2014年10月5日 (日) 掲載

◎消費税免税拡大 対応急ぐ…市内百貨店

 外国人観光客向けの消費税の免税制度が1日から大幅に拡大されたことを受け、函館市内の大型小売店でも対応を急いでいる。カウンターの設置や拡大、免税適用商品の売り場拡張など、あの手この手で外国人の需要の取り込みを図っている。免税カウンターには中国人などの買い物客が早速手続きに訪れ、各店ともに外国人の積極的な消費に期待を寄せている。

 外国人旅行者などが商品を購入する際に消費税が免税となるのは、これまで合計金額で1万円を超える電化製品や衣類などに限定していたが、1日から対象商品を拡大。食料品や酒、化粧品などの消耗品を5000円超買う場合にも適用できるようにした。

 棒二森屋(若松町)では、本館7階に設置していた免税対応コーナーを、本館全フロアとアネックス館地階、2階の10カ所に拡大。また、酒類の需要を見込み、本館地下1階の売り場を改装し、道内産のワインや日本酒の品ぞろえを強化した。

 今後は、翻訳タブレットの導入やインターネットの公衆無線LAN「Wi—Fi(ワイファイ)」の環境整備を進めていく。

 同店によると、台湾との定期便が就航した効果で、昨年は免税対象商品の売り上げが倍増したという。「今年上半期の売り上げも前年比70%増。免税拡大で最終的には倍増を見込んでいる」と期待を膨らませている。

 丸井今井函館店(本町)では、免税カウンターを1日から設置。1、2日で4組の外国人客が手続きに訪れた。台湾人5人組の客は和食器や肌着、靴など3万5000円分の商品を購入。中国人2人は化粧品など1万円分の買い物をしたという。

 テーオーデパート(梁川町)は、勉強会などを行い、来年1月までに免税対応のコーナーを配置する。

 函館市の昨年度の外国人宿泊数は、10万9696人と過去最高を記録した。市観光振興課は「各店での取り組みを歓迎するとともに、外国人客の旺盛な購買意欲が売り上げの拡大につながることを期待したい」と話した。(山田大輔)



◎函館いか祭りにぎわう…大門で初企画

 函館の新鮮なイカが味わえる「函館いか祭り」(実行委主催)が4日、大門グリーンプラザで始まった。会場はイカの丸焼きや焼きそばなどの香ばしい匂いが漂い、買い求める客でにぎわった。5日まで。

 実行委は函館特産食品工業協同組合やはこだてティーエムオーなどで構成し、「イカのイベントで函館の魅力をアピールしよう」と初めて企画。実行委の中村陸之副委員長は「イカのおいしさを楽しんでもらいたい」と話す。

 イカの供養祭の後、朝イカの格安販売が行われ、購入した市内在住の主婦、竹本菊代さん(65)は「こんなに安く買えるとは思わなかった。刺し身や煮物にして食べたい」と笑顔。また、椴法華地区の女性たちが手作りしたイカのゴロ煮が無料で振る舞われ、開始前から長蛇の列ができていた。

 5日は午前10時から、朝イカ(10匹入り)を格安価格で販売するほか、イカのゴロ煮を300食限定で振る舞う。

 午前10時〜午後4時。問い合わせははこだてティーエムオー(TEL0138・24・0033)へ。(平尾美陽子)



◎浴場活性化事業補助金 見直しを…函館市外部事業評価 組合負担少なく

 函館市の事業を有識者らが審議する外部事業評価が4日、市役所で開かれた。函館高専准教授の奥平理委員長ら市財政再建推進会議の委員が評価委員を務めている。8月に続く開催で4、5の両日で12事業を取り上げる。初日は5事業を対象に担当部局からの説明を受け、内部評価に対し、各委員が事業の方向性について提言した。

 このうち、函館浴場協同組合に対する「公衆浴場活性化事業補助金」(本年度予算額300万円、人件費相当額72万円)は1996年度からの補助事業で、子ども無料入浴デー、銭湯スタンプラリー事業などの事業費を市が補助している。市立函館保健所生活衛生課は近年、廃業が相次ぐ公衆浴場の維持、経営安定化のために支援が必要と説明。内部評価では組合と協議を進めて事業見直しを含めた改善を進めるとした。

 昨年度の補助金実績報告書では、各イベント経費として補助金320万円と組合内の予算20万円の計340万円で運営。組合の自己負担割合が少なく、全加盟浴場がイベントに参加していないことなどが問題視され、「利用促進は事業者の営業活動であり、補助金を充てるのは疑問」などの意見があり、「廃止を含む改善」の評価となった。

 また、在宅ねたきり高齢者等家族介護用品給付事業費(1622万円、人件費相当額94万円)は、要介護4、5の高齢者を在宅介護している市民税世帯非課税者におむつなど介護用品購入経費として月額6250円分の利用券を発行。昨年度は2210人の利用があった。

 市介護保険課は市内の高齢者人口のピークは2019年で、28年ごろまで要介護認定者が増加すると予測。低所得者への経済負担軽減策として一定の成果を挙げていると説明した。委員からは、要介護1〜3の人を含め、給付要件緩和を求める意見や将来的に利用増加が見込まれるため、予算上限をあらかじめ算出するよう求めた。(今井正一)


◎七飯で秋の味覚市始まる

 【七飯】駒ケ岳を囲む七飯町と森町、鹿部町が協力し、それぞれの特産品を売る「秋の味覚市」が4日、七飯町大沼の大沼公園広場で始まり、観光客らが3町の旬のメニューや特産品の買い物を楽しんだ。5日まで。

 3町でつくる環駒ケ岳広域観光協議会の主催で、秋の大沼の観光を盛り上げようと2009年から毎年開催している。

 会場には各町の専用ブースやテントが並び、森町はご飯を柔らかく詰めたイカ飯「いかまんま」を、七飯町はパンプキンスープを、鹿部町は炭火で焼いたホタテを300円で提供した。

 このほか、各町の特産品も出品。この秋収穫された七飯町産のリンゴや野菜類、鹿部町特産のタラコ、森町の銘菓「ホタテカレーパン」なども並び、客足を誘った。

 知人とともに来場した名古屋市の山田誠一さん(66)は「いかまんまがおいしかった。久々に大沼に来て、あらためていいところだと思った。また訪れたい」と話していた。

 5日も同じ会場で午前10時から午後3時まで開かれる。(鈴木 潤)