2014年11月8日 (土) 掲載

◎新ゴンドラで魅力アップ…函館山ロープウェイ

 函館山ロープウェイ(本間秀行社長)は7日、新しいゴンドラ2基の運行を開始した。初日から大勢の観光客や市民が訪れ、新しいゴンドラの乗り心地と大きくなった窓から見下ろす景色を楽しんだ。2016年3月の北海道新幹線開業を見据えた大幅なリニューアル計画の一環で、新時代を迎える準備を着実に進めている。

 ゴンドラの更新は17年ぶり。ほかに山頂展望台と山麓駅の改修工事に着手し、来年11月の完成を目指している。総事業費は16億5000万円。

 ゴンドラはこれまでオーストリア製だったが、大阪車輌工業(大阪市)製に変えた。定員は125人のまま。デザインは公立はこだて未来大との共同研究の成果で、シルバーメタリックのボディーは函館山の自然が映り込むようにしたことが特徴。丸みを帯びた形は新幹線をイメージしたという。夜間には底面のLEDが光る仕組みも取り入れた。

 運行開始前に開かれた式典には関係者約30人が出席。本間社長や工藤寿樹市長らがテープカットで完成を祝福した。遺愛幼稚園の園児が招待され、空中散歩を満喫。井上綱ちゃん(6)は「景色がきれいで楽しかった。また乗りたい」と笑顔で話した。

 また、山頂展望台では新幹線開業をPRするイベントもあり、園児と管内のご当地キャラがそろってアピールした。

 本間社長は「新幹線時代を迎える第一歩を踏み出した。ゴンドラはスタイリッシュで機能性にも優れている。昼夜問わず眺望を楽しんでもらいたい」と語った。9日は市民感謝祭で、午前10時から午後9時まで無料で搭乗できる。(松宮一郎)



◎ななみつき7玉5万円 初競り

 蜜入りで甘みが強くジューシーな果汁が特徴の七飯産の高級リンゴ「ななみつき」の初競りが7日、函館市青果物地方卸売市場であり、きり化粧箱入り7玉5万円の高値が付いた。<br>
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 初競りには、きり化粧箱(7、8、9玉)3ケース、段ボール化粧箱(8、9、10、11玉)34ケースの計37ケースが上場。きり化粧箱は8玉3万円、同9玉2万円で競り落とされ、丸井今井函館店、かね万むさしや本店(本町31)、道南ラルズの店頭に並んだ。<br>
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 競りを見守った生産者の後藤英哉さん(43)=鳴川4=は「(高値は)ありがたいの一言。今年は風の影響で傷果が出るなどして苦労した。蜜入りも良く味は保証できる」と話した。<br>
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 町果樹組合ななみつき部会(宮田宏之部会長、15戸)が品種「ぐんま名月」から選別し、品質にあった果実をななみつきとして販売。2007年から町内で栽培が始まり、実は黄色で少し赤みが差す。JA新はこだて七飯基幹支店によると、今年の出荷量は前年並みの3〜4㌧を見込む。(山崎大和)



◎妖怪ウォッチ 函館でも人気

 幼児や小学生を中心に、ゲームやアニメが全国的に爆発的な支持を得ている「妖怪ウォッチ」が、函館でも大人気だ。関連グッズは品薄状態が続き、入荷があるたびに販売店では商品を買い求める客で長蛇の列が出来るなど、空前の妖怪ウォッチブームとなってている。

 妖怪ウォッチは、2013年7月に、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」のゲームソフトとして発売された。同年11月にコミック雑誌の掲載、今年1月にアニメ放送が開始され、一気に人気に火がついた。不思議な時計をもらったことから妖怪が見えるようになった主人公が、町の妖怪を倒し、仲間になってもらいながら町で起こるいろいろな問題に挑むというストーリー。

 関連商品で人気を誇るのが、アニメで主人公が使用する腕時計を模した玩具「デラックス妖怪ウォッチ」と、ゲーム機などと組み合わせて遊ぶ「妖怪メダル」。函館市内で販売している店舗では、いずれも入荷未定となっている。

 イトーヨーカドー函館店(美原1)では10月30日から今月3日にかけてグッズを日替わり販売したところ、購入に必要な抽選権を求めて5日間とも開店前から長い列ができたという。

 特に2日は、56個提供される腕時計型グッズ「デラックス妖怪ウォッチタイプ零式」を求めて253人が集まった。購入権を得た本通中1年の玉井航君(13)と恩田智弘君(12)は「並んだかいがあった」とはしゃぎながら話していた。

 同店の宮本政和催事担当マネージャーは「メダルはコレクション要素が高く、大人のほうが夢中になっているケースもある」と話す。

 12月にはアニメの劇場公開も予定されており、宮本マネージャーは「しばらくこの勢いが続くのでは」としている。(山田大輔)


◎大妻高 全国での活躍誓う…介護技術コンテストに初出場

 函館大妻高校(池田延己校長)福祉科の生徒3人が、9日に宮城県で開かれる全国高校生介護技術コンテスト(全国福祉高等学校長会主催)に北海道代表として初出場する。仲間のサポートを受けながら、競技本番に向けて練習を重ねている。

 出場するのは、3年生の西口真由さん(18)と天内朱夏さん(18)、2年生の浜田由奈梨さん(17)。7月下旬に行われた北海道地区審査では、介護を必要とする人をベッドから起き上がらせ、車いすに乗せるまでのシナリオを作成して提出。5校が参加し、福祉関連の高校教諭による審査で、総合点数で1位を獲得した。

 全国大会の競技は、2人1組で実施。右半身がまひした人を起き上がらせ、カーディガンを着せて歩行、クリスマスの飾り作りを介助する想定で行われる。審査では技術のほか、根拠に基づいた行動かどうかを判断。指導する石名坂泉貴教諭は「出場する11校全てが同じ課題を披露するため、声掛けや目線、トラブルへの対応力が差を生む」と話す。

 10月上旬に課題が届き、週4回放課後に練習に励んできた。気付いた点や改善すべき点を話し合い、意見を取り入れながら何度も試行錯誤。そのサポートに尽力したのが寺村優菜さん(18)=3年=だ。進学試験が重なり、競技には出場できないが「悔いの残らないよう、練習の成果を発揮してきてほしい」とエールを送る。

 西口さんは「部活や受験勉強との両立が大変だったが、日本一を目指して頑張ります」と気合十分。天内さんは「笑顔で自信を持って臨みたい。奥尻島に住む両親にいい報告をしたい」と抱負を述べた。(稲船優香)