2014年10月29日 (水) 掲載

◎エゾシカ肉身近に、専門学校で解体講座

 エゾシカ肉の消費拡大を目指す動きが、函館でも活発になってきた。道が設定した「シカの日」(毎月第4火曜)の28日、シカ枝肉解体の特別講座が函館短大付設調理製菓専門学校(野又淳司校長)で行われ、生肉の販売もコープさっぽろの1店舗で始まった。

 同校でのシカ肉解体は今年で3回目。調理師科の学生22人が参加した。枝肉は函館のわな師渋田喜徳さん(67)が、小安町で22日に捕獲した3歳の雄半身。渋田さんは「肉は熟成させてうま味を引きだすのがポイント」と説明した。

 朝妻商店(千代台町)の朝妻豊史専務(63)が専用の包丁を使い、ヒレやロース、バラなど部位ごとに手際よく切り分け、学生たちは見事な包丁さばきに目を奪われた。改行 その後、6班に分かれて肉をレアで焼き、フランス古典料理「ノワゼットのソテー・デュゼス風」を作って試食。小野晴香さん(18)は「シカ肉は食べるのも、解体を見るのも初めてなので、いい経験になった」と話した。

 コープさっぽろかじ店(鍛治2)では、ロースやモモなど各部位のほか、缶詰やジャーキーなど加工品も扱う。市内の大手スーパーでシカ肉を常設販売するのは初めて。改行 昨年10月から道内6店で販売を始め、同日から函館、苫小牧、帯広の3店に拡大、11月下旬から室蘭も加え計10店に。同コープは「既存店での売り上げは順調に推移しており、今後さらに取扱店の拡大も検討したい」としている。(山崎大和)



◎2日に「まち弁・オータムフェスタ」

 函函館市西部地区の十字街商盛会(松田俊司理事長、会員111社)が各店をPRするイベント「まち弁・オータムフェスタ~十字街の冬支度~」が2日午前11時半から、市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で開かれる。加盟店自慢の弁当やスイーツのほか、野菜や鮮魚を販売。大鍋振る舞いも行う。

 3回目を迎え、今回は弁当は15店、スイーツは4店が出店。生鮮食料品は準備でき次第、販売開始する。いずれも数量限定。午後0時半からは、キッチンnosukeya(のすけや)特製の大鍋を振る舞う(ホッケのすり身、一人1杯)。

 実行委は「これまではまちに根付いた弁当、菓子をPRしてきたが、今回は北海道新幹線開業も盛り上げたい。冬支度のテーマに沿った商品を楽しんで」と呼び掛けている。

 会場は駐車場が少ないため、公共交通機関での来場を呼び掛けている。問い合わせは電話0138・22・1538(同商盛会)。(山崎純一)



◎天津航空 函館乗り入れへ

 中国の天津航空は28日、11月4日から天津市と函館を結ぶチャーター便を週2往復運航すると発表した。2日からは新千歳にも乗り入れ、中国本土から本道への送客に力を入れる考えだ。2012年には沖縄県の尖閣諸島をめぐり日中関係が悪化したことで来函する中国人観光客は減少。ただ最近は回復傾向にあり、チャーター便就航を機に一層の増加が期待できそうだ。

 天津市は函館の友好交流都市。同社は今年5月に静岡(週5往復)、6月に沖縄那覇(週2往復)にチャーター便の運航を開始し、日本国内路線の開拓を強化している。函館を含む道内2路線就航もその一環で、機材は180人乗りを使用。所要時間は3〜4時間程度という。

 同社によると、すでに運航している静岡と那覇便は搭乗率がいずれも90%前後で推移し、好調を維持しており、道内便に関しても「北海道人気は根強く、特に冬場が魅力的で、需要が見込める」とする。

 函館と新千歳は週2往復する計画で、函館が火、木曜で、新千歳が金、日曜。新千歳から道内に入った場合、帰国は函館を使用するといった具合に、両空港を組み合わせた旅行商品が主体になるとみられる。同社が発表したのは来年3月26日までの冬期ダイヤだが、春以降も運航を継続する考えだ。

 中国本土から函館へのチャーター便乗り入れは10年まで運航していた南方航空(杭州線)以来4年ぶり。翌年には香港エクスプレス航空が運航したが、それ以来途切れていた。市港湾空港振興課は「観光客増加が期待できる」と歓迎。「チャーター便を成功させてもらい、定期便就航に結びつけてほしい」としている。(松宮一郎)


◎函館山ロープウェイ、新ゴンドラ7日デビュー

 大幅なリニューアル計画を進めている函館山ロープウェイ(本間秀行社長)は28日、新しいゴンドラ2基を11月7日から運行すると発表した。山麓、山頂駅の改修は来年11月の完成を目指しており、2016年3月の北海道新幹線開業をにらんだ準備を本格化させている。同社は「開業の年は160万人の利用が目標」としている。

 改修を含めた総事業費は16億5000万円。新ゴンドラの導入は17年ぶりで、老朽化とともに新幹線開業を控えて更新する。定員は125人のまま。これまではオーストリア製だったが、大阪車輌工業(大阪市)製に変えた。

 新ゴンドラはシルバーメタリックのボディーで、函館山の自然が映り込むようにしたことが特徴。窓も従来より大きくした。29日から掛け替え作業や試験運転を行い、7日午前10時から通常運行する。当日は新幹線沿線の自治体と函館市のキャラクターを迎えてセレモニーを開く予定。

 また、山麓駅は125人の定員を収容できるように大幅に増築するほか、山頂駅も一部改修。バリアフリー化を徹底し、トイレも増設する計画だ。

 ロープウェイの利用客数は、この10年で04年の155万9000人が最多。東日本大震災があった11年には110万5000人に落ち込んだが、徐々に回復し、13年は152万4000人だった。桜井健治専務は「リニューアルは新幹線開業で増加する観光客の受け皿づくりで、利用客数を160万人台にしたい」と抱負を語った。(松宮一郎)