2014年12月17日 (水) 掲載

いさり火 神秘的 津軽海峡でけあらし

 津軽海峡の海面で15日深夜、蒸気霧「けあらし」が発生した。イカ釣り漁船の集魚灯の光が周囲を照らし、漆黒の海に白く揺らめく霧を浮かび上がらせ、神秘的な雰囲気となっていた。

 けあらしは、寒さが厳しくなった時、冷たい空気と暖かい海面の温度差で発生する。本道では真冬の風物詩とされるが、夜に閃光を受けて見られるのは函館ならでは。この日は光が屈折して漁船が浮かび上がるように見え、上空に鳥が飛び交う様子も見られた。  (山崎純一)



福袋に「夢」詰め込む 棒二森屋で作業始まる

 棒二森屋(若松町17、岩岡正剛店長)で16日、来年1月2日の初売りで売り出す「2015年新春縁起福袋」の袋詰め作業が始まった。

 毎年末恒例。ことしも1万800円の福袋80個と3万2400円の福袋20個を用意している。消費税増税の影響で買い物を控えていた客層にも喜ばれるように、昨年より中身を厳選。品目の種類も増やし、ブランド品を充実させた。

 また、電気料金値上げに伴い、毛布やムートンスリッパといった室内で電気を使わずに温まれる商品も入れているほか、調理器具など10点前後を袋いっぱいに詰めている。さらに、1万円の商品券や食品ギフトなどが当たる「お楽しみ抽選券」も付く。

 この日は法被姿の女性店員4人が丁寧に袋詰め作業を行った。同店は「ぜひお早めにご予約ください」と呼び掛けている。予約は、同店本館7階の商品券売り場で受け付けている。 (斎藤彩伽)



「大間」安全審査を申請 建設中は初 函館市「遺憾」

 電源開発(東京)は16日、青森県大間町で建設中の大間原発の稼働に向け、新規制基準への適合審査を原子力規制委員会に申請した。建設中の原発による申請は、新基準施行後初めて。同社は審査を経て、2021年度中の運転開始を目指すとしている。同社と係争中の函館市は「遺憾」と反発した。

 申請では、基準地震動を従来の450ガル(加速度の単位)から650ガルに引き上げ、想定する津波の最大値(基準津波)も現行の4・4㍍から6・3㍍に見直す。新基準を踏まえた安全強化対策工事費は約1300億円としている。

 審査期間を1年程度と想定、2020年12月に工事完了し、試運転を経て21年度中の運転開始を目指す。同社は「今後規制委の審査に適切に対応し、自主的な安全対策などを進め、一層の安全性向上を不断に追求していく」としている。

 同原発はウランとプルトニウムを混合したMOX燃料を段階的に燃やし、最終的に全炉心に装荷する計画。2008年5月に着工、11年の東日本大震災で工事を一時中断したが、12年10月に再開している。津軽海峡をはさんで同原発から最短23㌔に位置する函館市は今年4月、建設差し止めを求め、同社と国を相手に提訴している。

 市は「電源開発はいまだ住民の不安に対する責任を果たそうとせず、稼働ありきとして設置変更許可の申請をしたことは誠に遺憾。今後も裁判を通じて建設差し止めを求める」とコメント。住民訴訟を起こしている大間原発訴訟の会の竹田とし子代表は「大間はMOX燃料を全炉心に装荷するので、被害面積はウラン使用の原発に比べて4倍になる。ほとんどの函館市民や道南住民は逃げることができない。住民への説明は電源開発の義務」と指摘している。

 一方、大間町の金沢満春町長は「ようやく申請の日が来たという思い。原発を誘致し、推進してきた町にとっては歓迎すべきこと」と話した。

 原子力規制委員会は函館市との裁判にかかわらず慎重に審査する方針で、フルMOXの商業炉は世界初となることから、審査が長引く可能性もある。 田中俊一委員長は11月19日の会見で、フルMOXに関し「昔計画を立てたから、そのとおりに進めなければいけないということもないのだろう」と言及。さらに「MOXの使用済み燃料を再処理するための新たな処理工場を造らなくてはいけない」と述べ、審査の焦点になる可能性を示唆している。 (千葉卓陽)


英語スピーチコン道大会で最優秀賞 油川さん、石戸君全国へ

 函館市本町の大文堂外語スクール(渡辺晃代表)に通う油川紗葵(さき)さん(12)=駒場6年=と石戸凜太郎君(13)=附属1年=が「全国ジュニア英語スピーチ・コンテスト」の北海道ブロック大会で、小・中学生の部でそれぞれ最優秀賞に輝いた。2月に東京で開かれる決勝大会に出場する。同スクールからの出場は5年連続で、両部門の同時出場は「10年以上ない」として喜びに沸いている。

 コンテストはステップワールド英語スクール運営する日本LL教育センター(東京)が主催し、今回で37回目。道ブロック大会は7日に札幌市で開かれた。小学生は課題文を暗唱し、中学生は実体験に基づいた自作英文によるスピーチを行う。教室大会を経て開かれた道大会には、小学生7人、中学生6人が出場した。

 油川さんは日本昔話の「Treasure clogs」(宝のげた)を披露。「どちらも『いくつか』の意味を持つ『some』と『any』を覚えるのが大変だった。まさか最優秀賞を受賞できるとは」と話す。5年前から同スクールに通い、「スピーキングとリスニングが好き」と笑顔を見せる。

 石戸君は「A Road to a Paleontologist」(古生物学者への道)と題してスピーチ。昨年の夏休みに古生物の図鑑を作るなど、夢に向かって努力していることを表現した。現在実用英語技能検定(英検)2級の実力で、「外国人との会話力を上げたい」と話す。

 油川さんは「登場人物の心情を考え、自分が満足いくスピーチにしたい」と意気込み、3年連続の決勝大会出場となる石戸君は「話し方にメリハリを付け、今度こそ決勝大会での最優秀賞を獲得したい」と力強く語った。  (稲船優香)