2014年11月28日 (金) 掲載

◎天井や壁に道南スギやレンガ 道新幹線新函館北斗駅 内装工事進む

 【北斗】2016年3月の北海道新幹線開業まで1年4カ月となり、北斗市市渡で本道の新たな玄関口、新函館北斗駅の工事が順調に進んでいる。外装の工事はほぼ終了。天井や壁面に道南スギの取り付けが始まるなど来年6月の完成を目指し、内装工事が本格化している。

 駅舎は鉄道・運輸機構が建設。昨年6月に着工した。鉄骨3階建て延べ床面積は5350平方㍍。そのうち駅舎に併設する施設は、延べ床面積は約1100平方㍍で、中にコンビニや観光案内所、イベントスペースなどが入る予定。

 北斗市は駅舎建設にあたり、地場の道南スギやレンガの活用を要望し、設計に採り入れられた。道南スギは各地で公共施設などに積極的に活用されており、駅舎では天井や壁面の一部に使う。

 木を張り合わせた1本3㍍の集成材を1500本使う。取り付け作業は24日に始まり、作業員が天井に間隔を空けて一本一本平行に組んでいった。同機構北斗鉄道建築建設所の小杉茂樹所長は「スギは柔らかく反りやすいが、集成材を使うことで強度が高まる。地元らしさを演出でき、温もりある空間になる」と話す。

 また、2階の駅務所などの壁面にはレンガを使用。明治時代に開拓使がレンガ工場を同市に設置した歴史にちなんでおり、フランス積みと呼ばれる技法で積み上げている。振動にも耐えられるようにレンガの中をくり抜き、鉄筋を通すなどの工夫もしている。

 駅舎の柱は、ポプラ並木をイメージし、北海道らしさを表現。天井に向かって途中で枝分かれするデザインにしたことが特徴だ。1日からは新幹線の試験走行が予定されている。(松宮一郎)



◎来年の主役「未」ずらり 干支の置物づくり盛ん

 函館市末広町14のガラス工房「ザ・グラススタジオイン函館」(水口議(はかる)代表)で、来年のえと「未(ひつじ)」をかたどった置物作りが盛んだ。職人による緻密で丹念な仕事で、輝く愛らしい姿が完成している。

 水口代表(62)と長男の竜弥さん(35)が息の合った技を繰り出し、1日に2時間ほど作業している。水口代表は約1200度で溶けたガラスを炉から取り出し、細かく切った金箔(きんぱく)と銀箔をくっつけた後、量を増やすためもう一度ガラスを巻き取って体を整形。顔やしっぽ、角は別パーツで表現、10分ほどで出来上がった。

 作業は10月中旬から始め、年末まで大小500個を作る予定。水口代表は「各家庭に飾ってもらい、幸せに1年を過ごしてもらえたらと願いを込めている」と話す。毎年買い求めるファンも多く、この時期の定番商品となっている。

 価格は体長8㌢のSサイズが2484円、同12㌢のLサイズが3780円。問い合わせは同工房(TEL0138・27・1569)へ。(山崎大和)



◎童謡歌唱コンクール 笠原君全国金賞

 「夢じゃないでしょうか」—。函館市千代ヶ岱小5年生の笠原丞(じょう)君(11)は、3日に東京・ゆうぽうとホールで開かれた「第29回寛仁親王牌全国童謡歌唱コンクール」(日本童謡協会主催)の子ども部門で最高賞の金賞に輝いた。受賞した際の喜びのコメントで、会場を沸かせた。

 同部門には、各ブロック決勝大会から勝ち上がった7人が出場。2番手で壇上に上がり、明るい曲調の「かぜよふけふけ」(山元護久作詞、小森昭宏作曲)を表情豊かに元気良く歌いあげた。笠原君は「ちょうどいい順番だったので、あまり緊張しなかったんだと思う。聞いている人にどう楽しんでもらえるかを考えながら歌えた」と振り返る。

 大会1週間まで順調に練習を重ねていたが、学校を休むほど風邪をこじらせてしまった。痛めた喉を治すために吸入もした。何とか大会出場までには体調を万全に整えたが、不安は残ったままだったという。

 リハーサルでは、出場者たちの歌唱技術の高さに驚き、緊張感が高まった。「いつも通り歌えば大丈夫だよ」。落ち着かない笠原君を見かねた家族の声掛けと最後の練習で気合が入り、本番に挑んだ。

 「子ども部門」で金賞を受賞した笠原君の次の目標は、「大人部門」で金賞を取ること。「声変わりのことも考えると出場できるかどうか分からないけど、挑戦してみたい」と意欲をみせる。笠原君を指導し大会でピアノ伴奏を務めた、カワイ音楽教室講師の日向宏美さん(33)は「生まれ持った良い声質の歌声をこれからも響かせてほしい」と期待を込める。(斎藤彩伽)


◎幸せ願い 縁起物作 函館八幡宮

 函館市谷地頭町の函館八幡宮(中村憲由樹宮司代務者)で27日、正月用の破魔矢(はまはや)やおみくじなどの縁起物づくりが始まった。同八幡宮敬神婦人会(勝又チカ会長)の約50人が集まり、おみくじを丸めるなど、今年最後の奉仕に務めていた。

 破魔矢には、来年の干支(えと)の羊が書かれた絵馬を取り付け、ビニールをかぶせた。札は袋に入れ、整理しやすいように数をそろえ、おみくじは棒に巻きつけて丸めていた。

 同会の今千尋副会長は「参拝者が幸せになってほしいと願いを込め、作業している」、鈴木慶子副会長は「毎年、初心に帰り心を引き締めて奉仕しています」と話した。

 作業は28日も行い、破魔矢3500本、鏑矢(かぶらや)450本、おみくじ2万本、札5300枚を準備する。お払いを受け、初詣の参拝客の前に並べられる。(山崎純一)