2014年11月25日 (火) 掲載

◎「五稜星の夢」のイルミ設置

 ことし築造150年を迎えた国の特別史跡・五稜郭跡を電飾で美しい星型に浮かび上がらせるイベント「五稜星の夢(ほしのゆめ)」(実行委主催、五稜郭築造150年祭協賛)のイルミネーション設置作業が24日、五稜郭公園内掘で行われた。

 ことしで25回目。昨年より石垣の状態が悪化したため、今回は実行委内部ボランティア約15人と電気工事関係者のみで実施した。

 この日は、堀の内周(約1・8㌔)に電球一つ一つを丁寧に飾り付け、約2000個の設置を完了させた。実行委の滝沢昌子さんは「十数年ぶりの設置は面白かった。イベントで堀が輝くのが楽しみ」と笑顔。宮下俊雄実行委員長(70)は「函館の冬の観光を彩る手作りイルミネーションをぜひご堪能ください」と話す。

 イベントは、29日〜来年2月28日に開催。点灯時間は、昨年より1時間早く繰り上げた午後5時〜同8時。元旦は通常点灯に加えて、午前5時〜午前8時も特別点灯する。(斎藤彩伽)



◎美しい音色共演、函館音楽祭

 道内外からプロの音楽家や若手演奏者が集い繊細なハーモニーを奏でる「函館音楽祭記念オーケストラ演奏会」(実行委主催)が24日、市芸術ホールで開かれた。各地で活躍する音楽家たちの卓越した美しい演奏に、観客が酔いしれた。

 函館音楽祭は毎年開催し、ことしで3回目。指揮は石郫真弥奈さん、コンサートミストレスは西川茉利奈さんが務め、地元の音楽愛好家を含めた約80人がステージに立った。

 モーツァルト「オーボエ協奏曲ハ長調K・314」で幕開け。ソリストの若木麻有さんの軽やかな美しい音色が響きわたった。続くチャイコフスキー「組曲『くるみ割り人形』作品71a」では、行進曲、金平糖の精の踊り、ロシアの踊り、葦笛の踊り—など親しみやすい8曲が披露され、来場者を楽しませた。

 メインプログラムのショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調作品47」では、迫力のオーケストラサウンドが会場を包み込み、終演後は盛大な拍手が送られていた。(斎藤彩伽)



◎中小企業への融資制度好調、函館市

  函館市が行っている、中小企業への融資制度が好調に推移している。本年度上半期(4〜9月)の実績は238件、23億9921万円で件数で4・4%、金額で0・5%、それぞれ前年度同期を上回っている。2016年3月の北海道新幹線開業を見据えて本年度創設した青函地域活性化資金も上半期で3件貸し出しがあり、市は今後も活発な利用に期待を寄せている。

 中小企業への融資制度は、市が金融機関に貸し出し原資の一部を預け、金融機関が原資を上乗せして貸し出すもの。市が原資を出すことで、通常よりも金利が安い利点がある。

 昨年度に経営改善に努める企業への優遇利率を設定、借り換え要件緩和などの見直しを進めたのに加え、景況が若干好転し資金需要が上向いたことから、昨年度は各融資制度全体で約20億円の増加と、利用が広まっている。

 貸し出し項目別では、限度額6000万円までの中規模資金に対応する一般設備資金で172件、20億9577万円(運転・設備資金合計)。運転資金は過去5年間の最高額で、件数・金額とも8・7%増。設備資金も件数で83・3%増、金額65%増と好調で、建設業や小売業、サービス業の利用が多い。小規模事業者向けに限度額1250万円まで貸し出す「小口ファイト資金」は57件、2億1945万円で、金額は昨年度同期を下回るが件数が同じと堅調だ。

 また、青森側との企業間連携や、青森産原材料を使用した食品開発、青函地域活性化につながる企業活動などに融資する青函地域活性化資金は3件、2500万円を貸し出し。県内の生協と連携しての販路拡大や、県内企業との新規取引拡大に伴う運転資金などに活用されている。

 一般支援資金の貸し出しは信用保証協会の保証が必要となるが、市商業振興課は「金利が低い分直接的な企業支援につながる。企業側にとっては効果が大きいのでは」とし、今後も積極的な活用を呼び掛けていく方針だ。(千葉卓陽)


◎函館悦山会の古川さん、民謡全国優勝

 民謡団体の「函館悦山会」の古川(こがわ)麻衣さん(30)は、10月に東京・両国国技館で開かれた「民謡民舞全国大会」(日本民謡協会主催)で、全国優勝となる内閣総理大臣賞を獲得した。小学6年生のころから憧れていた舞台で夢をかなえた古川さんは「信じられない気持ち。うれしい」と喜びをかみしめる。

 同賞は、1983年に師匠で祖母の小林基悦さん(76)、2011年に妹の亜美さん(25)も受賞しており、麻衣さんで3人目となる快挙を成し遂げた。

 選曲した歌は、基悦さんの師・佐々木基晴氏が周知を図る「道南口説節」。盲目の女性旅芸人(瞽女(ごぜ))による物語調の口説節がもとになっている。亜美さんも選曲して賞を獲得した思い入れのある歌だ。

 麻衣さんは2年前、こぶしを入れようと力んで身体と声が硬くなってしまう癖を克服するため、普段の稽古に加えてカラオケ練習も始めた。これが功を奏し、昨年4月に札幌で開かれた北海道地区大会で総合優勝を果たした。全国大会の最高部門「内閣総理大臣賞争奪戦」への出場権も手に入れ、より一層の練習に向けて気を引き締めた。特別練習では、思うように表現できない悔しさに涙を流すこともあったという。

 全国大会の本番直前。最後の練習の際、基悦さんの一声で気持ちがほぐれた。「今日は良い調子。そのまま歌っておいで」。会場には、壇上で太鼓を叩く亜美さんや横断幕を掲げて声援を飛ばす約50人の応援団の姿が。柔らかく、大きく、一言一言はっきり歌うことを意識した。同賞に選ばれた麻衣さんは「家族の支えがあってこそ受賞できた。せっかく掴んだ感覚を忘れないよう、これからも練習に励みたい」と語り、これからも邁進し続ける。

 また、同悦山会の函館白百合高3年生の小林樹奈さん(18)は、同大会青年部(29歳以下)で「南茅部鱈釣り口説」を歌い、51人中5位入賞となった。樹奈さんは「初めての全国大会だったけど、入賞できてうれしい」と喜んだ。(斎藤彩伽)