2014年12月5日 (金) 掲載

◎「そこのみにて光輝く」監督賞トロフィー 市文学館に寄贈

 第38回モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞した「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)を企画・製作したシネマアイリス(函館)代表の菅原和博さんが4日、函館市文学館(末広町22、藤井良江館長)を訪れ、同館に同賞のトロフィーを寄贈した。原作者の故佐藤泰志さんの直筆原稿などが並ぶコーナーと一緒に展示される。

 函館出身の佐藤さん(1949〜90年)は「きみの鳥はうたえる」や「そこのみにて光り輝く」などの作品があり、芥川賞候補に5度選ばれながらも賞を逃すなど不遇の作家だった。トロフィーは佐藤さんに賞を捧げたいという呉監督の強い意向で、同館に寄贈することになり、託された菅原さんが同館に届けた。

 菅原さんは「ロケには多くの人が携わっているので、たくさんの人にトロフィーを見てもらいたい」とし、藤井館長は「すばらしいトロフィーを寄贈いただき、大変ありがたい。映画関連の資料と一緒に展示したい」と話す。

 「そこのみにて光輝く」は函館を舞台に希望を失った男と愛を諦めた女との姿を描いた。第87回米アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表にも決まっている。(平尾美陽子)



◎函館市4〜9月 観光客入り込み316万人 前年比2・8%減 外国人宿泊は最高14万人

 函館市は4日、本年度上期(4〜9月)の観光客の入り込み数(推計値)を発表した。総数は316万2000人で前年度同期比2・8%(9万人)の減少。昨年と比べ、来函を動機付ける好材料がなかった一方、宿泊客数が過去最高の14万人を突破した海外客やクルーズ客船の寄港数増加が下支えした。市は下期(10〜3月)は前年度並み(約156万人)を見込んでいる。

 入り込み客数は交通機関別の利用者数を基に推計、外国人宿泊客数は市内の宿泊施設への聞き取りでまとめた。市観光課は上期の減少の要因を昨年夏の競馬長期開催やGLAYライブの反動減とし、全国的な傾向として、大阪市内のテーマパークの新規アトラクション開業など「西日本に向かう傾向があった」と分析した。

 交通機関別では、事故や不祥事の影響が尾を引き、JRは同9・2%減の69万5000人。バス、乗用車も減少した。航空機は、国際線が2割増え、国内線の減少分をカバーし、同6・3%増の38万5000人、船舶は上期に32隻寄港したクルーズ船が後押しして、同25・2%増の20万7000人だった。月別では4、5月を除き、6月以降は前年度を3・8〜4・9%下回った。

 過去最高となった外国人宿泊客数は同4・3%増の14万473人。国別では、台湾が全体の72%を占めて10万1050人。中国が前年度の4500人から1万3128人に急増したほか、東南アジアのマレーシア、タイ、インドネシア3カ国からの客数も大幅に伸びた。香港、韓国からは激減した。

 市は下期について、例年、冬の北海道人気に支えられ、東アジア各国からの外国人客が増える傾向にあり、市内のイベント充実も好材料になるとみている。同課は「中国本土からの観光客増加は全国的な傾向で、東南アジア各国は今後も伸びしろがある。11月から運航が始まった中国・天津、今月はマレーシアのチャーター便があり、外国人宿泊客は年間30万人台も期待できる」としている。

 また、来年度の見通しとして、北陸新幹線開業の影響を考慮。一方で、8月にオープンする函館アリーナ開業がプラス要素になるとし、同課は「北海道新幹線開業へのステップになる年にしたい」としている。(今井正一)



◎忘年会シーズンに深夜便 市電と函館バス 5日から

 函館市企業局交通部、函館バスは5日から20日までの毎週金、土曜日の計6日間、市電、バスの深夜便を運行する。市電は最終便の後に2便を増便、バスは函館市本町から七飯町方面、北斗市上磯地区方面を各2便運行。忘年会後の帰宅手段として、利用を呼び掛けている。

 「ミッドナイトトラム」は4年目、「ミッドナイトバス」は昨年に続いての取り組み。昨年は7日間で市電364人、バス130人が乗車し、利用者に好評だった。

 市電の増発便は湯の川発で、谷地頭行きが午後10時16分、函館どつく前行きが同10時46分発。折り返しは谷地頭同11時1分発、どつく前同11時半発となる。

 バスは市電との接続を考慮。33系統は五稜郭シダックス前から美原、桔梗、大中山を経由しななえ新病院まで。81系統は五稜郭ニッセイビル前から港、北斗市久根別、富川会館前に向かう。それぞれ午後10時40分、同11時40分発の各2便。終点までの所用時間は35分程度で途中の各バス停からも乗車できる。

 両事業者は「深夜でもお得に自宅近くまで利用できるので、忘年会後にゆったり、のんびりとバス、電車を利用してほしい」としている。運賃はそれぞれ通常時と同額となる。問い合わせは市電が事業課(TEL0138・52・1273)、バスは昭和営業所(TEL0138・41・2954)へ。(今井正一)


◎マクドナルド松風店 5日オープン 大門地区に27年ぶり再出店

 函館市松風町の電停付近に5日、日本マクドナルドが大門地区に27年ぶりに再出店する。ドライブスルーを完備した24時間営業の店舗で、開店初日はオープニングイベントとして、エコバッグなどのプレゼントを行う。

 函館松風店は、約110坪の平屋建て。100の客席があり、駐車場は44台の車を収容できる。市内には松風店以外に、昭和・鍛治・イトーヨーカドー・湯川生協に4店舗展開している。

 同社は1984年10月、大門地区に「函館店」を出店したものの、わずか3年あまりで閉店。今回の再出店について、同社広報部は「ドライブスルーを設置したというのが以前との大きな違い。交通量の多い駅周辺の道路沿いのエリアで、出店できる土地を探していた」としている。

 5日は午前8時にオープン。店内で商品を購入した先着100人にエコバッグを贈呈する。また、午後5時から同じく先着100人にタオルハンカチをプレゼントする。(山田大輔)