2014年11月17日 (月) 掲載

◎佐藤さん 亡母墓参 88日18㌔

 函館市堀川町の元高校教師佐藤守彦さん(72)が、徒歩で88日間の母の墓参りを達成した。供養のため、自宅から墓のある第二新東山墓園(陣川町)まで片道9㌔、往復18㌔の道のりを歩き続け、今月6日に満願成就した。88日間の墓参は3年ぶり5回目となり「達成感で心が満たされている」と話している。

 佐藤さんは最愛の母ミヱさんを2006年に亡くし、07年に四国八十八ケ所霊場を巡る供養の旅を実現させた。帰函後、旅の報告に行った際、母の墓前に2つの約束をした。一つは八十八ケ所霊場と同じ88日間の墓参に徒歩で挑戦すること、もう一つは趣味であるフルマラソン、ハーフマラソンをそれぞれ88回完走することだ。

 88日間の墓参は08、09、10、11年と4年連続で成功。12年に北海道一周2750㌔を完歩、13年に本道縦断1287㌔を歩き、2年越しの目的だった北海道三十三観音霊場と北海道八十八カ所霊場への訪問をかなえた。

 今年の88日間の墓参は4月8日にスタート。月に3〜15日間の日数を重ね、7カ月かけて結願。片道2時間を要する旅だが「母との語らいの中で、日増しに優しい気持ちが大きくなっていく自分に気付いた。心身の鍛錬にもなった」という。

 一方、健康のために1995年から始めたマラソン完走数は今年分も含めフル49回、ハーフ60回になり、目標達成への道を着実に歩んでいる。  墓参の意味について「私の真心を母に伝えること。母への感謝を込めて供養を続けたい」と決意する。

 佐藤さんには新たな願いがある。「喜寿(数え年で77歳)と母の13回忌を同時に迎えるので、西国三十三カ所(兵庫、京都など7府県の観音霊場)巡りが目標」と意欲を見せる。(山崎大和)



◎来場者がカウントダウン 北斗で新幹線開業500日前イベント

 【北斗】2016年3月の北海道新幹線開業まで遅くとも500日前となる17日に合わせて、16日、北斗市市内で商店街主催の記念イベントが行われた。

 本町商店街振興会(伊藤哲朗会長)は総合分庁舎前(本町)で「みんなでカウントダウン!!」と称した撮影会を開催。来場者に開業までの残り日数を書いたボードを持ってもらい、順番に撮影する試みで、17日以降、同庁舎に掲示する。

 家族連れや中高生らが申し込み、市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」が描かれたパネルの前でポーズを取っていた。一番乗りで来場し、500日前の被写体となった函館市の倉本祥五さん(37)は「高校の修学旅行で初めて乗った新幹線の思い出は忘れられない。開業を楽しみにしている」と話した。

 上磯駅前商店会(伊藤輝会長)も、商業活性化支援センターエイド03(飯生)で毎月第三日曜に行っている「青空市」を記念イベントとして開催。飲食店や衣料品店など12店が出店し、クッキーの詰め合わせや海鮮丼、総菜など、500日前にちなみ500円の商品を販売。伊藤会長は「商店街としても盛り上げに協力していきたい」と話した。

 17日は午後3時半からダイエー上磯店(七重浜4)で「500日前だよ!全員集合」と称したイベントを開催する。 (鈴木 潤)



◎函館空港ビル売上高初のトップ10入り 全国ランキング

 信用調査会社の東京商工リサーチ(東京)がこのほど発表した全国の空港ターミナルビル経営会社の2013年度の売上高のランキングで、函館空港ビルデング(東陽一社長)が初めてトップ10入りを果たした。12年に飲食、物販部門の子会社を合併したことで売り上げを大幅に伸ばしたことが要因。道内空港では2位の北海道空港(新千歳)と函館空港だけがランクインした。

 08年から経営動向調査を行っており、決算内容をもとに売上高ランキングをまとめた。経営形態が異なる成田、中部、関西空港を除いた全国のターミナルビル56社が対象。

 函館空港ビルデングは前回12位から順位を2つ上げて初のトップ10入り。売上高は24億8690万円で、前年度に比べて26・4%増えた。12年12月に同空港の飲食・物販部門を担当する子会社「函館エアポート商事」を吸収合併したことから、土産物店とレストランの収入が加わり、売上高増となった。

 同社は「コスト削減や営業を強化した成果。搭乗客数も増加傾向を続けており、物販収入の増加につながった」と分析。「空港内でイベントを開くなど集客アップに向けた努力も続けており、収益に結び付けていきたい」とする。

 首位の日本空港ビルデング(羽田)は国際線の増便などを背景に売上高を伸ばし、前年度比6・2%増の1183億4300万円と、2位の北海道空港(473億646万円)を大きく引き離した。3位は福岡空港、4位は大阪空港だった。(松宮一郎)


◎郷土資料館 装い新たに 移転オープン

 【北斗】北斗市郷土資料館が市総合分庁舎(本町1)2階に移転し、17日、オープンした。初日は移転セレモニーが行われ、大勢の市民が装いを新たにした館内をじっくり見ていた。

 セレモニーでは、高谷寿峰市長と池田達雄市議会議長、市教委の田島昂委員長代理がテープカットした。高谷市長は「北海道新幹線開業後には観光客にも来ていただける資料館にしていきたい」とあいさつ。市の無形民俗文化財に指定されている「上磯奴」の演舞が披露され、移転オープンを祝った。

 移転後の資料館は約460平方㍍。収蔵品約1万4000点のうち、約300点を常設展示した。

 「自然」「生活」「産業」「歴史」のゾーンを設け、農機具や漁具、民具などを展示。矢不来館跡や松前藩戸切地陣屋跡の出土品や国の重要文化財に指定されている「人形装飾付異形注口土器」のレプリカも陳列した。常設展示室のほか、交流スペースや特別展示室を設けた。

 特別展示室には、市の文化や歴史を題材にした「ふるさとかるた」の絵札、読み札の作品が展示されている。

 大野小4年の木村絢さん(10)と福澤真歩さん(10)は「昔のことを調べる時に利用したいです」と話していた。

 開館は午前9時〜午後5時。毎月第1月曜休館。 (鈴木 潤)