2014年12月24日 (水) 掲載

迎春準備 門松づくり最盛期

 函館市石川町の桔梗造園(山本久明社長)では、正月に華を添える門松づくりがピークを迎えている。今年は25組を制作。作業場には出番を待ちわびる門松がずらりと並ぶ。

 12月上旬頃から常連を中心に注文が入り、7人の職人が縄を巻いた土台のたるの中に砂と竹を入れ、松の葉や枝、造花の梅などをあしらい制作。1斗たる(1・2㍍)、2斗たる(1・6㍍)、4斗たる(1・9㍍)と使うたるによって高さが異なるほか、竹の上部を切らない種類の門松もある。価格は1組約4万円〜10万円。出荷のピークは26日で、函館市内・近郊の店舗やホテルなどに彩りを届けるという。

 職人5年目の秋葉栄一郎さん(27)は「良い正月となるよう願いを込めて制作している」と話していた。(稲船優香)



東京のアンテナショップ開設3年、駅前再開発で売り上げ改善

 函館市が、東京都中央区のローソン京橋駅前店内にアンテナショップ「函館もってきました。」を開設し、3周年を迎えた。市経済部によると、1日平均の売り上げは約1万7000円で、11月現在で前年比145%増と改善。京橋駅前再開発に伴って人の流れが変わり、大幅増につながったとみられる。18日からは3周年感謝イベントを断続的に開いており、新規ファンの掘り起こしに力を注ぐ構えだ。

 ショップは地場産品の販路拡大やブランド化を目指し、函館物産協会に運営委託して2011年12月に開設。店の一角に約13平方㍍のコーナーを設け、食品、飲料を中心に約130アイテムを販売している。

 市商業振興課によると、現在の客平均単価は約250円と、安めの商品が人気。今年11月現在ではいかめし、トラピストクッキーとホタテ貝柱が売り上げ上位を占めており、人気キャラクター「イカール星人」グッズや、函館少年刑務所の「マル獄」関連商品も人気を集めている。

 昨年度の1日平均売り上げは1万3000円台で推移していたが、今年3月から急激に上昇。9カ月連続で対前年比を上回っており、多い時で1日2万円を超える日もあるという。東京駅丸の内口に程近い同地区では超高層ビルが相次いで建設されており「消費税率引き上げの影響はなかった。ビジネスマンの流動性が高まり、新規来店者にとって目新しさがあったのでは」(同課)とみている。

 18日から3周年感謝イベントを展開。アンケートの回答者に塩ラーメンのプレゼントや新商品の試食会を行ってアピールする。また20日からは、ショップで扱う商品を2割引きで販売している。

 市や物産協会は販売するアイテムを頻繁に入れ替え、来店客を飽きさせないための工夫を続けていく考え。同課は「3年続けてきたことで、ノウハウも蓄積されてきた。特産品とともに、北海道新幹線開業を控える函館の観光PRにも力を入れていきたい」としている。(千葉卓陽)



美原保育園が最優秀、ソニー幼児教育支援プログラム

 ソニー教育財団(中鉢良治会長)が教育実践と計画をまとめた論文を表彰する「ソニー幼児教育支援プログラム」で、函館美原保育園(松本啓園長、園児107人)が最優秀園に輝いた。函館初の快挙に松本園長は「初めての応募でまさか最優秀賞を受賞できるとは」と喜びと驚きでいっぱいだ。

 同プログラムは、「『科学する心を育てる』幼児教育実践と見通し」をテーマに2002年から実施。全国の幼稚園と保育所、認定こども園から94件の応募があった。同園の論文「科学する心の芽を育てる保育〜保育士の援助と視点について『氷作り』と『種から種へ』より〜」は、「共有や話し合いに重きをおいた保育展開と工夫が他園の参考になる」と評価を受け、最優秀園2園に選出。賞金100万円とソニー製品が贈られる。

 同園の論文は、2009年に国の保育所保育指針の改定後、より子どもたちの「気付き」や関心事に寄り添った継続的な取り組みを目指したことを紹介。

 具体的には、12年度の5歳児が氷作りに挑戦し、水に色を付けたり、凍り方のメカニズムを考えたりしたほか、13年度の5歳児は、種からの野菜栽培にチャレンジ。種に異変が起こると、園児が図鑑を見ながら話し合い、原因を突き止めた。松本園長は「随時湧き上がる子どもの疑問。主体的に調べ、解決できたときの『自分でやった』という気持ちが自己肯定感を生む」と話す。

 調べることが習慣となった園児は、ロケットを作るなど職員を驚かせることもある。そうした子どもたちの思考のプロセスを保育士が写真などを使って明示する「ボードフォリオ」を園内に掲示。現在も行っており、保育士の考え方や子どもの成長を読み取れ、保護者にも好評だという。

 松本園長は「論文をまとめて分かったのは、園の取り組みが知らず知らずのうちに保育所保育指針の『自分で考え自分で行動する』や『生活の中で、さまざまなものに触れ、性質や仕組みに関心を持つ』などに当てはまっていたこと。保育士は自分たちの保育の良さに気付き、課題も見つけられた」と振り返る。

 表彰式は来年1月24日に東京都のソニー本社で行われる。(稲船優香)


ふくしまっ子が道南入り

 【七飯、森】福島県内の子どもたちを対象とした自然体験活動「ふくしまキッズ冬プログラム」に参加する子どもたちが23日、道南入りした。参加者は29日まで大沼ふるさとの森自然学校(町東大沼294、流山温泉)を拠点に、雪を使った冬ならではの道南を楽しむ。

 同プログラムは、2011年の東日本大震災で起こった、福島第一原発事故の影響を受けている子どもたちに、自然の中で思い切り楽しんでもらおうと企画。プロ㌘は北海道のほか、福島県や神奈川県、石川県など6地域で開催する。

 「大沼プログラム」の参加者38人を乗せた列車は強風などの影響で遅れ、午後5時過ぎにJR函館駅に到着、初日の宿泊先となっているネイパル森へと移動した。子どもたちは思わぬアクシデントにも疲れを見せず、元気な顔で学生ボランティアと対面し、夕食を取りながら早速親睦を深めていた。

 福島市から参加した石川龍君(11)は「友達をたくさん作って、雪遊びがしたい。すごく楽しみ」と期待に胸を膨らませていた。

 子どもたちは滞在期間中、屋外で雪遊びなどをして楽しむほか、26、27日には厚沢部町や江差町、八雲町などで一般家庭にホームステイする民泊体験や、合宿体験を行う。(野口賢清)