2014年12月18日 (木) 掲載

本町の新複合ビル着工…旧グルメシティ跡地

 函館市本町の旧グルメシティ五稜郭店跡地に建設するマンション併設の新ビルの地鎮祭が17日、同跡地で開かれた。事業を手がける特別目的会社「SPC函館本町開発」の布村隆二社長をはじめ、市関係者、設計、施工事業者ら約70人が参列し、2016年12月の完成を目指し、工事の安全を祈願。布村社長は「市民が毎日足を運び、誇れるビルにしたい」と話している。

 市中心市街地活性化基本計画における函館本町地区優良建築物等整備事業として整備。昨年1月に設立したSPC社が、09年に閉店した旧グルメシティを取得し、今年4月から解体を進めてきた。

 新ビルは地上19階、地下1階の鉄筋コンクリート造一部鉄骨造で、敷地面積は2245平方㍍、延べ床面積1万5868平方㍍。地上からの高さは72・3㍍となる。地下1〜地上3階が物販テナントを中心とした商業施設、4階には市が整備する「市民交流プラザ」が入居する。

 マンション部分は大和ハウス工業が手がけ、名称は「プレミストタワー函館五稜郭」で、市内に準備室を立ち上げた。2LDK〜4LDK(約77〜134平方㍍)の全73戸で販売価格、販売戸数は未定。同社の担当者は「市内最高層の物件として、シニア層を中心に幅広い層に関心を持ってもらいたい」とし、来年3月に現地付近でモデルルーム開設、同4月末の販売開始を予定している。

 地鎮祭終了後、布村社長は「入居テナントは物販が中心で半分ほどが決まり、ご期待頂きたい。丸井今井函館店との相乗効果を図れるようにしたい。市民が誇りを持ち、このビルで働きたいと思えるような場所にしていきたい」と話していた。(今井正一)



「ピープス」最高賞…日本タウン誌・フリーペーパー大賞

 函館蔦屋書店が発行するフリーペーパー「peeps hakodate(ピープス・ハコダテ)」が、全国のタウン誌などを審査する「日本タウン誌・フリーペーパー大賞2014」(一般社団法人日本地域情報進行協会主催)で最高賞の大賞を獲得した。編集長の吉田智士さん(39)は「歴史や文化の層が厚く、魅力的な人が多い函館だからこそ成立した雑誌。函館に取らせてもらった賞」と喜んでいる。

 同大賞は今年で4回目。全国各地から238点のエントリーがあった。「peeps」は昨年12月、蔦屋書店のオープンに合わせて創刊。「函館の新しい『好き』を見つけるマガジン」を掲げて、毎月発行している。

 これまでに本や音楽、喫茶店、焼き菓子など多彩なテーマで特集を組み、函館に住む人や歴史を掘り下げてきた。

 受賞に際しても審査員から「函館での暮らし、函館の人々がさまざまな切り口で丁寧に紹介され、函館に行ってみたいと思わせてくれる雑誌」と、高い評価を得た。「いいものを作っているという自負はあったが、まさか日本一を取れるとは思っていなかった」と吉田さん。「『函館に行きたくなる』というコメントをもらったことが何よりうれしい」と笑顔をみせる。

 雑誌は同店などで無料で配布しているが、毎月あっという間になくなる人気ぶり。吉田さんは「地域への定着はまだこれから。函館の人たちになくてはならないと思ってもらえるような雑誌に育てていきたい」と語った。(松宮一郎)



秋サケ 4年ぶり100万匹超…渡島 定置網漁ほぼ終了

 渡島管内の今季の秋サケ定置網漁が、ほぼ終了した。漁獲量は前年同期比31%増の126万匹(10日現在、速報値)となり、2010年以来4年ぶりに100万匹を超えた。漁獲金額は同58%増の20億4744万円と好調で、過去10年で3番目の高水準となった。

 渡島海区漁業調整委員会によると、漁獲量は噴火湾(長万部—森町砂原)が同60%増の53万匹、道南(鹿部—松前・白神岬)が同16%増の73万匹。漁協別では管内14漁協のうち、鹿部、えさん、松前さくらを除く11漁協で前年を上回り、長万部は前年の2・3倍という高い伸びを示した。

 金額は、過去10年では09年の30億3993万円、06年の24億8451万円に次ぐ規模となった。

 同委員会は「漁獲量は近年の低迷から脱したものの、過去10年平均(155万匹)には届いていない。金額は10年平均(18億3097万円)を上回っており、円安の影響や全道的な不漁などが単価に反映されたのでは」としている。

 管内の秋サケ漁は9月5日に解禁され、漁期は一番遅い地域で今月25日まで。

 全道の漁獲量は同16%減の3200万匹(10日現在、速報値)と振るわなかったが、金額は同4%減の537億円となり、2年連続で500億円を突破した。(山崎大和)


地域住民 キャンドル作り…24日にローマへの道冬物語

 【北斗】トラピスト修道院(三ツ石)へ通じる並木道に手作りのワックスキャンドルを並べ、幻想的な雰囲気を演出するイベント「ローマへの道冬物語」が、クリスマスイブの24日午後5時から開かれる。キャンドル作りなど地域住民が準備を進めている。

 2012年冬から開催し、ことしで3回目。道南各地の国道沿いなどにワックスキャンドルを並べる「シ—ニックdeナイト」の開幕イベントにもなっており、今回は前回よりも200個多い500個のキャンドルを並木道や国道沿いに並べる。

 今年は静寂を重視して昨年実施した花火は打ち上げないが、函館のハンドメイドアーティスト、sayuri(サユリ)さん提供のキャンドルを正門前に設置する計画。市で行っている並木道の石畳風舗装工事も開催前に完成する見通しだ。

 ワックスキャンドルの製作活動は6日に石別住民センターで行われ、町内会員や小・中学生ら約50人は約200個のキャンドルづくりに精を出した。

 シーニックdeナイト実行委代表、折谷久美子さんが指導。昨年のイベントで破損したキャンドルを細かく砕く班、液状のろうを牛乳パックの中に入れて型を作る班などグループごとに作業し、参加者はろうの入った牛乳パックを転がしたり、出来上がったキャンドルに電動ドリルで穴を開けたりした。

 実行委員長の山田淳一さん(49)は「地域の有志で作ったキャンドルが新しい石畳風の並木道を彩ってくれるはず。来場者の心に残る聖夜になるよう迎えたい」と話す。

 問い合わせは同事務局(石別中)℡0138・75・3006。