2014年11月16日 (日) 掲載

◎函館産イチゴで「ビール」

 函館市恵山地区で生産されているイチゴ「はこだて恋苺」を使ったビール(発泡酒)が登場した。「いちごのはつ恋」の商品名で、はこだてビール(大手町)が製造。21日から市内や東京で販売される。関係者は「函館の新たな土産品として売り出したい」としている。

 建設資材販売の大一興業(大越信幸社長)のグループ会社、リュド・フレイズ(同社長)と、同ビールを運営するマルカツ興産(柳沢政人社長)による共同開発。イチゴを使ったビールは道内では初めてという。

 リュド社は2012年から恵山地区の市有地を借りて、温泉熱を利用した通年でのイチゴ栽培に着手。現在はハウス内で6万株を栽培している。12、13年は約4㌧の収穫にとどまっていたが、今年は5月から約20万㌧と安定してきたことから、イチゴを使った酒づくりを今春から計画していた。

 果実入りビールは発泡酒として扱われるため、同ビールが9月に発泡酒の製造免許を取得した。高橋尚弘工場長が醸造を担当、9月以降試作を重ね、10月上旬に完成した。

 冷凍保存したイチゴをふんだんに使用。解凍後にミキサーでペースト状にし、麦、ホップと混ぜ合わせて発酵。ビールの味わいを保ちながらイチゴの酸味を生かし、すっきりと飲みやすい味わいに仕上げた。「イチゴを使った他の酒は赤く着色した製品が多いが、イチゴは本来、中身が白いもの。着色料や香料は一切使わず、本物志向で作った」(大越さん)としている。

 330㍉㍑入り瓶2700本を製造。1本640円(税別)。21日から同ビール(大手町)などマルカツグループが運営する市内、東京の8カ所と、函館空港で販売する。(千葉卓陽)



◎函館に客船 最多36隻…6万5000人が来函

 低気圧の影響で入港が遅れていた国内最大の豪華客船「飛鳥Ⅱ」(5万142㌧)が15日、函館寄港を果たした。同船で年内の客船寄港はすべて終了。函館を訪れた延べ36隻の乗員、乗客数は約6万5000人となり、昨年度の14隻、1万7961人を大きく上回り過去最高となった。大型客船の寄港が例年以上に多く、市街地のにぎわい創出にもつながった。

 市港湾空港部によると、今年4~11月の寄港予定数は計38隻で、7万人の来函を見込んだ。7月と8月に計2隻の寄港が中止となったため、想定を下回ったが、隻数、総㌧数、乗員、乗客数のいずれも過去最高を大幅に更新。2015年3月25日に「飛鳥Ⅱ」の寄港が決まり、14年度の実績はさらに1000人程度上乗せされる見通し。

 今季は特にプリンセス・クルーズ社が日本発着クルーズを強化し、函館港での過去最大の客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万6000㌧)が7回、「サン・プリンセス」(7万7441㌧)が13回寄港。小樽発着で12週連続のクルーズを展開した「サン―」は集客に苦戦したが、「ダイヤ―」は、3000人規模の寄港が続いた。

 このほかの大型客船では「セレブリティ・ミレニアム」(9万1000㌧)が2回、「コスタ・ビクトリア」(7万5166㌧)が1回寄港。8月には世界唯一の客室分譲型客船「ザ・ワールド」と「サン―」が同じ日に港内に滞在し、港のにぎわいを演出した。

 来年度は「サン―」の国内寄港がないため、寄港数は減少するが、市は「例年よりは多い25隻前後を目指す」とする。米田剛港湾空港振興課長は「ことしは多くのクルーズ客船でたくさんの乗客に函館を楽しんでもらうことができ、感謝している。来年度はことしよりも減少する見通しだが、より多くの客船に来てもらえるよう誘致に努めたい」としている。

 15日に寄港した「飛鳥Ⅱ」は神戸発着のクルーズ中で、14日午前8時に入港を予定してたが、天候不良のため、沖止めとなっていた。このため、16日に予定していた鳥取県境港の寄港をやめ、函館から直接、韓国・浦項に向かった。(今井正一)



◎学テ 全国と同程度…函館市教委 平均正答率初公表

 函館市教委は14日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の市内の結果を公表した。平均正答率を初めて明らかにし、対象となった小学6年生、中学3年生ともに、全科目で全国と同程度となっている。

 学力テストは4月下旬に行われ、市内の小学校46校、中学校28校で合わせて約3800人が参加。知識を問う国語Aと算数・数学A、活用に関する国語Bと算数・数学Bの4科目が実施された。

 函館市の平均正答率は、小学生の国語Aが74・3%と全国平均より1・4ポイント高く、中学生の国語Aも79・8%と0・4ポイント全国を上回った。逆に小学校算数Bが56・6%で全国を1・6ポイント、中学生の数学Aが66・2%で同1・2ポイントそれぞれ下回った。全国との差は4科目ともマイナス1・6ポイントからプラス1・4ポイントの範囲内で、市教委は「全国平均と同程度」とした。

 また、国語の「書くこと」「読むこと」など各科目の領域ごとにそれぞれ平均正答率を算出し、グラフを作成。函館市のグラフは全国や全道とほぼ重なるが、正答率はA問題が比較的高く、B問題は比較的低い傾向となっている。

 一方、生活習慣や学習環境などの調査では、全国と比べて朝食を毎日食べる割合が低く、テレビ視聴やテレビゲームの時間が長いことや、勉強は好きだが、家庭学習の時間は短いことがうかがえた。

 結果概要は市教委ホームページで公開されている。(稲船優香)


◎道南 タイヤ交換大忙し

 函館市内でも15日に積雪が観測される中、本格的な降雪や路面凍結に備えて、函館市内のカー用品店などは、この週末は冬タイヤへの交換で大忙しだ。この時期はスリップ事故の増加が懸念されることから、道警函館方面本部交通課は運転に注意を呼び掛けている。

 市内のカー用品店は10月下旬から徐々に混み始め、数時間待ちのケースも。かけ込みが予想される土、日曜の営業開始時間を1時間早め、午前9時から営業しているジェームス本通店の大川武志店長(42)は「大変混み合っている。慣らし運転のためにも早めに交換してほしい」と呼び掛ける。

 函館日産自動車神山店はこの時期、1日に20〜30台の交換を行っているという。奥山裕サービス係長(41)は「天気予報で雪のマークが出た8日ごろからピークが続いている。自分でタイヤ交換する人は、ナットの締め忘れに気を付けて」という。車検のコバック函館店の国仙真一郎店長(38)も「1日に約15台の交換を行っている。雪が積もる前に交換を済ませてほしい」と話す。

 降雪や気温低下による路面の変化には注意が必要。同本部交通課は「スピードの出しすぎ、急ブレーキなど、夏場の運転感覚のままだと危険。カーブ前での減速、早めのブレーキを意識してほしい。事故を起こさないためにもすぐにタイヤを交換して」としている。(小林省悟、能代俊貴)