2014年12月6日 (土) 掲載

◎イルミナシオン映画祭が開幕

 

 第20回函館港イルミナシオン映画祭(同祭実行委主催)が5日、開幕した。金森ホールで開幕式が開かれ、駆け付けた大勢の市民らが映画の魅力を満喫した。

 同映画祭は1995年に「函館山ロープウェイ映画祭」として始まった。今年は7日まで、金森ホール、函館山頂クレモナホール、市地域交流まちづくりセンターの3会場で約50作品が上映される。

 開会式で米田哲平実行委員長は「個人や企業などみなさんの協力があり、20回の節目を迎えることができた。新たな企画を設けながら、今後も続けていきたい」とあいさつ。次いで、第18回シナリオ大賞の受賞式が開かれ、グランプリの室岡ヨシミコさん(34)、準グランプリの成田匡希さん(47)に賞状などが贈られた。

 室岡さんは「作品には、取材を通して感じた私の大好きな函館を詰め込んだ。本当にうれしい」と受賞を喜んだ。その後は同祭特別企画として開いたワークショップで撮影した作品「巡査と夏服」を上映。ゲストらを交えたオープニングパーティーが開かれた。

 また、実行委は2013年の第17回シナリオ大賞でグランプリを受賞したいとう菜のはさんの作品「函館珈琲」を映画化する方向で、準備を進めている。コーヒーが飲める古本屋を舞台に、真面目に暮らす人たちの何気ない日常を描いた作品で、西尾孔志監督がメガホンを執る予定という。(平尾美陽子)



◎観光交流センターにアル・ケッチャーノ・奥田さん監修飲食店出店 

 【木古内】2016年3月の北海道新幹線開業に合わせ、町がJR木古内駅前に建設を進めている「観光交流センター」に、山形県鶴岡市のレストラン「アル・ケッチャーノ」のオーナーシェフ・奥田政行さん(45)が監修する飲食店の出店が決まった。町内の事業者「K・DEPART(ケイ・デパール)」(近藤舞子社長)が運営する。

 奥田さんは町の姉妹都市である鶴岡市などで飲食店5店を経営しているほか、全国各地で7店舗の監修を手掛けており、それぞれの地域の食材を生かした料理を提供している。06年にはイタリアのスローフード協会の「世界の料理人1000人」に選ばれた。

 同センターに出店する飲食店は、奥田さんがプロデュースする山形県庄内町の「やくけっちゃーの」を参考に、町特産の「はこだて和牛」など道南の食材を客自身が焼いて味わえる店を目指す。184平方㍍のスペースに30〜40席を設けるという。

 昨年夏から町幹部らが鶴岡市を訪れるなどし、奥田さんに協力を求めてきた。今年11月上旬には町議らが同店を視察。生産者との関わりを積極的に持ち、地場産食材の魅力発信に努める店の姿勢を確認したという。

 同センターは渡島西部、桧山南部9町の広域観光拠点として、16年1月に開業予定。施設内には、レンタカー事業所、飲食店、特産品を販売する店などが入り、観光コンシェルジュ(案内人)が常勤する。(金子真人)



◎「北斗星」来年度廃止 道南からも惜しむ声

 寝台特急「北斗星」(上野—札幌)の廃止方針を受け、道南の観光関係者や鉄道ファンからは「仕方ないかも知れないが、残念」と惜しむ声が聞かれた。

 運行開始当時は3往復で、2008年から1往復となった。早朝に函館駅に着くと、朝市などへ向かう人も多かった。函館ホテル旅館協同組合(遠藤浩司理事長)は「着地点の観光、宿泊業者にとって廃止は残念。(機関車開発など)費用対効果を考えればやむを得ないのかも知れない」と話す。6日からJR北海道が運行するSL臨時列車も本年度限りの予定で、「北海道新幹線が来るとはいえ、魅力ある列車が無くなるのは複雑な思い。新幹線が大勢の観光客を運んでくれることを願う」と期待する。

 鉄道ファンで、函館市本通の会社員、石井健夫さん(62)は「出張や旅行で何度も乗った。貨物列車をけん引する機関車を使用するなどして、ブルートレインによる旅のロマンは残してほしい」と語った。七飯町にあるホテルの従業員は「のんびり過ごすのが旅のだいご味で、ゆっくりとした時間の流れる道南に来るのに北斗星は絶好の列車だったと思う。速さを売りとする新幹線の利用者では、そのような旅情ではなく、ほかの楽しみを求めることが多くなるのでは」と指摘した。(山崎純一)


◎13日に函館初「サンタラン」

 サンタクロースの衣装を着てパレードし、病院などに入院中の子どもたちにプレゼントを贈るチャリティーイベント「函館サンタラン」(同実行委主催)が13日、函館で初開催される。実行委員長で道教育大函館校1年の小野寺聖(りょう)さん(19)は「活動の輪が広まることで、子どもたちや参加者、市民の笑顔が増えてくれたらうれしい」と参加を呼び掛けている。

 サンタランは米国で発祥し、2009年に大阪で初開催。ことしは函館を含む道内6カ所で行われる。小野寺さんは昨年、父が実行委員長を務めた帯広のサンタランに参加しており、大学に進学後、函館でも開催したいと考えた。仲間づくりから始め、実行委員の9人で企業や団体に説明に出向き、多くの支援を受けられることになった。

 当日は大門グリーンプラザから金森赤レンガ倉庫群までの約2㌔を40分かけてパレードする。参加費から衣装代などを除き、クリスマスプレゼントを購入し、市内の病院と児童養護施設の2カ所にプレゼントを贈る。

 小野寺さんも中学2年のときに事故で入院し、ベッドの上で動けない経験をした。「入院している子どもたちにもクリスマスを楽しんでもらいたい。サンタランをもっと大きなイベントにして、北海道の冬をサンタでいっぱいにしたい」と話している。

 サンタランは午後3〜同6時。参加費はサンタ衣装込みで一般2000円。学生1000円(中学生以下500円)。問い合わせは同会(HakodateSantarun@gmail.com)ヘ。(能代俊貴)