2014年11月12日 (水) 掲載

◎日本酒「赤松街道」復刻

 【七飯】七飯酒販会(泊出宏会長)は2016年の北海道新幹線開業を見据えてこのほど、かつて町内で販売され人気を博した日本酒「赤松街道」を復刻した。同会に加盟する町内の酒販売店ではすでに販売が始まっており、泊出会長(69)は「日本の道100選にも選ばれた、七飯町が誇る赤松街道をPR材料に、地酒を観光資源として売り込みたい」と話している。

 地酒「赤松街道」は当時のJAななえが町内産米の消費拡大を目的に、町の特産品として商品化を進めたもの。旭川市内の酒造メーカーが醸造し、1998年から1・8㍑の一升瓶換算で3600本を販売した。

 販売終了後も同会の中には、再び七飯町の地酒を販売したいという思いを持つ会員もいた。北海道新幹線開業を契機に、町経済部商工観光課が町内の酒販売主らにブランド商品の販売を呼びかけたところ、復刻へとつながった。98年当時を知る冨原商店の冨原喜晴さん(67)は「復活したことはとても喜ばしいこと。多くの人に味わってもらいたい」と語る。

 復刻版として今回登場した「赤松街道」は、青森県内の酒造メーカーが県内の米を使って醸造を手掛けたものに、98年当時と全く同じラベルを張り、プライベートブランド(PB)商品として販売。アルコール度数15度でやや辛口。芳醇な香りと滑らかな喉越しが特徴の特別純米酒で、常温や冷やで飲むのがおすすめ。冨原商店では720㍉㍑が1400円、1・8㍑が2750円で販売中。

 同会によると、「今後販路を拡大し、最終的には町内のコメを使って、町内で醸造できるようにしたい」としている。地酒に関する問い合わせは渡島酒販協同組合(TEL0138・26・7088)へ。(野口賢清)



◎道南2チームがETロボコン全国大会へ

 公立はこだて未来大(中島秀之学長)の学生チーム「FUNrobo2」(鈴木秀明リーダー、4人)と道立函館高等技術専門学院(水野司学院長)指導員の浅理邦春さん(42)の個人チーム「もっと、とってきなさい。」が、ET(組み込みシステム技術)ロボコン2014チャンピオンシップ大会(19日・横浜市)に出場する。2チームは北海道地区代表として「ベストを尽くす」と意気込んでいる。

 組込みシステム技術協会(本部東京)の主催。今年で13回目で、道地区大会は10月12日に道情報大(江別市)で開かれた。FUNrobo2は、コース走行競技とモデル審査結果の総合で競う「デベロッパー部門」のプライマリークラス(6チーム出場)で総合優勝。浅理さんは企画審査結果と会場審査員評価の合計で競う「アーキテクト部門」(2チーム出場)で優勝を飾った。

 FUNrobo2は鈴木さん(22)=4年=のほか、京谷和明さん(22)=同=、諸原聖さん(20)=3年=、徳田那央さん(24)=大学院博士(前期)課程2年=。未来大としては今回で3年連続3回目の全国出場。決められたコースの走行タイムから、難所をクリアするともらえるボーナスタイムを差し引いたリザルトタイムの速さを競うもので、鈴木さんは「総合3位以内に入賞することが目標」ときっぱり。長崎健准教授の指導を受け、調整に余念がない。

 浅理さんは妻寿代さん(40)と組む。全国は2年ぶり3回目の出場。ロボットによるパフォーマンスを評価するもので、浅理さんはロボット2台を使い、エアホッケーを披露して〝すごさ〟を印象付けた。本番に向けて自宅で練習しており「準備したものが、100%発揮できるように頑張りたい」と話す。

 道地区代表はほかに、デベロッパー部門のアドバンストクラスに札幌の企業チームが出場する。(山崎大和)



◎年内衆院解散浮上、各党 臨戦態勢へ

 年内の衆院解散がにわかに強まり、道8区(渡島・桧山管内)の各政党は急ピッチで準備をスタートさせている。安倍晋三首相が年内の消費税率10%への引き上げを見送り、年内にも衆院を解散して国民に信を問うとの見方が、与党内で強まっているためだ。解散から投票まで約1カ月の「超短期決戦」を視野に各党の動きが慌ただしくなる一方、今回のタイミングでの解散に疑問の声も出ている。

