2014年11月21日 (金) 掲載

◎新幹線「H5系」愛称は「はやぶさ」「はやて」 車内公開 高級感あふれる

 【七飯】JR北海道は20日、2016年3月に開業する北海道新幹線の列車「H5系」の愛称を「はやぶさ」と「はやて」に決定したと発表した。東京または仙台から新函館北斗間を結ぶ列車は「はやぶさ」で、盛岡または新青森と新函館北斗の間は「はやて」と、運行区間に応じて名前を使い分ける。JR東日本が東北新幹線で使用している愛称をそのままとした。

 北海道新幹線新函館北斗—新青森間は、JR東日本の東北新幹線と相互乗り入れで、営業距離が約149㌔と短いことから、当面は東北新幹線の延長と位置付けており、独自の名前は付けずに「はやぶさ」「はやて」を使う。

 この日、七飯町の新幹線総合車両基地で会見した島田修社長は「『はやぶさ』『はやて』はすでに東京から北へ向かう列車として定着しており、お客さまにとっての分かりやすさ、親しみやすさを考慮した」と決定の理由を語った。また、「愛称が決まったことで開業に向けたプロモーションに弾みをつけていく」と力を込めた。

 会見で島田社長はH5系のシンボルマークも発表。本道にも飛来する「シロハヤブサ」をモチーフにしたもので、「北の大地と本州が結ばれることによる速達性と利便性、地域間交流の広がりを表現した」という。

 また、H5系の車内を初めて報道陣に公開。高級感あるふれるグランスクラスや、北海道をイメージした内装、デザインがお披露目された。同社は12月1日から走行試験を開始し、開業までふた冬かけて準備する。(松宮一郎)



◎アクセス列車 新幹線と一体感 愛称を募集

 JR北海道は20日、北海道新幹線新函館北斗駅と函館駅を結ぶアクセス列車の概要を発表した。車両は札幌圏で運行している快速列車「733系」がベースで、ロングシートタイプとした。デザインは新幹線H5系と一体感を持たせるため、側面にパープルのラインを入れるなど工夫を凝らした。

 同区間は17・9㌔。同社は運行の詳細については明らかにしていないが、アクセス列車は20分を切り、17分で運行する見通し。1編成3両を4編成製作し、2015年秋の完成を目指す。3両合わせて441人乗り。座席はロングシートで、7割ほどが立ったまま移動することになる。

 車両は札幌圏の学園都市線や千歳線などで使用している733系電車がベース。デザインコンセプトは「新幹線との連携、一体感」とし、H5系と同じパープルのラインをあしらうほか、同社のカラーのライトグリーンも添える。

 また、新幹線を降りて函館に向かう乗客に北海道らしさをアピールするため、車内デザインは本道の豊かな自然と函館の異国情緒をイメージ。シートを草原のグリーン、ドア部分を函館のレンガ倉庫や修道院を想像させるレンガ色としたことも特徴。同社は「乗降口のステップをなくすほか、車いすでも利用しやすい大型トイレを設置するなどバリアフリー化を進めた」とする。

 同日から愛称の募集を開始。12月20日までに申し込む。応募方法など詳細は同社のホームページ(http://www.jrhokkaido.co.jp/)に掲載している。(松宮一郎)



◎衆院きょう解散 道8区 各陣営が準備加速

 衆院は21日に解散し、12月2日公示、14日投票の日程で総選挙に突入する。道8区(渡島・桧山管内)から出馬を予定する3陣営は選挙態勢の構築を着々と進めており、総決起大会の内容など詰めの調整を急ぐ。解散から投開票まで1カ月に満たない“超短期決戦”を前に、慌ただしく準備を進めている。

 現段階で出馬を表明しているのは自民党現職の前田一男氏(48)、民主党前職の逢坂誠二氏(55)、共産党新人の原田有康氏(66)の3人。現時点では3党以外から出馬の動きはなく、三つどもえの戦いとなる公算が大きくなっている。

 前田氏は20日、都内で精力的に会合をこなし、その合間を縫って地元事務所に選挙戦に向けた準備の指示を飛ばした。党8区支部関係者は「準備は順調に進んでおり、スケジュールも固まりつつある」とする。21日は衆院解散後すぐに地元に戻り、選対本部を立ち上げる予定。選挙事務所は千歳町に設置、23日正午から事務所開きを行う。

 民主党道8区総支部は21日に五稜郭町に選挙事務所を開設。23日に総支部臨時大会、連合との合同選対本部設置を行い、27日には総決起集会を市内で開く。逢坂氏は連日、市内数カ所での街宣活動をこなす。21日は江差町で福原賢孝道議と活動報告会を予定。陣営幹部は「2年前以上にタイトな日程だが、戦う態勢は整いつつある」と話す。

 原田氏陣営は党函館地区委員会(日乃出町)の隣接地に選挙事務所を確保。21日は原田氏の地元、市内戸井地区の浜町で街頭演説を行い、22日からの3連休は市内各地域での街宣活動を重ねる。30日は午前10時半から市亀田福祉センターで同党の大門実紀史参院議員を招いた講演会と決起集会を開き、比例候補とも連動した選挙戦を進めていく。(衆院選取材班)


◎フコキサンチンの可能性探る 道内初の海藻機能性セミナー

 函館近海で採れる海藻アカモクなどに多く含まれる成分「フコキサンチン」の普及に向けた海藻機能性セミナー(函館地域産業振興財団主催)が20日、ホテル函館ロイヤルで開かれた。研究者3人の講演とパネルディスカッションを通じ、フコキサンチン利用の今後の展望を探った。

 海藻機能性に特化したセミナーの開催は道内初で、約60人が参加した。財団の三浦汀介副理事長が「函館マリンバイオクラスター事業で研究を重ねてきたフコキサンチンの含有食品の開発と購買意欲が活発になれば」とあいさつ。

 フコキサンチン研究のトップランナーで、北大大学院水産科学研究院の宮下和夫教授が「フコキサンチンの抗肥満活性」と題して講演。研究で抗肥満活性や抗糖尿病活性が明らかになり、一定量摂取すると内臓脂肪が減るというデータも出ていることを紹介。既にアカモク油を使ったサプリメント「フコキサンチン1000」が商品化されており、試作が進む粉末についても「製品の素材に練り込むと、おいしくなり、栄養価も改善できる」と話した。

 早稲田大ナノ理工学研究機構規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門研究院の矢澤一良教授、オリザ油化研究開発本部食品開発部の単少傑課長も講演。宮下教授と3人で討論も行った。(山崎大和)