2014年11月2日 (日) 掲載

◎新幹線レール 列島結ぶ 

 【木古内】2016年3月に開業する北海道新幹線新青森—新函館北斗間149㌔のレールが1日、すべてつながった。木古内町の木古内駅で記念のレール締結式が開かれ、本道と青森県の関係者が完成を祝福した。東海道新幹線開業からちょうど50年、北海道新幹線の整備計画決定からは約40年かけて、日本列島が新幹線のレールで結ばれた。東京—新函館北斗間は4時間10分ほどになる見込みだ。

 新青森—新函館北斗間のレール工事は2012年3月に開始。路盤や高架上に敷設した。青函トンネルなど在来線との共用走行区間約82㌔は新幹線と貨物列車が走行する。建設主体の鉄道・運輸機構によると、同区間では25㍍のレールを2万4400本を使用したという。

 式典には西村明宏国交副大臣をはじめ、高橋はるみ知事、本道と青森県選出の国会議員、沿線自治体の首長らが約90人が出席。同機構の石川裕己理事長が「レール締結で北の大地まで新幹線が到達した。開業に向けて工事は最終段階で、札幌までの工事にも協力をお願いしたい」とあいさつ。西村副大臣は「新幹線開業を機に観光やビジネスが発展すると確信している」と述べた。

 来賓44人がずらりと並び、ボルトを一斉に締めてレールを締結。石川理事長や高橋知事らがテープカットを行ったほか、地元木古内小の児童がくす玉を割って祝福。最後にモータカーがレールを走行し、渡り初めを行った。  同機構によると、新幹線工事の進ちょく率は事業費ベースで約90%。駅舎整備などを残すのみで、新函館北斗駅は来年5月、木古内駅と奥津軽いまべつ駅は6月に完成するという。

 北海道新幹線のレールがつながったことで、全長は東京駅までが823㌔、九州新幹線の鹿児島中央駅までは2150㌔になる。  (松宮一郎)



◎10両編成 お目見え【道新幹線】

 【七飯】函館総合車両基地(飯田町)で1日、北海道新幹線H5系の車両10両が連結された姿で初めて報道関係者にお披露目された。検査用車庫から姿を現した長さ約250㍍、幅約3・3㍍の10両1編成の車両は、車両移動機にけん引され、引き込み線を300㍍ほど時速10㌔以下のスピードでゆっくりと往復。今月中旬には自走試験を開始し、12月1日から始まる本線の試験走行に向けた準備が本格化する。

 10月13日から22日にかけて函館港に陸揚げされた2編成分20両の新幹線車両は、車体運搬専用のトレーラーで同基地に運ばれ、まず車体と台車の接続が行われた。

 組み立てが終わった車両は、1両ずつ検査用車庫に移動され、営業時と同様の10両1編成に仕上げる連結作業を実施。車内には電気配線などが整備された。

 組み立て作業の最終工程として、車両に通電し、走行に関する装置や各種電気機器の検査をする編成試験が行われ、10月31日までに2編成分の作業が完了した。

 今後は車両基地内で自走試験を繰り返し、ブレーキやモーターなど約30種類の機能を確認する試験を行う。

 JR北海道広報部の船林恭専任課長は「開業に向けて順調に工程は進んでいる。タイトなスケジュールだが、安全な走行を果たすために各種検査を一つずつしっかりと行い、12月1日から始まる列車の試験走行に備えたい」と展望を語った。 (山田大輔)



◎団体観光客対象に初のガイドツアー 七飯大沼国際観光コンベンション協

 【七飯】七飯大沼国際観光コンベンション協会(大沼町85)は1日、団体観光客34人を対象としたガイドツアーを初めて行った。町がことし7月からはじめた「七飯町観光ガイド育成事業」の一環で、観光客から好評を集めていた。

 大沼をより広く知らしめたいとの志を持って選ばれた4人のガイドは、地元企業などのアドバイスを受けながら、研修や勉強を重ね準備を進め、先月から個人を対象に試験的なガイドツアーを実施していた。団体客対象は今回が初めて。

 この日のツアーは、8人ずつの4グループで「ゆっくり晩秋散策コース」と題し、大沼国定公園内を約1時間かけてガイドが案内。植物や野鳥などについて、ガイドはツアー客に興味を持ってもらえるよう、個性や趣向を凝らしながら紹介していた。

 ガイドを務めた町上軍川在住の関藤一さん(60)は「人が好きでガイドがやりたいと思った。私自身、九州出身なので、道外出身者だからこそ感じる大沼の魅力をたくさんの人に伝えたい」と力を込める。

 参加した石川県金沢市の磯村蓮子さん(81)は10年前にも一度大沼を訪れたことがあるという。「ガイドさんの説明がわかりやすく、とても楽しかった。コケやドングリなどに実際に触ったりにおいをかいだりできたのがとても印象的だった」と満足の様子だった。

 同協会は団体向けのほか、個人を対象としたガイドツアーについても「今後増やしていきたい」とし、ガイドの利用を呼び掛けている。ガイドツアーに関する問い合わせは同協会(TEL0138・67・3020)へ。 (野口賢清)


◎華客船「ぱしふぃっくびいなす」函館寄港通算20回目 

 日本クルーズ客船(大阪)の豪華客船「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594㌧)が1日、函館港に寄港した。今年3回目の寄港で、通算20回目の節目となった。乗客約350人は晩秋の函館観光を終日楽しんだ。

 読売新聞創刊140周年を記念したチャータークルーズ「秋の東北・函館への船旅」として、神戸、横浜で乗客を乗せ、宮城県石巻港経由で函館に到着。同日午後11時まで滞在し、青森県大湊港に向かった。

 西埠頭岸壁で行われた歓迎式典で函館港湾振興会の兵頭法史会長が函館の見どころを紹介し「航海の安全と楽しい旅になるよう祈っています」と歓迎。ミスはこだての渡辺里沙さんから読売旅行の坂元隆常務、由良和久船長、乗客代表の玉上博さんに花束が手渡された。

 坂元常務は「海から見る函館は格別で感動しました。函館が旅の折り返し地点で、この日を楽しみにしてきた。夜まで市内をエンジョイすると思います」と謝辞を述べた。 (今井正一)