 解散する場合は2012年12月以来、2年ぶりの選挙戦。道8区では自民党の現職前田一男氏(48)と民主党の前職逢坂誠二氏(55)の出馬が既定路線となっている。

 前田氏は「安倍首相が増税についてどう判断するか、それに対して各党がどう反応するかが(早期解散の)ポイントだ」とし、現段階では情勢は流動的との見方を示している。

 初当選から2年の間に管内をこまめに回り、支持固めに奔走。解散総選挙については「常在戦場の気持ちでいる」と強調した一方、まだ選挙に向けた準備の指示は出していない。「解散となればすぐに体制を整える。いつ選挙になってもいいように準備を急ぐ」と話し、解散をにらんで動きを活発化させる考えだ。

 民主党の逢坂氏は、11日夜に木古内町内で開いた活動報告会で「もしも解散をするならば」としきりに繰り返し、「大企業や投資家に都合の良い政策ばかり。多くの国民にとって良くないことが行われてきた。安倍政権にNOを突き付ける選挙になる」と力を込めた。

 解散機運の高まりについて「アベノミクスが行き詰まって消費増税判断ができない〝先送り解散〟になる」とし、「今までの活動の流れをさらに加速させるだけ。指示は出してある」と臨戦モードだ。

 共産党も解散の動きを歓迎。党函館地区委員会の三国武治副委員長は「アベノミクスの失敗は明白で、消費税の引き上げで住民生活が苦しくなっている。党勢拡大に向けた絶好の機会で、さらなる消費税引き上げをやめさせる」と臨戦態勢を強める。8区候補者の擁立作業を急ピッチで進めており「一両日中に決定したい」(三国氏)としている。

 また、公明党函館総支部の茂木修支部長は「比例代表と(候補者がいる)10区が中心で、8区は政権与党の自民を推す形になるだろう。年内解散ならば、安倍首相には選挙を行う意味をしっかり発信してほしい」と注文を付ける。

 解散の場合、2回連続の「師走選挙」となるだけに、関係者からは解散に懐疑的な見方も。ある自民党支持者は「前回選挙で圧倒的多数を確保したのに、敢えて火中の栗を拾う必要があるのか」と疑問視。函館市議の一人は「個人的には来年秋だと思っていた。地方は定例議会のまっただ中だけに大変」と話す。


◎梁川交通公園の人気回復、13年ぶり入園者3万人台

 函館市は、今シーズンの営業を終えた梁川交通公園(梁川町24)の実績をまとめた。7カ月間(4〜10月)の入園者数は3万1650人で、2001年以来13年ぶりに3万人台を回復した。売り上げは414万7260円と、同じく13年ぶりに400万円台に到達した。市市民部は、今シーズン導入した新しいゴーカートが子どもたちに人気を集めたとみている。

 交通公園は小中学生に交通ルールを学んでもらう目的で69年に開設。開園当初から函館中央交通安全協会に業務委託しており、06年からは同協会が指定管理者となっている。

 入場者数は89年の5万3900人をピークに減少。収入はゴーカート使用料(1回60円)のみで、90年の614万円から年々減少が続き、近年は300万円台で推移。12年に行われた事業仕分けでは、廃止を含む見直しが必要と判定されていた。

 今シーズンは市が動力式ゴーカートを2台購入したのに加え、函館セントラルロータリークラブが動力式を3台、国際ソロプチミスト函館足踏み式を3台寄贈。最新のゴーカートを楽しもうと子どもたちが訪れた。

 また、今シーズンは新1年生にも浸透を図ろうと、初めての試みとしてゴーカート試乗券を新1年生に送付し、約240人の利用があった。

 市交通安全課は「6月に3週間ほど雨で稼働しなかった時期もあったが、ゴーカートが起爆剤になった。少子化で年少人口(0〜14歳)が減る中、魅力があれば利用が増えることを改めて認識した」とする。夏場には来園者への聞き取り調査も行っており、来年度は普段利用しない人へのアンケートなどを計画しながら、利用者増加に努めていく方針だ。(千葉卓陽)