2014年11月27日 (木) 掲載

◎津軽海峡の美食 カレンダーで発信 ガスバリが作製販売 青森の料理人も協力

 函館圏の料理人らでつくる「クラブ・ガストロノミー・バリアドス」(通称ガスバリ、深谷宏治代表)は、道南と青森県の食材を使い料理を紹介する来年のカレンダーを作製し、販売を始めた。青森の料理人と連携し製作するのは初めて。

 カレンダーの作製は7年目。今回は青函広域圏の美食を発信しようと青森県の料理人にも声を掛け、計16店舗が協力。タイトルも「津軽海峡の美食カレンダー2015」とした。青函の料理人が地元食材を使い、季節感あふれるメニューを写真や料理の説明文で紹介している。

 取り上げた食材は、松前のマグロや道産牛、青森県三沢・八戸沖で水揚げされるサクラマス、青森シャモロックなど。県内で開かれる「八戸ブイヤベースフェスタ」など食のイベントも取り上げ、深谷代表は「青函の食を発信するとともに、カレンダーを通じて青函以外の人にも各地域の魅力を広く知ってもらいたい」と期待する。

 大きさは33㌢×33㌢。1カ月1㌻。1部1100円で、4100部限定。道南の飲食店などで販売している。問い合わせはレストラン・バスク(TEL0138・56・1570)へ。(平尾美陽子)



◎全国沿線都市の食や芸能集結 新幹線開業イベント概要発表

 函館市などでつくる市新幹線開業記念イベント実行委員会は、来年度に予定する北海道新幹線の開業前と開業時の記念イベントの概要を発表した。来年6月から2016年3月までほぼ3カ月ごとにイベントを開催。開業日のイベントは「つながるニッポン」をメーンテーマに、北海道から九州・鹿児島まで新幹線で結ばれることを記念し、函館をはじめとする全国の沿線都市のグルメや郷土芸能が集結。新幹線で訪れる観光客らを全市を挙げて歓迎する。

 2016年3月の開業時イベントは、開業日と翌日の2日間、JR函館駅、函館朝市駐車場で開催。市内の人気飲食店や海鮮バーベキューなどを提供する「はこだて食堂」の出店、新幹線で鹿児島まで結ばれることを記念し、東北から九州までの伝統芸能ステージ、ラーメン店出店などを企画。夜には開業までの歩みを紹介する記録映像公開、花火大会、地元アーティストのステージなどを行う。

 また、来年6月の花と緑のフェスティバル、9月のはこだてグルメサーカス、12月のはこだてクリスマスファンタジーの各イベントと連動し、それぞれ300、200、100日前イベントを企画した。

 花フェスでは、来場者と新幹線車両H5系をイメージした花壇をつくるイベントや新幹線クイズなど、グルメサーカスでは、新幹線遊具、新幹線のグランクラスシートの展示などを予定。開業直前となる100日前は東北地域の郷土芸能、ご当地グルメを紹介する。

 イベントの企画運営事業者はプロポーザル方式で募集し、今月6日の審査会で選定。開業時は「北海道ジェイ・アール・エージェンシー」と「電通北海道」、開業前イベントは「電通北海道」を最適提案者として、同実行委で承認した。

 市企画部新幹線開業イベントプロジェクトチームは「市民の開業への機運を盛り上げながら、来函者をお迎えしたい」としている。(今井正一)

 



◎函館ブランド強化、発信 弘前の取り組み学ぶ

 北海道新幹線開業を見据え、官民一体となって函館の効果的な魅力発信の方法を探る「シティセールス プロジェクトチーム(PT)」が26日、発足した。〝オール函館〟の体制で、地域の課題やニーズの情報共有を図るとともに、ブランド力を磨き、広めていくのが狙いだ。函館市内のホテルで1回目の会合を開き、知名度向上を目指した青森県弘前市のシティプロモーションの活動について学んだ。

 北海道新幹線新函館開業対策推進機構(会長・西村憲人函館商工会議所副会頭)が呼び掛け、渡島総合振興局や市内の宿泊、観光施設など約50の団体が趣旨に賛同し、参加している。

 この日は約70人が出席。弘前市の経営戦略部広聴広報課の福田実課長が、同市の取り組みを紹介した。民間事業者や学生が、弘前をPRする動画を制作したことを説明し「地域にあるものに光を当て、魅力の磨き上げを行うことが必要だ」と述べた。また、戦略的かつ効果的に情報を発信するために「官民それぞれの得意分野や知恵を結集して、地域の力にしていくことが大事だ」と強調した。

 PTの活動は来年の夏まで。本年度は月1、2回集まり、新幹線に関する基本情報をはじめ、市内のイベントや新施設などについて学ぶガイダンスをシリーズで行う予定。(山田大輔)


◎伊藤さん、仏の慈善公演でピアノ演奏

 函館のピアニスト、伊藤亜希子さんが10月上旬、フランスで開かれたリサイタル「第6回コンセール・ドゥ・ソリダリテ」(アファニャン、タンギエタ、マダガスカル友の会=AATM=主催)に出演した。スカルなどの名曲をソロで演奏して大好評を得た。アフリカの医療支援をするAATM主催のリサイタルには5年ぶり4回目の出演で、ボルドー、パリで行った2公演の収益金で、アフリカに薬品や本が送られる。伊藤さんは「呼んでいただき、感謝の気持ちで演奏した」と話している。

 伊藤さんは東京芸術大附属音楽高校、同大を卒業、同大学院修士課程を修了後、フランスに留学。当時、世話になったていた日本人夫妻がAATMスタッフと親交があり、慈善公演に招かれたときは自費で渡仏している。伊藤さんは他にも、失業者やホームレスの人のためにパリで開かれたコンサートに出演しており、函館では東日本大震災復興支援のコンサートを主催している。

 会場は、ボルドーのサン=ルイ・デ・シャルトゥロン教会(4日)、パリのサン=ジャン・ドゥ・デュー礼拝堂(7日)。ベートーベン、モシュコフスキ、ファリャなどを約2時間かけて演奏した。繊細かつ情熱的な音色は来場者の心に響き拍手が止まなかった。アンコールで演奏した日本の「ふるさと」には「シューマンの曲か」との質問もあったという。

 ともに約100人の来場があり、入場料と寄付金からの収益金は4394ユーロ(約60万円)となった。帰国後、AATMから「お客さまには素晴らしい演奏を楽しんでいただくことができました。本当にありがとうございました。お疲れが出ないように、そして、ますますのご活躍をお祈りします」とのメッセージが届いた。

 現地では演奏後、「また聞きたい」との声を多く受けたといい、伊藤さんは「援助のために渡仏することは大きな意義がある。また機会があれば」と話している。(山崎純一)