2014年11月6日 (木) 掲載

◎小田島水産食品「かんずり入りいか塩辛」開発

 今年創業100年を迎えたイカ塩辛製造販売の小田島水産食品(函館市弁天町、小田島隆社長)が、新潟の伝統調味料「かんずり」を使った新商品「かんずり入りいか塩辛」を開発した。これまでにない爽やかでふくよかなうま味が特徴で、確実にファンが増えそうだ。

 かんずりは、塩漬けしたトウガラシを雪にさらしてあくを抜き、こうじやユズなどを加えて発酵させる。新潟ではポピュラーな辛味調味料で、料理の引き立て役として使われる。

 小田島社長が昨年10月、東京でのNPO法人発酵文化推進機構(小泉武夫理事長)の設立記念大会に参加した際、同県妙高市の食品製造販売会社「かんずり」の東條邦昭社長から、かんずりを使った塩辛作りを提案されたのがきっかけ。辛みの入った塩辛を作りたいと以前から考えており、発酵食品同士は相性も良いことから、商品化に向けた研究に着手した。

 試作を重ね、2〜3カ月掛かって完成。上品な辛さがあり、酒のさかななどにぴったりだ。函館空港、丸井今井函館店で販売しており、瓶入り120㌘700円(税別)。

 同社は1914(大正3)年、初代長治さんが食料品店として創業。2代目喜一郎さんが47(昭和22)年塩辛作りを始めた。3代目の小田島社長は「原料のスルメイカの漁獲が減って大変な時代だが、木だる仕込みの伝統を守っていきたい」としている。

 商品の問い合わせは同社(TEL0138・22・4312)へ。(山崎大和)



◎養殖カキの出荷始まる

 【知内】町特産の養殖カキの出荷が5日、上磯郡漁協知内中ノ川支所で始まった。海水温が下がらず例年より5日ほど出荷が遅れたが、品質は上々で年明けのピークに向けてさらに身が大きくなっていくという。

 知内のカキは全国的にも珍しい外海での養殖を行っており、津軽海峡の荒波にもまれることで、臭みのない引き締まった身が育つという。

 同支所の施設では、5日朝から組合員らが専用のナイフを使って手際良く殻から身を取り出していった。その後、滅菌海水で洗浄を行い、函館市内のスーパーに出荷した。

 水揚げは来年5月末ごろまで続き、同漁協では平年並みの45㌧の出荷を見込んでいる。(金子真人)



◎西大沼事故受け会議、はみ出し防止対策へ

 七飯町西大沼の国道5号で10月にトラックと大型観光バスが正面衝突し2人が死亡した事故を受け、第2回の交通事故緊急対策協議会が5日、函館開発建設部で開かれた。函館開建を中心に関係機関が集まり、緊急的に現場を含む5㌔区間でゴム製のポールなどを設置し、はみ出し防止の対策を取ることを決めた。6日に工事を開始する。

 七飯町の宿野辺川橋までの5㌔区間では、過去10年で8件の交通死亡事故が発生している。20人の死傷者が出た10月23日の事故を受けて、道路管理者の函館開建のほか、函館建設管理部、道警函館方面本部、函館中央署、函館市、七飯町、森町などの代表者らが出席し、同26日に第1回の協議会を開催していた。

 緊急対策では①中央線に溝を掘り、乗り上げた際に音と振動でドライバーに伝える「ランブルストリップス」を未設置区間1・9㌔と、カーブ14カ所の中央線内側にも設置②中央線の約2㌔間に「ラバーポール」を取り付ける③道路上に短い線を引くことで幅を狭く感じさせ、速度抑制効果がある「減速マーク」を上下線計約7㌔に表示する—ことを決めた。交通量が多いことから工事は夜間に交通規制しながら行い、30日までに完成の予定。

 函館開建の山越明博次長は「関係機関の理解、協力により早急に具体案ができた。対策で対向車線にはみ出さないようにして、正面衝突を減らしたい。今後、路面が凍って滑り危険になるので、安全運転を心掛けてほしい」と話していた。(小林省悟)


◎北斗に新幹線カラーのバス

 【北斗】北斗市はこのほど、北海道新幹線車両「H5系」のデザインをイメージした大型バス2台を購入し、4日から使用開始した。

 1台は学校の課外活動などで子どもの移動手段に使うバス、もう1台は市民活動用のバス。緑と白に紫の帯が入った新幹線カラーの車体に市民になじみのある絵柄をラッピングした。学校用には海を泳ぐ市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」を、市民用にはトラピスト修道院のイラストをそれぞれ施した。席数は学校用62席、市民用57席。

 既存のバスが18年以上経過し、老朽化したため更新した。購入費用は計6156万円。

 バスを管理する市総務課は「各地を巡る中で北斗市を広く知ってもらう“広告塔”としても期待したい。長く愛されるバスになってほしい」としている。(鈴木 潤)