2014年10月9日 (木) 掲載

◎駅前再開発ビル着工 安全祈願祭 2016年3月開業目指す

 函館市若松町の再開発事業で、旧WAKOビル跡地の複合ビル新築工事の安全祈願祭が8日、同現場で開かれた。北海道新幹線開業を見据え、2016年3月の低層階商業施設開業、同10月のグランドオープンを目指す。関係者約70人が出席し、新しい函館の玄関口のランドマークの誕生を願った。

 再開発事業は函館市中心市街地活性化基本計画における駅前・大門地区の中核事業。地上16階、地下1階でマンションと市の公益施設、商業施設が入居する複合ビルとなる。

 祈願祭には、施主のNAアーバンデベロップメントの布村隆二社長、施工業者の西松建設の近藤晴貞社長、マンション販売を手がけるフージャースホールディングス廣岡哲也社長ら事業関係者や権利関係者、来賓として函館市の工藤寿樹市長、函館開発建設部の渋谷元部長、渡島総合振興局の宮内孝局長らが出席した。

 神事終了後、布村社長は「感謝の言葉しか思い浮かばない」と関係者に礼を述べ、「函館の活性化の起爆剤となるビルにならなくてはならない。市民や観光客の新しい交流拠点として愛され、親しまれるビルにしていく」と決意を表明。

 工藤市長は「新幹線開業を迎える準備として、駅前の寂しい状況を変えなくてはならないと政策のトップに据えた。函館の顔、駅前の顔として大門の再生につながる。感慨深く、うれしく思っている」と述べた。また、近藤社長は「関係者の熱い思いを理解した上で工事を進め、満足していただける品質の建物をお渡しする」と無事故、無災害の工事を誓った。(今井正一)



◎高丘町の私道 「市道」に整備

 函館市高丘町の約450メートルの私道について、土地所有者22人が道路を市に寄付することを9月までに承諾し、市道として整備される方向になった。私道は高丘小学校の通学路にも指定されているが、未舗装で大雨の際には穴が開くなど、地域にとって30年来の懸案となっていただけに、道路環境の整備が期待されている。

 同町会の武下秀雄会長(74)には3年前、住民から「砂利道を整備してほしい」との声が寄せられた。その後に武下会長は、20年前から道路の改善に取り組んでいた高野山真言宗慈泉院(高丘町12)の高橋秀明住職(60)と連携し、函館市へ陳情を出すとともに、土地所有者への説明を行った。陳情を受けた市も市内や道内外に住む所有者に連絡し、9月16日までに全員からの同意を得て、寄付を受け入れた。

 高橋住職は「市や多くの土地所有者の方に賛同をいただき、30年にわたるこの地域住民の願いが達成された」と感謝する。武下会長も「地域のためにという熱意で活動してきた。要望した私道の区画全てが寄付されたことは、地域にとってありがたいこと」と話している。

 道路沿いに住むに臼井里子さん(64)は「大雨のときは砂利が削られて穴が開き、家の前に流れてきた雨水がたまり、主人が土のうを積んで防いだこともあった。本当にうれしい」と話している。(能代俊貴)



◎西武建設運輸 函館初の管理型産廃処理場を設置 医療系や汚泥など処理

 運送、土木、廃棄物処理などを手掛ける西武建設運輸(岸寛樹社長)が、亀田中野町で建設を進めていた産業廃棄物の焼却炉と管理型最終処分場が完成し、8日運用を開始した。処分場は屋根がついたクローズド型。焼却炉は廃水をプラントの外に出さないシステムを採用するなど環境に配慮したことが特徴だ。医療系廃棄物などはこれまで苫小牧など遠方に運ばなければならなかったが、函館で処理できるようになり、事業者のコストが削減される。

 昨年7月に着工。先月設置許可が下りた。総事業費は16億円。函館では初の施設で、焼却炉では汚泥や廃油、廃プラスチック類、金属くず、医療系廃棄物などを道南一体から受け入れる。処理能力は1日当たり51トン。廃水は河川に放流せず、冷却水として再利用する。

 処分場は屋根が付いたクローズド型。雨水の侵入や廃棄物の飛散、臭いの拡散を防ぐ仕組み。埋め立て面積は約7200平方メートル。6つの処分場があり、埋め立て容量は約3万8300立方メートル。10年間分だが、ほかに処分場の用地も確保しているという。

 岸社長は「道南ではこれまで地域で出たごみを地域で処理する『ごみの地産地消』ができていなかった。地域で処理が可能になるので、事業者や管理者のコスト削減、負担軽減につながるはず」と話した。(松宮一郎)


◎はこだて自由市場 全店特売 買い物客で盛況

 はこだて自由市場(函館市新川町、前直幸理事長)で8日、「秋の大収穫祭」が開かれた。市場内の全店が特売を行ったほか、くじ引き大会や三平汁の無料提供などがあり、大勢の客で市場内は活気にあふれていた。

 昨年に続き2回目の開催。毎月8日の「自由市場の日」に合わせて企画した。

 三平汁を振る舞うコーナーには、多くの買い物客が行列をつくり、150食分用意した鍋は、30分ほどで空っぽになった。

 1000円以上買い物した人を対象に行われたくじ引き大会では、賞品として新巻きサケやマツタケ、サンマなど秋の味覚を用意。見事マツタケが当たった市内の主婦(76)は「今までくじで当たったことがないからびっくり。安く買い物もできたし嬉しい」と興奮した様子で話していた。

 このほか、函館の人気キャラクター「イカール星人」も登場し、場を盛り上げた。(山田大輔)