2014年11月23日 (日) 掲載

◎美しい歌声 聖堂に響く…カトリック元町教会でコンサート

 函館市西部地区の伝統的建造物のひとつ函館カトリック元町教会を舞台にした「2014でんけんコンサート」が22日、同教会で開かれた。約230人の来場者が荘厳な聖堂に響き渡る歌声やバイオリンの演奏に酔いしれた。

 市伝統建造物群保存会(小林敏夫会長)でつくる実行委の主催。函館の歴史的町並みを形成する建物の保存と活用に関心を寄せてもらう機会として、毎年地元の演奏家を交えて開いている。

 コンサートは函館戸倉中学校1年の陶山義斗君によるバイオリンでスタート。「チャルダーシュ」(モンティ作曲)などを披露し、将来有望な若手奏者の力強い演奏に温かい拍手が送られた。声楽家の佐藤朋子さんはピアニスト畑中佳子さんの伴奏で、歌劇「オテロ」から「柳の歌」(ヴェルディ作曲)などを歌い上げ、聴衆を魅了した。

 後半は、函館男声合唱団が登場。函館をテーマにした「きらめきの街へ」、聖歌「いつくしみ深き」などを披露。重厚なハーモニーを響かせた。(今井正一)



◎木製のGLAY人形登場

 障害者の就労を支援するNPO法人「セラピア」(函館市亀田町20、平田聡理事長)に木製のGLAY人形がお目見えし、訪れた人を楽しませている。

 人形は中富良野町の障害者授産施設「はれるやはうす」の女性利用者がシラカバやスギなどの木材を使い手作りで製作。函館出身の人気ロックバンド「GLAY」のメンバー4人をモデルに、髪型や楽器などそれぞれの特徴を捉えた仕上がりだ。

 セラピアは今年6月から同施設と連携して木工製品「函館ダイスK」の販売を始め、その縁で平田理事長が同月に中富良野を訪問。アコーディオンなどさまざまな楽器を持つ木人形を目にし、「函館にゆかりのある人物を」と製作を特別に依頼した。

 GLAY人形は非売品のため鑑賞のみ。店内に常設展示している。平田理事長は「髪型や楽器など一つ一つが細かく作られている。見て癒やされてもらえれば」と話している。営業時間は午前10時~午後6時。土日、祝日定休。(平尾美陽子)



◎白百合学園で初のホームカミングデイ

 母校で幅広い年代の卒業生の交流を図ってもらおうと、函館白百合学園中学高等学校(福島秀人校長)は22日、同校で初めて「ホームカミングデイ」を開いた。卒業生のほか歴代校長や教職員ら約100人が参加し、旧友や恩師との再会を楽しんだ。

 1980年に元町から現在の山の手へ校舎を移転した際に新任教員で、本年度から校長に就任した福島校長が「来年4月で移転35周年の節目に、白百合の絆をより強いものに」と立案。ふだんの同窓会とは異なり、学校を会場として卒業生らの交流を図るイベントは、全国にある姉妹校でも前例がないという。

 参加者は1951年に現校名に改称して以降、デザインの変わらない制服を試着したり、ずらりと並んだ過去の卒業アルバムコーナーで自分や友人の写真を探し、思い出を語り合ったりした。同校吹奏楽団の演奏や最近の授業風景を撮影した動画の放映などが行われ、最後は校歌斉唱で締めくくった。

 卒業生の佐野友梨奈さん(25)と熊谷由美さん(同)は「校舎には一言で言い表せない思い出が詰まっており、帰って来られて良かった。また機会があれば参加したい」と笑顔。

 同窓会会長を務める石舘栄子さんは「若い人は同窓会にあまり参加したがらないが、きょうはさまざまな年代と交流できてうれしい。母校はふるさとであり実家。普段も気軽に学校へ足を運んでほしい」と話していた。

 同校によると、時期は未定だが来年度以降も継続する予定。(稲船優香)


◎松前半島に高規格道路を…建設促進期成会 26日に設立

 函館、北斗両市と渡島西部4町は26日、地域高規格道路「松前半島道路」の早期整備を要望する「松前半島道路建設促進期成会」(仮称)を設立する。2019年度の開通が見込まれる函館江差自動車道木古内インターチェンジ(IC)を起点に松前町までの60㌔区間の整備に向け、地域の気運を盛り上げる。

 松前半島道路は1994年に地域高規格道路の計画路線指定を受けた。同年、渡島西部4町で構成する整備促進期成会が発足したが、活動休止状態が長年続いていた。新たな期成会は函館、北斗両市を加えた2市4町の首長で構成し、事務局を函館市に置く。

 計画路線は木古内ICから松前町までの60㌔でルートは未定。現道を活用するか、新たな道路を整備するか、手法は定まっていないが、国道228号で約2時間かかる函館から松前まで(約100㌔)の所用時間は、30分程度の短縮が見込まれる。

 幹線道路網の整備は、函館圏域の広域観光の充実につながるほか、災害に強い道路基盤の強化、救急搬送体制の充実などの効果が見込まれる。26日の設立総会では、規約の制定や役員を決め、渡島総合振興局長に顧問を委嘱する予定。当面の活動は道開発局など関係機関への要望が中心となる見通し。

 市土木部新外環状道路整備推進室は「期成会の立ち上げが即時の整備決定につながるわけではないが、地域の要望や熱意を伝えるためにも期成会の活動が重要になる」としている。(今井正一)