2014年10月4日 (土) 掲載

◎JA新はこだて、ラッピングバスでコメ消費拡大PR

 JA新はこだて(畠山良一組合長)が考案した地元産米の消費拡大をPRするラッピングバス1台が3日、函館市内で運行を始めた。同JA初の試みで、函館・道南でコメ消費を伸ばすことを目指す。

 コメ消費拡大対策の一環で、函館バス(森健二社長)と協力し、製作費はJAが負担。車体には「道南生まれのブランド米 ふっくりんこ 風の子もち米 きたくりん 地元を食べよう!」の文字のほか、各コメのキャラクターデザインも施されている。

 3日、北斗市の同JA本店駐車場でお披露目会があり、畠山組合長が「今年は豊作の見通しとなり、コメ余りが懸念される中、このバスは意義がある。市内を走り回ってしっかり効果を発揮してほしい」と期待を込めた。安全を祈願し、運転手にJA職員が花束を手渡した。多くの役職員が手を振ってバスの出発を見送った。

 同JA米穀課の三浦治課長は「JAは地域貢献活動も展開しており、お年寄りでも乗車しやすい低床バスにした。コメはもちろん、JA自体の認知度が高まれば」と話した。(山崎大和)



◎市立函館病院高等看護学院で戴帽式

 市立函館病院高等看護学院(坂田三允学院長)の第64回生戴帽式が7日、港町1の同学院体育館で開かれた。今春入学し、半年間の基礎教育を終えた1年生70人(男子6人、女子64人)が看護の道を歩む決意を新たにした。

 戴帽式は4月からの基礎的な授業や実習を終えた1年生が、医療現場での臨床実習に入る前に看護従事者としての意識を高めるための儀式。

 ろうそくの明かりがほのかに灯る厳かな雰囲気の中、在校生や保護者らに見守られながら女子はナースキャップを頭に付けてもらい、男子はエンブレムを受け取った。戴帽生はりりしい表情を見せ、責任の重さを自覚していた。

 坂田学院長は式辞で「広い視野を持ち、一人一人の患者の尊厳を守ってケアに努め、健康福祉に貢献できる力をつけてほしい」と激励。戴帽生代表の高橋咲弥加さん(19)は「感謝の気持ちを忘れず、思いやりの心を持てる看護師になることを誓います」と宣誓した。戴帽生は14日から、市立函館病院で臨床実習に入る。 (千葉卓陽)



◎西堀病院開設50周年「地域に根差した医療を」

 社会医療法人仁生会西堀病院(小芝章剛理事長)が今年、函館市中道に開設してから50周年を迎える。内科や外科、整形外科などを備え、12月に祝賀会を行う予定。同会の戸沢求馬会長(75)は「これまで作り上げてきた高齢者をベースにした医療サービスを行い、地域に根差した病院を目指していきたい」と力を込める。

 1952(昭和27)年に故西堀東治さんが若松町に西堀外科を開院。64(同39)年、中道に西堀病院を開設して50年となる。病床の再編成やリハビリ病棟の増築などを経て、現在は一般病棟48床、障害者施設等一般病棟60床、回復期リハビリテーション病棟60床で編成。病院と在宅を一体化した医療と介護を提供し、高齢者をメーンに医療サービスを行っている。

 2007年ごろから奥尻町の青苗診療所に医師を定期的に派遣し、へき地医療を展開。へき地医療への貢献が認められ、14年に社会医療法人となった。

 病床は多い時期で186床あり、療養病床や障害者病棟などを作った時期も。「時代にマッチしたシステムを作ってきた。昔から高齢者の利用が多く、西堀は高齢者の病院と評価されてきた。さまざまな再編を経て今の医療システムになった」と戸沢会長。

 開院50周年を迎え、戸沢会長は「高齢化が進む中、市内全体の医療機関と連携し、役割分担しながら地域全体で市民の医療、健康をサポートしていきたい」と話している。(平尾美陽子)


◎函館市区定数6から5に、来春の道議選 激戦必至

 

 道議会は3日、来春の道議選から定数を「3増6減」とし101議席とする条例改正案を原案通り可決し、函館市区の定数は6から5に削減されることが決まった。市区では前回、前々回と自公と民主で3議席ずつ分け合っているが、定数削減によって構図が塗り替わる可能性があり、一層の激戦が予想される。

 函館市区には自民党現職の川尻秀之氏(69)と佐々木俊雄氏(64)、公明党現職の志賀谷隆氏(60)、民主党現職の平出陽子氏(65)と高橋亨氏(61)、同党新人の見付宗弥氏(45)=函館市議=、共産党新人の本間勝美氏(45)=同=の7人が立候補を予定している。

 2011年の前回選挙は定数6に9人が立候補。上位当選の川尻氏、佐々木氏、志賀谷氏は約1万7800〜1万8900票を獲得。民主党の斉藤博氏、平出氏、高橋氏は1万4800票前後とほぼ均等となり、残る3議席に滑り込んだ。  9月2日現在の市内有権者数は23万1548人で、前回の投票率54・58%を当てはめると、総数は12万6378票。候補者数や投票率にもよるが、定数5の場合の当落ボーダーラインは前回より上昇することが予想され、激戦は必至だ。

 各党の中でも、定数削減への対応が難しくなったのは民主党。党道8区総支部は現有3議席維持を目標に掲げ、斉藤氏の引退表明に伴う3人目の候補として、6月に見付氏擁立を決めた。前回の統一地方選では当時の民主党政権への逆風から厳しい選挙戦を余儀なくされ、12年12月の衆院選大敗、昨年7月の参院選でも党勢回復には至らなかった。

 道8区総支部の道畑克雄幹事長は「世論調査の結果を見ても党に対する厳しさは変わっていない。定数削減への対応や考え方はこれから協議する」と、現段階では方針は定まっていない。逢坂誠二代表も「すべてはこれから」と述べるにとどめた。

 自民党は今春、党道連本部から各支部に対して過半数獲得の指示が飛び、道8区支部関係者や支持者間で「第3の候補」を擁立すべきという積極論も上がった。しかし、定数削減論議の浮上で保守層の票割れへの懸念もあり、現職2氏を固める方策に落ち着いた。前田一男8区支部長は「友党・公明党の候補と合わせ、現職2人の上位当選を目指し、準備を進めていく」と強調する。

 公明党は現職の志賀谷氏の2期目当選に全力を傾ける構え。党函館総支部の茂木修支部長は「特に厳しい戦い。志賀谷氏の4年間の取り組みや政策を取りまとめ、有権者に納得して支援してもらえるよう取り組んでいく」とし、当面は支援者回りを進める方針。

 共産党の本間氏は連日街頭演説を行い、支持拡大を進めている。党函館地区委員会の三国武治副委員長は今回の削減に不満を示した上で「函館選出の議員は、大間原発に対して明確な態度を取っていない。市民の命と暮らしを守るため、全力を挙げて勝ち抜いていく」と語気を強める。 (今井正一、松宮一郎、千葉卓陽)