2014年12月7日 (日) 掲載

◎「SLクリファン号」最後の運行開始

 

 冬の道南路を走るJR北海道の観光列車「SLはこだてクリスマスファンタジー号」が6日、運行を開始した。安全対策強化などの影響で、本年度限りが予定されている中、クリスマスの雰囲気あふれる列車の旅を楽しむ親子連れなどでにぎわった。

 この日午前8時35分函館駅発の一番列車には、ほぼ満員の乗客が乗り込んだ。カフェカーを含め4両ある客車はリースなどが飾られ、サンタ姿の客室乗務員が笑顔で旅をサポートした。沿線には全国から鉄道ファンが集まり、雪景色の中で煙を吐きながら進むSLの雄姿をカメラに収めていた。

 家族4人で乗車した函館在住の主婦、児玉明子さん(37)、長女の理桜ちゃん6)、長男の雪大ちゃん(1)は「初めて乗ります。北斗星(寝台列車)もですが、歴史ある乗り物が姿を消していくのは寂しい」。このほか「これからも走り続けてくれたら、子どもたちと一緒に乗れるのに。とても残念」といった声もあった。

 運転日は7、13、14日と20〜25日。予約などの問い合わせはJR北海道電話案内センター(TEL011・222・7111)へ。(山崎純一、斎藤彩伽)



◎戸井高61年の歴史に幕、閉校式典

 本年度末で閉校する戸井高校(小松将人校長、生徒17人)は6日、同校で閉校式典を開いた。歴代校長や旧職員、同窓生、地域関係者など約120人が参列。61年の歴史を懐かしむとともに、別れを惜しんだ。

 小松校長は同校の歴史を振り返り、現3年生の取り組みを紹介。「本年度はチャレンジを教育目標と掲げ、戸井高の最終章を走り抜けようとしている。今まで支えてくださった関係者の皆さまに感謝します」と式辞を述べた。

 函館市の工藤寿樹市長は「優秀な人材を輩出し、基幹産業である漁業に貢献したことは、多くの人の記憶に末永く残る」と述べた。このほか、水戸保同窓会長があいさつし、渡島教育局の成田祥介局長が道教委の立川宏教育長のメッセージを代読した。

 課題研究で上位に入った「閉校後の校舎利活用」「大間原発」の2班が研究の成果を披露した後、これまでの歩みと、3年生の青春を紹介するスライドショーを放映。3年生一人一人が「立派な漁師になる」「思い出や学んだことを忘れずに生きていく」などと力強く語り、参列者は惜しみない拍手を送った。

 生徒会長の館山晶奈さんは「アンカーとして先輩からバトンを受け取り、間もなくゴールを迎える。母校は無くなってしまうが、心の中の『我らが母校、戸井高校』というともしびは消えない。ありがとう戸井高校」と話し、最後は校歌斉唱で締めくくった。

 愛知県から訪れたOBの菊地愛洋さん(35)と花田康弘さん(31)は「閉校は寂しい気持ちでいっぱいだが、参加できて本当に良かった。今後の校舎の使われ方が気になるところ」と話していた。(稲船優香)



◎タカやフクロウに歓声、五稜郭タワーでショー

 五稜郭タワー(中野恒社長)は6日、創業50周年を記念したイベント「猛禽フライトショー」を同タワーアトリウムで開いた。スタッフに操られたタカやフクロウが縦横無尽に空中を飛び回る姿に、集まった客から歓声が上がった。

 ショーを披露したのは茨城県牛久市の鷹狩団体「ワールド・ファルコナーズ・クラブ」。鷹狩の技術を応用し、全国で催事を行っている。

 イベントには、全15羽が登場。猛禽を意のままに操る「鷹匠」が、空中に放たれたタカなどを呼ぶため掛け声を発し、手の上にとまらせると、客席から拍手が沸き起こった。体験コーナーでは5人の希望者が、短い距離からフクロウを呼び寄せ、自分の手に乗せる技を味わった。体験に参加した函館市内の葛西奏太君(5)は、「ちょっとドキッとしたけど楽しかった」と話していた。

 この日は他に、暁月めぐみさんらによる歌謡ステージも行われた。記念イベントは7日も行われ、マグロ解体ショーや歴史トークショーが予定されている。(山田大輔)


◎保護した犬や猫、写真で紹介

 犬・猫の保護や譲渡活動を行う「南北海道動物愛護ネットワーク『みらい』」(熊谷昭一代表)は7日まで、JR函館駅2階イカすホールで「活動写真展」を行っている。

 同団体は2010年4月に発足。市近郊で捨てられたり、保健所に収容されたりした犬や猫を保護し、里親を探す活動を続け、今月上旬に特定非営利活動(NPO)法人となった。ことしは道南各地で40回以上の譲渡会を開催しており、これまで里親が見つかった犬や猫は計401匹。現在、保護・飼育しているのは計100匹ほど。

 会場には、保護している動物たちや譲渡先で幸せに暮らす犬・猫の愛情あふれる写真約300点と活動紹介のパネルを展示。また、会員らが提供する手作り作品と日用雑貨がバザーも並ぶ。売り上げは全額、病院代や餌代といった活動資金に充てる。

 熊谷代表(60)は「いずれは動物保護施設を運営してみたい。展示会で少しでも活動を知っていただけるとうれしい」と呼び掛けている。入場無料。午前10時〜午後4時。(斎藤彩伽)