2014年11月18日 (火) 掲載

◎函館の冬彩る催し楽しんで、Xマスファンタジー29日開幕

 函館の冬を彩る恒例イベント「クリスマスファンタジー」(実行委主催)が11月29日〜12月25日、金森赤レンガ倉庫群前で開かれる。ことしも鮮やかに輝くクリスマスツリーをモチーフにしたポスターが完成し、多彩なイベントをPRしている。

 赤レンガ倉庫群前の海上で、函館の姉妹都市カナダ・ハリファックス市から贈られた「幸せを呼ぶモミの木」(高さ約20㍍)を約5万個の電飾で華やかにライトアップする。

 初日は、同所で午後5時40分からオープニングセレモニーを開催。カウントダウンをして、同6時に打ち上がる花火とともに点灯を行う。ステージでは同6時10分より、人気女性ファッション雑誌「CanCam」専属モデルとして活躍するchayのスペシャルライブが披露される。

 イベント期間中の会場には、道南野菜などの地元食材をふんだんに使ったスープが楽しめる「スープバー」も並ぶ。9店舗が13種類を販売予定。チケット制で、1杯500円。販売時間は午後4時半〜同8時。

 点灯時間は、同4時半〜同5時45分と、同6時〜午前0時(金・土曜、22〜25日は翌午前2時まで)。毎日午後6時に点灯式を行う。また、23、24の両日はファンタスティック・イブ、25日はクリスマスナイト・セレモニーで聖夜を盛り上げる。

 実行委は「ことしも多くのご来場者がすてきな思いでをつくられることを願っています」と話している。問い合わせは、函館国際観光コンベンション協会内の事務局(TEL0138・27・3535)へ。(斎藤彩伽)



◎列車火災想定、青函トンネルで防災訓練

 【福島】青函トンネル(全長53・85㌔)内での列車火災に備え、JR北海道函館支社は17日、福島町館崎の旧吉岡海底駅で総合防災訓練を行った。同支社や警察、消防など約180人が参加し、関係機関の連携や対応策を確認した。

 訓練は防災体制の強化を目的に、トンネルが開通した1987年に実施し、毎年2、3回行っている。函館発青森行き臨時特急(6両編成)が知内信号場を通過後、後部1号車の乗客がたばこをごみ箱に捨てたことから出火した―という想定。

 避難通路や消火設備がある旧吉岡海底駅まで列車が移動する途中に、1号車内に白煙が充満。乗客は車掌の指示に従い、5、6号車に避難した。同駅到着後は、社員が速やかに乗客を誘導したほか、待機していた救急隊員が重軽傷者3人を担架や車いすなどで運び、応急手当てした。また、トンネル内に設置してあるスプリンクラーを使用して、消火活動も行った。

 この後、JRや道警函館方面本部、消防が連携を確認。対策本部を設置し、情報収集や現場検証に当たるなど、現場は本番さながらの緊張感の中で訓練を進められた。

 同社の鈴木理夫次長は「車掌と運転士の連携が取れ、乗客の避難が素早く行われた。警察と消防の関係機関との連絡もスムーズだった。新幹線開業後も訓練を継続し、安全確保に努めたいていきたい」と講評した。(山崎純一、小林省悟)



◎大川中跡地に市営住宅、函館市検討

 函館市は、市立小・中学校の再編に伴って2016年3月で廃校が決まっている大川中学校(大川町12)の跡地に、市営住宅を建設する方向で検討を進めている。学校再編計画に伴う跡地利用策が示されるのは今回が初めて。同校に程近く、老朽化している団地を置き換えるとともに、17年度まで同校の体育館を暫定的に使用を認める方向を打ち出している。

 市は昨年6月に、市営住宅などの供給戸数の今後のあり方を定めた公営住宅長寿命化計画(2013〜22年度)を策定。この中で、1949〜51年建設の松川団地(3棟、72戸)と1956〜58年建設の田家B団地(10棟、58戸)を老朽化に伴って建て替え、現在地に計192戸を建設する計画を打ち出しているが、大川中廃校に伴い、跡地を利用して両団地を統合する計画へと変更する。

 市都市建設部によると、両団地の居住者が建て替え時に一時的に他の場所に住み替えを行う必要性がなくなり、居住者の負担が減る点や、市営住宅建て替えに伴う解体が国からの交付金の対象となるため、大川中校舎を解体する場合に費用負担が軽減するなどのメリットがあるとしている。

 大川中は桐花中と統合し、16年3月で廃校となるが、給食調理場は18年3月まで使う予定。このため、調理場の使用を終えた後に校舎などを一括で解体し、その間の16〜17年度は体育館の使用を暫定的に認める考えとしている。

 工藤寿樹市長は今年6月に開かれた住民との懇談会で、「大川中の体育館を(災害時の)避難所として活用させてほしい」との意見に対し、「すべて残すことは財政上不可能」との考えを示していた。

 市住宅課は「現段階では大川中跡地を活用する以外は何も決まっていない。戸数や規模、整備費用の算出などはこれからの作業」としている。(千葉卓陽)


◎タイで函館アピール、観光客誘致訪問団が出発

 函館市の官民トップによるタイ観光客誘致訪問団が17日、現地に向けて出発した。昨年11月に続いて、2度目の訪問で、政府観光庁や航空会社、旅行会社で函館観光のさまざまな魅力をPRする。工藤寿樹市長は「親日国で北海道人気もあり、今後も増加が期待される。中国・天津航空同様にまずはチャーター便から始めてもらえるよう要請したい」と抱負を語った。

 タイから函館を訪れる観光客は主に新千歳空港経由での来道が多く、函館の宿泊客数は2013年度は8918人と急増している。訪問団は工藤寿樹市長、松本栄一函館商工会議所会頭、渡邉兼一函館国際コンベンション協会会長をはじめ15人で構成し、20日まで現地に滞在。昨年の初訪問後にタイ国内ではクーデターが起こるなど、政情が不安視されたが、市は「いずれは民主政権が樹立されるので心配はしていない」とする。

 現地では、政府観光庁、タイ首相府広報局、旅行会社数社を訪問。タイ国際航空と格安航空会社(LCC)のタイエアアジアXでは函館へのチャーター便就航を要請する。また、今年2月に来函したチャトロン・チャイサン元教育大臣との懇親会も予定し、教育交流や人材育成分野の意見交換を行う。

 また、訪問に合わせて、市はタイ語の卓上カレンダーを3000部製作。サクラの五稜郭公園、ツツジが美しい恵山、紅葉の香雪園、雪景色の駒ケ岳など四季の風景やグルメ、温泉の写真を取り入れた。活動先で配布し、函館のイメージ向上につなげたい考え。

 工藤市長は「観光面だけではなく、物産の販路拡大の可能性も探りながら走り回ってきたい」と述べた。(今井正一)