2014年12月29日 (月) 掲載

正月飾りずらり 歳の市にぎわう

 正月飾りなどを販売する毎年恒例「歳の市」が函館市内で開かれている。函館歳の市商業組合(柴田任弘組合長)に加盟する6店が中島町(中島廉売)、松風町(大門地区)、湯川町に出店。新春を彩る縁起物を買い求める客でにぎわっている。

 中島町には3店が軒を連ねる。約60年にわたり出店する丸山商店(丸山信由店長)では、神棚用の「ごぼう〆(じめ)」やまゆ玉など、全て手作りの縁起物約30種類を販売。しめ飾りは大小さまざまなものがあるが、一番の売れ筋は1000円ほどの玄関用で、最近はリース型も人気だという。

 丸山店長(64)は「スーパーやホームセンターでも縁起物が売られるようになり、露店数は年々減少しているが、毎年顔なじみのお客さんとの会話が楽しくて、『まだまだ頑張らなくては!』と思う」と笑顔。家族3人と訪れた上野矢功一さん(42)は「毎年同じ店で縁起物を購入している。来年は家族みんなが元気に過ごせる1年にしたい」と話していた。同店長によると客足のピークは30日で、31日の午後4時頃まで営業する。  (稲船優香)



2月合唱劇「森は生きている」 本番向け練習に熱

 【北斗】北斗市内、近隣の合唱愛好者ら有志でつくる「永遠(とわ)にあかるく音楽会実行委員会」(熊本昇代表)は来年の2月15日午後2時から、同市総合文化センター(中野通2)で、合唱劇「森は生きている」(サムイル・マルシャーク原作)を上演する。今月中旬から通し稽古が始まり、出演者は1カ月余りに迫った本番に向け、演技や歌唱のレベルアップに励んでいる。

 合唱劇の上演は5回目。同作品はオペラ劇団「オペラシアターこんにゃく座」(川崎市)が継続的に公演していて、今回、劇団代表の萩京子さんが合唱劇用にアレンジした。

 劇はわがままな女王のおふれで、主人公の娘が春に咲くマツユキ草を探しに冬の森に行くところから始まる。ソロや混声などによる36曲を織り交ぜながら、物語が展開されていく。

 今回、キャストや合唱団を含め約50人が出演。裏方も含めると総勢80人が劇に参画する。

 主人公である娘や女王、1〜12月の精など28の配役があり、今回初めての試みとしてその一部をオーディションで選考した。娘役には宮嶋優有さん(道教育大附属函館小6年)、女王役には平田菜乃花さん(北斗上磯中2年)が選ばれた。

 今月19日には初めて通し稽古を実施し、萩さんの特別レッスンを受けた。萩さんは通し稽古を一通り見た後、各出演者に細かい所作や位置取りを指摘し、出演者も試行錯誤しながら役作りに取り組んでいた。

 萩さんは「合唱劇でやるのは大変だと思うが、ぜひ挑戦してほしい」と出演者に期待を寄せる。

 宮嶋さんは「演技は難しい部分もあるが、やりがいがある」、平田さんは「(女王は)悪役のような振る舞いから改心していく役柄なのでしっかり役作りしていきたい」とともに意気込みを見せていた。

 入場券は大人1000円、高校生以下500円。同センターや公民館、松柏堂プレイガイドで扱っている。

 問い合わせは熊本さん(電話0138・73・6381)へ。 (鈴木 潤)



特養など居住系介護施設 来年度、定員300人増へ

 函館市は、来年度から特別養護老人ホームなど居住系介護サービス施設の定員数を約300人増やし、入所の緊急度が高い待機者の受け入れ態勢を整える方針だ。市は来年3月までに策定する「第6期介護保険事業計画」(2015年〜17年度)で、介護施設の入所定員を定める構えだ。

 今年6月に実施した介護保険施設などの入居申し込み状況調査では、総申込者6011人のうち、重複して施設に申し込んだ市民や死亡者、市外在住者などを除いた有効申込者(=待機者)は2210人だった。

 市介護保険課によると、居住系介護サービス施設の現在の定員数は4682人。また、日常生活を送る能力がかなり低く、要介護4〜5と判定され早急に施設での受け入れが必要な待機者は、12月末時点で約305人としている。12月の市議会定例会で市は、申し込み状況調査などを基に、要介護者の対応を優先的に検討する考えを示している。

 市は施設の定員数確保とともに、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、在宅ケアなどのサービスを関係者が連携して提供する「地域包括ケアシステム」を推進している。今年7月からは、一度離職をしたり家庭に入ったりしている介護の有資格者雇用を支援する委託事業「地域人づくり事業」も施行し、介護サービスの人材確保を進めている。同課は「事業者や医療機関との連携を密にし、バランスの取れた施設整備や在宅ケアを進めていく必要がある」としている。(蝦名達也)


スルメイカ漁低調

 函館近海のスルメイカ漁が、低調なまま今季の終了を迎えることになりそうだ。函館港近海釣りイカ(冷凍船、トラック便除く)の水揚げ量は、6〜12月中旬の累計で前年比11%減の706㌧となり、最終的には不漁だった昨季トータル(927㌧)を下回る見通し。漁業者にとって厳しい結果となる可能性が高い。

 今季は、漁期前半(北上群)にピークが見られず低調に推移。後半(南下群)は10月下旬から漁獲が上向き、10月122㌧、11月199㌧と2カ月続けて前年を上回った。11月は過去10カ年平均(2004〜13年)の159㌧も超え、年間の単月ピークとなりそうだ。

 好漁の要因について、道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主査は「今年は秋の海水温が過去3年に比べて低かったので、南下群の来遊が早かった。そのまま函館近海に漁場形成が長期間続いた」とみている。

 函館市漁協(橘忠克組合長)は「10、11月は盛り返したが、漁期トータルで見ると振るわない。12月に入ってからも、しけの影響で操業できたのは計14日(25日現在)。品薄感もあって競り値はまずまず」としている。

 澤村研究主査は「水温低下に伴い、イカも南下していく。函館沖に漁場形成が長期間続くとは考えにくいので、例年通り来年1月前半ごろまでに漁期は終わるだろう」と話している。漁期は1月末まで。(山崎大和)(今井正一)