飯町鳴川地区の国道5号で、アカマツ70本に害虫を駆除するためのこもを巻く体験会を開いた。

 松にとっての害虫マツクイムシが温かいところに集まる習性を利用した駆除方法。こもに害虫を誘い込み、春先にこもごと焼却する。

 体験会は今回で10回目で、七飯町内外から約50人が参加した。樹木医の斉藤晶さんがアカマツの生態を説明した後、会の担当者がこもの巻き方と「男結び」と呼ばれるひもの結び方をレクチャーした。続いて参加者は3、4人がかりでこもを巻いてひもで固定。会のメンバーの助言を聞きながら、丁寧に作業していた。

 函館市から初めて参加した長内睦実さん(24)は「国道を車で通るたび、アカマツが生み出す景色に感動していた。じかに触れられる貴重な機会を楽しみました」と話していた。

 来年3月には、こも外し体験会を予定している。(稲船優香)



◎「最古」のピアノが聴衆魅了、大妻高で演奏会

 函館大妻高校(池田延己校長)で18日、新校舎落成記念「大妻メモリアルピアノコンサート〜ピアノトリオの調べ」が開かれた。約80人の聴衆が美しいトリオの調べを堪能した。

 同校が所有する、日本最古とされる国産ピアノ「西川ピアノ」を使った演奏会で、今年で6回目。初回からピアノ奏者を務める高実希子さんをはじめ、札幌交響楽団のバイオリニスト石原ゆかりさん、副首席チェロ奏者猿渡輔さんが多彩な演奏を繰り広げた。

 優しげな旋律が特徴的なブラガの「天使のセレナーデ」で開幕。ピアノソロによるパッヘルベルの「カノン」では、西川ピアノの味わいある音色が会場を満たし、来場者は大きな拍手を送った。

 このほか、サン・サーンスの「白鳥」や、童謡「とおりゃんせ」などを、楽器や曲の解説を挟みながら披露した。昨年に続き足を運んだという上湯川町の主婦(51)は「柔らかいピアノの音色も素敵だったし、選曲も素晴らしかった。来年も聴きに来たい」と話していた。(虎谷綾子)


◎戸倉中吹奏楽部、全国に向け練習に

 函館戸倉中学校吹奏楽部(本間珠里部長、部員50人)は、25日に名古屋市で開かれる「第62回全日本吹奏楽コンクール」に向け、最後の練習に力を入れている。初めての出場に、生徒たちの意欲は高まるばかりだ。

 同部は9月初旬に札幌市で開かれた、第59回北海道吹奏楽コンクールの中学A編成の部で金賞を受賞し、全日本の代表に選ばれた。コンクールでは、楽器のセッティングにずれが生じるなどのアクシデントもあり、本間部長(15)は「選ばれると思わなかった分、驚いたがとてもうれしかった」と話す。

 全国で披露するのは、プッチーニの「歌劇『蝶々夫人』より」で、顧問の杉山裕規教諭(47)は「今のメンバーなら良い演奏を披露してくれると思った曲を選んだ」と話す。生徒たちは、熱意あふれる指導のもと、毎日の部活動だけでなく、早朝練習や部活動後の自主練習に意欲的に励み、演奏の質を向上させている最中だ。

 道を代表して初めて出場することもあり、同校のPTAと同部の父母の会が「支援の会」(松見陽介会長)を立ち上げ、遠征を応援。松見会長(46)は「全国の舞台で心置きなく演奏できるよう手伝いたい。持てる力を全部出し切ってきてほしい」とエールを送る。同校の木村雅彦校長(53)も「生徒たちには楽しみ、納得できる演奏をしてきてもらいたい」と期待する。

 杉山教諭は「まだまだ改善できる部分はあるので、精いっぱい手を抜かずに練習していきたい」と話し、本間部長は「曲の完成度を上げ、応援してくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れず、全力で演奏してきたい」と意気込んでいる。(虎谷綾子)